20200411-202004017を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~最終回~

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大受けて,

全国民への10万円給付に舵が切られました

これをどのようなメッセージとして受け止めるか?

思考訓練には良い題材ではないか,と思います

自分たちに影響することでもあるので

 

もちろん,政治家の政治家としてのアピール,というのもあると思います

ただ,それはそれとして,意味づけは必要です

 

意味づけの一例は,

現状ではあまり影響のないところに住んでいる方も協力してね,というもの

これを7都府県から全国に拡大された宣言とセットで考えると,給付金は協力金の位置づけととらえられるかもしれません

 

他にもこの1週間の話題で思考訓練の良い題材になりそうなものに, 

小中学校で毎年実施されてきた調査の中止があります

実施のメリット・デメリットを考え,中止の判断を意味づけてみる

 

 

いくつかの事例を使って思考訓練をしてみると,

自分の思考パターンというものも見えてきます

このときできれば,他の人と比べてみるとよりわかりやすいのですが,

自分の思考パターンを知ることで,自分の主張の偏りに気づけるようにもなる

 

こういう時だから,そんな時間の使い方をしてみるのも良いのではないか,と思うのです

メールやWEB会議等のしくみを使って,議論してみる

別にどれが正解というわけではないわけですから,

気楽ではありますが,ネタ的にはいたって真面目です

もちろん,ストレス発散に,バカっ話をすることも大切だと思いますが

20200404-202004010を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第10回~

 

 

出るぞ,出るぞと言われていた宣言が,国から出されました

 

ただ,同時に出された事業については,その予算案が成立するのは4月中がメド

この予算案が成立しない限りは,事業規模108兆円とする対策は動きません

良い悪いは抜きにして,このような,議会制民主主義国家の当たり前はしっかりと理解し,

これまでに既に出されている対策は必要に応じて利用しつつ,無用な動きを取らないことが必要です

その動きに対応される方々は人です

無用な動きで疲弊させてはならない方々です

 

また,「やれ」と言われていることは,

「なぜ,これをやれと言われているのか?」をしっかり理解した上で

実際に行動することが大切だと思います

繁華街に行かないからと言って,商店街に大挙して押し寄せていたら,何の意味もありません

 

 

いずれにしても,私たち一人ひとりが,

自分と他者との「WIN-WINの関係を築こうとすること」が,大切だと思うのです

 

サッカーJ1のあるクラブの選手が,

プロ契約の選手の総意として,クラブ側に報酬の返納を申し出たとのことですが,

この動きなどは,

「WIN-WINとは何か?」を選手たちがしっかりと理解できたからこその動き,

ととらえられます

選手たち一人ひとりが,「自分とクラブの互いの経営にとって」,

最善を考えたからこそ実現した動きだと考えられるからです

 

このようなトピックにしっかりと目を向け,学んでいくことも,

今だからできることと言えるのかもしれません

20200328-20200403を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第9回~

 

 

政府による,マスクの配布施策は,

巷では「アベノマスク」と呼ばれているようですが,しかし,本気でズッコケました・・・

これが2月の半ばだ,下旬だというのなら,まだわかるのですが,

その額かけて,今,やる話???

布マスクの代替えならば,ハンカチでも,バンダナでも,何でもいいわけですし・・・

 

こういう効果の薄い,タイミングの外れた施策は,

深刻な状況を,深刻な状況として受け止められない雰囲気をつくっていくと思うのです

だから,本気でやめてほしいのですが・・・

 

 

「大流行の感染症,日本での1日あたりの検査数は,2000件,ドイツのわずか17分の1」

との報道が先週土曜日にありました

 

少し調べてみると,

検査対象となった方のうち,0.5%は無症状感染者であることが発覚しています

有症状感染者の周辺の方に対して検査が実施されているとはいえ,

これを日本の人口に当てはめると

1億3千万人の0.5%,つまり,最悪,65万人が「無症状のまま感染していてもおかしくない」

ととらえられる

 

 

「最悪のケースの想定」というものは,

この程度のデータだけでもある程度できるのではないか,と思います

逆に言えば,この程度のデータを見られる力は絶対につけたい

そうすれば,自分で「根拠に基づく判断に利用できる」と思うからです

 

先週もこの場で書いたのですが,

感染症対策で重要なのは,密室・密集・密接を避けること

その前提の上での外出自粛だ,ということ

 

データにしても,原則等にしても,あらゆる情報というものを,しっかりと利用し判断することが,

自分の身を守るために,また,他者を自分が傷つけないために,

何よりも重要ではないか,と思います

20200321-20200327を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第8回~

 

 

首都圏,関西圏が,外出自粛要請を出した週末を前に,

「これが最後」と言わんばかりに外出をされた方も多かったようですが

うーん・・・

 

小池都知事の外出基準を示す言葉に,

「その言葉が意味する基準がわからない」という声が聞かれるそうですが

うーん・・・

 

 

ウイルスの感染拡大防止には,密室・密集・密接を避けよ,と言われています

これは今流行しているウイルスだけではなく,すべての感染症拡大対策の原則

外出自粛やその基準以前の「前提」です

その前提を踏まえれば,「密室・密集・密接にならないならば,出かければいいじゃん」なのです

ただし,

ひとりで,あるいは2,3人を上限に,お住まいのご近所を散歩する,そこで花を楽しむ・・・

 

交通機関というものは,密室・密集・密接になりやすい

だから,交通機関を利用するような外出は避ける

でも,仕事等々,用事があるのなら,利用せざるを得ない

だったら,なるべく混雑しない時間帯,列車や車両,混雑しない経路を選ぶなどして利用する

 

結局,「自分でしっかりと考えること」が大切

ロックダウンなんていう状況になったら,自分にだってどれだけの影響が出るのか?

そういったことを考えられるから,自分の身を守れるし,周囲への配慮もできるのですが,

どうも「考えることを放棄」している方が,多くいらっしゃる

 

だとすると,

「考えないこと,考えられないことを前提に,行動させる施策を考えるしかない」のかもしれません

たとえば「感染拡大対策! ○○したらポイント付与!」というようなこと・・・

20200314-20200320を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第7回~

 

 

今,就職戦線は「異常あり」の様相です

その動きは,少し前から(実は大分前から?)大手では始まっていた,と思いますし

「異常あり」の状況は,就職戦線に限った話ではないとも思います

ただ,新型コロナウイルスの感染拡大で,その変化は本当に急激なものになっている

 

人には習慣というものがあり,習慣から外れたものを極端に避ける傾向があることは

脳科学や心理学領域での研究成果を待つまでもなく明らかです

ただ,変化しているのですから,適応できなければほぼ生き残れないことは,

ダーウィンの進化論が語るところでもあります

 

もちろん,自ら変えるのは非常に怖いもの

背中を押してもらいたいとも思うはずです

それだけ,「背中を押す何かを,自分自身で創り出す」のは,実際問題としては相当難しい

では,「巨大な力ではなく,ちょっとしたきっかけ」を「背中を押す何か」にはできないものか?

 

柔道で活躍した現JOC理事の山口香氏が,

「現状ママなら,五輪を延期すべき」との私見を語られたとのこと

さまざまな思惑・利権が複雑に絡むこのイベント

既に大会組織委員会の高橋理事が私見発言したら,組織委員長が袋叩きにするような「延期論」を

JOC理事が語るなんてことは,相当勇気が必要な行動だった,と思うのです

 

確かにそこには背中を押すきっかけがあったと思います

高橋理事が私見を発したこともきっかけでしょうし,世の中の反応もきっかけ

そして,実際のアスリートたちからの声もきっかけ

ただ,そのような複数の小さなきっかけを束にして,論理的に整理し,

自分のよく知る立場から,意見を述べた

 

「いやいや,そんなの大したことではないのでは? だって,同じことを言っている人は,既にいる」

と言う方もいらっしゃるのではないか,と思います

でも,JOC理事の立場で,公の場で,私見とは言え初めて発信したのは事実では?

そして何より,「勝算あり」と判断されたからこその発言でもあったはずなのです

 

森友学園問題で,週刊文春が亡くなった職員の方の手記を報じ,

また,その奥様が国を訴える中で,首相と副首相がともに再調査を拒否する現実社会で,

山口氏の行動から学べることがたくさんあると,私は思います

20200307-20200313を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第6回~

 

 

WHOが,世界的な流行と,ようやく表明しました

「中国に懐柔されている」等々,批判があるようですが,

どうも組織やそのトップには,先出しタイプと,後出しタイプとの2種がいるように感じます

トランプ氏や,メルケル氏などが,先出しタイプ

WHOの事務局長は,後出しタイプ

 

国民性などもあるのだと思うのですが,

日本の政治家,日銀は,圧倒的に後出しタイプです

それが端的に表れているのは景気判断です

 

どちらにもメリット・デメリットはあると思います

先出しタイプは,リーダーシップを発揮する反面,誤判断で周囲を混乱させるリスクがある

後出しタイプは,誤判断で周囲を混乱させることはないけれど,その発信には今更感が漂う

 

ただ,私はこれからのAIの時代,

批判を受ける覚悟で,先出しタイプになれるかが大切になるように感じています

と言っても,むやみやたらに,先出しすればよい,とは思いません

「データに基づいて」判断し,先出しすればよい,と思うのです

判断に必要なデータは,以前に比べ,圧倒的に手に入れやすくなっています

だからデータを,正しく読み取り判断する・・・

その訓練は,自分のことで積むことから始めればいい,とも思うのです

20200229-20200306を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第5回~

 

 

公共交通機関が,普段に比べて明らかに空いてます

企業による出社停止措置,小中高の休校などが影響しているのだと思います

 

いずれの場合でもキーになるのは,

「自宅でも」,仕事ができるか,学習ができるか,ということ

この騒ぎが落ち着いたとき,「やってみたら,意外にできた」,と,

多くの方が実感するのではないか,とも思います

 

このリアルな経験は大きいです

「人は習慣の生き物」と言われる通り

簡単なことでさえも,なかなか取り組みたがらない

やってしまったら,それが当たり前になっていくものも多いはずなのですが,

それだけ感情面の問題は大きい

その事実を改めて実感しています

 

もう1つ,忘れずに振り返りたいことがあると思います

それは,負の側面は何だったのか,という点です

 

正直な話,今回割を食っているのは,

飲食・宿泊や交通関係などの他,中小企業を中心とした下請け企業だと思います

基本的に発注する側にあたる大手は,中小企業に,混乱の解決を丸投げすることも可能ですが,

下請け企業はそうはいきません

 

受ける下請け企業が,それに耐えられるよう支援する制度をつくらないと

やがて大手企業にもその影響が必ず出てくる

 

だから,

 「自分ファーストとはどういうことか?」と言えば,

 「自分をサポートしてくださる方々があるから自分がいる

 本当の自分ファーストは,他者ファーストでもある」

と,私は考えるのです

20200222-20200228を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第4回~

 

 

今年の2月は29日あるうるう年でした

それでも他の月よりも日数が少なく,あっという間に過ぎたように感じます

そう感じる理由は,今年からは祝日が1日増え,平日が18日になったからかもしれません

増えた祝日は,天皇誕生日です

 

その日に合わせ,天皇陛下が即位後初の記者会見をひらかれました

そこで陛下が語られたのは,

「寛容な心を」

 

 

では,寛容さ,とは何なのか?

私は寛容さについて,「<感情面>と<行動面>とを,まずは分けてとらえた方が良い」と思うのです

というのも,本当の意味での「寛容な心」を持つことは,

非常に難しいと言いますか,修練が必要言いますか,そういうものだと思うからです

 

たとえば, 

今,咳やくしゃみなどの症状がある方に,朝晩移動する電車の中などで出会ったら,

複雑な感情は持つのは当然のことだと思うのです

コロナウイルスの感染が,世界中に広がり,各種の影響が出ている中ですから,

「苦しそう,可哀そう」

「もしかしたら感染しているのではないか,と,周囲から見られるだろうな」

「でも,本当に,そのもしかしたらだったら」

といったように・・・

このような感情は決して寛容とは思わないのですが,

一方で持たないようになるには聖人でもないと厳しいとも思う

 

ただ,そんな状態にある方に対し,

非難するような発言をしたり,非常用ボタンを押したりといった「行動」は

多くの方はしないのではないか,とも思いますし,そんな行動をするべきではない,とも思います

そしてこれは,寛容の行動面でのあらわれ方,とでも言えるのではないか,と思うのです

 

もちろん本当の意味では,寛容ではないのかもしれない

それで悩む人もいるかもしれない

でも,感情と行動とを切り分けて考えてしまえば,つまり,

「感情を持ってしまうのは仕方がない,でも,寛容でない行動はとらない」ということができれば,

寛容な社会の実現に,少なくとも少しずつは近づけるのではないか,と思うのです

20200215-20200221を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第3回~

 

 

やはり街中は,普段と比較すると人の数が少ない様子

各種のイベントが中止や延期になったり,

大手企業中心に在宅勤務が推奨されていたりすることなども影響しているのでしょうが,

これだけの「流行」が発生すると,やはり人は動かなくなりますし,

飲食店などは,その影響をもろに受けている

 

ただ,この機会はチャンスにもできる

たとえば,外出しなくても,出社しなくても,

仕事や学習ができる環境は,技術的には作れるのですから,

それらをしっかりと試すこと,が重要なのだと思います

仮に何らかの不具合が発生しても,今なら言い訳もしやすいですし(苦笑)

 

そして,試すだけではなく,

人が動かないことの影響をリアルに感じることが,より重要なのだと思うのです

人には想像する力があるわけですが,

そこにリアリティがあるかないかの差は大きい

 

この機会に何らかの手を打ち,その課題を抽出し,さらにその対策をしたところが伸びる

ピンチをチャンスに変えるとは,そういうことなのではないか

と,感じています

20200208-20200214を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第2回~

 

 

国会での辻元議員と安倍首相とのやり取りが話題になっているとのこと

辻元議員が,森友学園や加計学園問題の他,その関連者の人事なども取り上げつつ,

「鯛は頭から腐る,だから,自身の進退を考えよ」との質疑時間最後の「演説」に,

首相が「意味のない質問だ」とヤジを飛ばした・・・と

 

国会という場・場面の目的を考えたとき,不思議に思います

「限られた時間の中で,議論すべきはそこなのか? それで審議を止めるのか」と

 

国会議員の方々は,各党を背負うという役割があるのでしょう

でもそれ以前に,国を背負う責任が,少なくとも国会という場・場面では圧倒的に優先されるはずです

国の今と未来と,議論すべきことは山ほどあるし,手をつけるべきこともたくさんある

 

 

場・場面ごとの立場,優先順位という意味で

同様のことは,一般人にもあてはまる,と思うのです

プライベートでは,自分を背負い,家庭や家族を背負う役割がある

もちろん,それを最優先はしたい

けれど,組織人・企業人,あるいは学生などの形で,

公的な役割を果たすことを,プライベートよりも圧倒的に優先しなければならない場・場面もある

 

そして・・・

プライベートの時間の中に,

公的役割を果たすためのInputの時間や,

それを自分の中で咀嚼していく時間をうまく組み入れるから,

その義務を果たすこともできるようになっていくわけですし,

公的役割を果たせるから,その結果がプライベートに還元されるようにもなっていくわけで・・・

 

このあたりの関係というのは,しっかりと整理し,自分の身につけておかないと,

誤った行動を取ってしまう可能性がある

 

ある程度の年齢になってすら,

公的な役割を果たせなかった原因をプライベートに求めているように見えるなら,

多くの方の信用を裏切ることになってしまうでしょうし,

場合によっては「絶縁したいのかな」とすら思ってしまいます

20200201-20200207を振り返る

 

【今週の一冊】

 世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」 

永井 孝尚 著 ~第1回~

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています

それに目をつけて(?),予防グッズの高額転売が後を絶たないとのこと

悲しいこと,ではありますが,

法律上の問題行為ではない以上,それを罰することはできない

 

そこに倫理意識を持ち出したところで,問題は解決しないでしょう

気にかけない方というのは,残念ながら存在する

当のご本人からすれば,

法律上も問題にならない(と言うよりは,できない),ということなら,なおさらなのかもしれません

 

ではどうするか?

 

ひとつには,別の予防方法を考える,という方法があると思います

たとえば,多少格好が悪くても,

ガーゼやハンカチ,あるいはキッチンペーパーのようなもので代用することも

ひとつの方法になるのかもしれません

予防グッズ以上に,うがい,手洗いの方が重要とする説もあるようですから

その頻度を上げるという対策も考えられる

 

いずれにしても,

目的まで立ち戻れば,手段は複数見つかる可能性があるはず,なのです

また,「手段の目的化」というものの問題も実感できる

さらに言えば,代替品の有無が,社会を生きる人々にとっては非常に重要であることにも思い至るはず

こんな機会だからこそ,ぜひ,考えてみたいことだ,と思います

20200125-20200131を振り返る

 

【今週の一冊】

 「「いつでも転職できる」を武器にする」 松本 利明 著 ~最終回~

 

 

新型コロナウイルスによる肺炎が猛威をふるっています

何より,みなさんにはお気をつけいただきたい,です

うがい,手洗いは,感染症予防の基本動作

どんな感染症でも共通する原則ですので,ぜひ覚えておきたいことです

 

もう1つ,感染症をネタに学べること

それは,ムーブメントの原理,です

 

感染症は,自然の摂理,自然の現象です

その発生,流行のメカニズムそのものには無理がありません(だから,自然の摂理なわけで・・・)

同時に,本当に大流行していている,あるいは,大流行した社会現象は,

自然現象と基本的に同じメカニズムを持っている,と考えられている

そのあたりのことは,

以前,NHKのスーパープレゼンテーションでも紹介されたTEDでのプレゼン,

「How to start a movement(日本語タイトル:社会運動はどうやって起こすか)」

でうまく表現されています

実際見ていただくとわかるのですが,まさに,感染症そのもの・・・

 

このことをさらに発展させ,一般化すると,

 自然現象と同じメカニズムであること,が,シンプル,ということであり,

 また,人が活動する上で,もっとも筋の良い方法だ

ということになる・・・

 

コロナウイルスからだけでも

学べることが複数あるもんだなあ・・・と思います

20200118-20200124を振り返る

 

【今週の一冊】

 「「いつでも転職できる」を武器にする」 松本 利明 著 ~第2回~

 

 

大企業による人員削減の動きが,少しずつとは言え,目立つようになってきました

大手銀行が先行し,話題にもなりましたが,

それは,金融業界に限った話ではないことを証明した,とも言えるのかもしれません

そして・・・

大企業に限らず,この動きは拡大するはず,です

その試金石,と言いますか,トライアルのタイミングが,オリンピックです

 

ロンドンオリンピックの成果の一つは,テレワークの拡大だった,と言われています

つまり,「別に職場に来なくても,仕事ってできるじゃん」ということです

東京オリンピックでも,それは確実に行われますし,

さらに一歩進めたことがテーマになることは間違いありません

それは,「人がやらなくても良いことは,AIやら自動運転やらのテクノロジーでやれば良い」ということですし,

未来の社会は,きっとそんな社会だとも思います

 

では,そんな社会で,自分はどう生きていくのか?

 

先日,支援先の経営者の方と

「自分の3年後の目標を描くのは難しい」という話をしていました

今と将来とのバランスを踏まえて考える必要があるから,です

 

ただ私は,

難しいこと,は,いくつかの「易しいもの」に分解して,手をつければよいのでは?

と思うのです

 

「3年後の目標」を例にすれば,

まずは「今を起点にした最高到達点」,そして「10年後」とに分解する

それぞれの目標を出した後で,「融合する」

 

10年後を描くことは,3年後を描くことに比べて,かなり易しいはずです

それは,多くの場合,将来の姿からだけ描くから,ですし,夢・願望に近いものだから,です

そして,今の発展型・最高到達点も,周囲の先輩を見るなどすれば,描けるはずです

 

もちろん,融合する段階は難しいです

融合しようとすると,「大きなGAP」がある可能性もあるから,です

ただそんな場合でも,大きなGAPを,「小さなGAP」になるよう「ステップ化」すれば,

「ステップごとの目標=到達ゴール」は設定できます

 

このよう少しずつステップを踏めば,「3年後の目標」も完成させられる

 

 分解してから考える

 

これからの社会を生きていく上で,必要な力だと,私は思います

20200111-20200117を振り返る

 

【今週の一冊】

 「「いつでも転職できる」を武器にする」 松本 利明 著 ~第2回~

 

 

この週末,最後となる大学入試センター試験が行われています

初めて行われたのが1990年ですから,

30年に渡って行われてきたわけです

 

とは言え,その形は,大きく変わってきています

国公立大だけでなく,私大の参加が可能になったこと,あるいは,推薦・AO入試の拡大などもあり,

5教科受験が当たり前の時代から,今では1教科だけ受験するパターンすらある

 

その変化が,進化や進歩・発展なのか,はわかりませんが,

少なくとも社会環境の変化に対応してきたのは事実だと思います

 

「状況が変われば,変わらざるを得ない」

 

 

「状況が変われば,変わらざるを得ない」というのは,大学入試に限ったことではないはずです

つまり,「社会の状況が変わるなら,私たちは変わらざるを得ない」わけです

人間は習慣の生き物,と言います

だから,変化を本当に恐れる

でも,どうせ変わらざるを得ないのなら, 

自ら変わること,変わろうとする意志を持つこと,が,大切になると思うのです

 

ナゼか?

自分自身の成長という意味で,また,自分が新しい社会のルールに関与できる可能性があるという意味で,

そこには必ず「チャンスがある」と思うから・・・

 

20200104-20200110を振り返る

 

【今週の一冊】

 「「いつでも転職できる」を武器にする」 松本 利明 著 ~第1回~

 

 

この1週間の米国の世界に対する態度に,

私は「戦略性」を感じます

もちろん,この米国の動きを良い態度とは思わないのですが,

それでも,シェールオイルの力を背景にした中東への「しかけ」などを見ると,

「世界の警察」とも言われた過去とは違うアプローチで,それでも戦略的に,

自国に優位になるように動いている,と感じるわけです

 

この米国の動き方は,

私たち一人ひとりが,これからの時代で自分が幸せになるための参考にできると思うのですが,

そのために,まずは「自分を知ること」が必要だと思うのです

それは,自分の武器は何かを冷静に見極めること,と言い換えられます

つまり,

 

 何を自分の武器として,どこで生きるのか?

 いつの時点で,どういう自分になっていたいのか? 

 

を考え,具体的に行動する,ということです

 

多くの方が,そこまで考えようとも,まして行動しようとはしないのも事実です

日々,やらねばならないこと,

つまり,「緊急度が高く,重要度が高いこと」が,山積みだからです

 

ただ,「動くなら今だ」と思います

それは,「働き方改革」が本格化するからですし,

まだまだ世の中のルールがかたまってはいないから,でもあります

 

そして,今,ここで動けば,大きな差をつけることができる

それは,多くの方が,日々に追われているから,とも思うのです

20191228-20200103を振り返る

 

【今週の一冊】

 「働かない技術」 新井 健一 著 ~最終回~

 

 

年末年始,いかがお過ごしでしょうか?

長い連休になったという方も多いのではないか,と思います

 

私はこの時期,「どんな自分になりたいか」を改めて見つめつつ,

前年の振り返りをすることにしています

そして,足りないものは何か? 新たに勉強が必要なことは何か?

を考えるわけです

 

大抵の場合,

 今の延長線上で,経験を積もう

 あるいは

 蒔いた種の成果を取りに行こう

というようなことになるわけですが(苦笑),

それでは済まないケースも出てくるわけです

それは,

 努力をしても,成果として提示できない

というケースなのですが,これには大きく2つのパターンがあります

 

一つは,文字通り成果が出せない,というケースです

自分の力不足を痛感するケースと言い換えてもいいのかもしれません

 

もう一つは,成果は出せるのだが,成果の度合いを提示できない,というケースです

成果を数字で示すことがなかなか難しかったり,

あるいは,その数字では,他者を納得させにくかったり,というパターンです

 

いずれも,何かを変える必要があるわけですが,

アプローチはまったく異なります

 

後者のパターンで

「成果を出している」と自分では思っているのに,「評価されない」と感じている方,あるいは,

「成果を出せているのか,いないのか,自分に自信が持てない」という方は,

成果の度合いを示す方法,つまり,数字で示す力を身につけると良いのではないか,

と,私は思います

2019年を振り返る

 

【今年の5冊】

「THE RHETORIC」 ジェイ・ハインリックス 著

「データはウソをつく」 谷岡 一郎 著

「数字で話せ」 斎藤 広達 著

「小さなチーム,大きな仕事」 

  ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 著

 

「学ぶということ」 桐光学園+ちくまプリマー新書編集部

 

 

 

平成から令和へと時代が変わり,はじめて迎える年末です

その一区切りは,イチロー選手の引退と,ラグビー日本代表の活躍とも重なるように感じます

 

他にも,振り返ると,さまざま「大ごと」があったように思います

IoT・AI・5G・ESG投資など技術進展やその活用が進みつつ,

大規模災害,GAFAめぐる規制論,不正など,さまざまな問題もありました

でも,これらは「SDGs」をキーにくくれば,ほぼほぼカバーできるかな,とも思います

 

とすれば,

考えるべきは,「誰のための進歩・発展・開発なのか」だと思うのです

そして,その答えとして「自分や自分の大切な人々のため」と言い切れば良いとも思います

だから,今も大事だし,将来も大事なのだ,と思いますし,

自分ひとりで生きていけるわけでもないわけだから,

世界のことを考えることになるのだとも思います

 

今年,中学2年生の少女に,学んだ言葉があります

それは,「信用貯金」という言葉

自分や自分の大切な人が,本当に大切なら,「信用」を積み上げることが最も重要なことになる

SDGsを自分の言葉で語る,最高の例かな,と思います

 

他にもこの1年,さまざまな方々から,多くの学びがありました

本当に感謝のひと言,です!

 

20191214-20191220を振り返る

 

【今週の一冊】

 「働かない技術」 新井 健一 著 ~第2回~ 

 

 

「手筋」「筋の良し悪し」「無理筋」などなど

「筋=すじ」という言葉,今という時代を生きる上で,非常に重要な言葉なのではないか

と,最近よく思います

あまりに「筋が悪い」話題が多いと感じるから,です

そして,問題の浅いところしか見ずに,事を指摘すると,

途端にその筋の悪さが際立つようにも思います

 

たとえば今週報道された「外科や救急の医師の9割が男性という事実」と

大騒ぎされた「医学部医学科入試の事実」とを,「筋」として見たとき,

医学部医学科入試で問題とされたことは,本当に問題だったのだろうか?

と考えることができるのではないか,と思うのです

 

解決したいそもそもの問題は,

「外科や救急のサービスを,多くの人が受けられるようになるのか」だったはず

「どんな解決方法があるのか?」と具体的に考え,具体的に行動することが必要なわけです

そこに,性差というものが存在すること,

また,特に外科医や救急医は,本当に過剰労働の状況にある,とすれば,

「男子を多く採ります,外科医・救急医が必要だから」と

募集要項に明記するという方法でもよいはずなのです

女性差別とはまったく別の問題のはずですし,

数字としての事実が,それを物語ってもいます

 

それでも,「(表面上の)男女平等が重要なのだ」と言うのであれば,話は別です

ただ,その時には,

「外科や救急のサービスを,多くの人が受けられるようになる」ことは二の次です

救急車で自分が担ぎ込まれても,「診療時間外ですから,16時間ほどお待ちください」と言われることを

覚悟する必要がある

同時に満たすことはできないのです

 

「いやいや,同時に満たす方法はあるはずだ」「それを考えるのが大学や病院の仕事だ」

という方は多くいらっしゃいます

ただそれは,判断をせず,行動を先送りしているだけだということに

気づく必要があるとも,私は思います

20191207-20191213を振り返る

 

【今週の一冊】

 「働かない技術」 新井 健一 著 ~第1回~ 

 

 

役務を果たさずモノを盗み,ネットオークションで売りさばいていた

しかも,大量に・・・

その行為もさることながら,容疑者の「簡単だったから」との趣旨の言葉を

正直,私はまったく理解ができません

「人というのは弱いもので・・」・

ということを,自分自身の行動を振り返って,リアリティを持って理解はしていても(汗)・・・

 

だから,

「今の時代,改めて自分の常識というものを疑うことは必要なのだろう」

と思うのです

 

そして,そんな現実も踏まえた,「文科省の大学入試改革だった」と思うのですが,

どうやら目玉施策は,すべて見送りの様相です

もちろん,さまざまな課題があり,また,議論も仕切ったのか感があるのは事実として,

英語試験の制度・精度面も含めたさまざまな課題,と,国語・数学の課題とを,

「切り分け,整理しきらず,同一視したかのように安易に判断したのではないのか?」

と,勘ぐってしまいますし,

実際多くの方が,そのように思っているのではないか,と感じます

 

さらに,「働き方改革」が叫ばれる中で

そこに費やされた膨大な時間を,国はどう考えるのでしょう?

この罪は,多くの人に残した「感情」も含め,非常に大きいと思います

 

「目的は何だったのか?」

 

それを見失うと,迷走する,と,本当に思いますし

逆に「目的さえしっかりとしていれば」

多少の混乱は乗り越えられる,ともまた,思うのです

20191130-20191206を振り返る

 

【今週の一冊】

 借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんがあえて教えなかったトンデモナイこの世のカラクリ」 小池 浩 著 ~最終回~

 

 

今週,元プロ野球選手の落合博満氏のお話をうかがいました

「プロ野球選手,なんで練習すると思います?」から始まったそのお話,

その間,さまざまな話題の後,示されたその答えは

「不安を消すため」

というものでした

 

 「みんな練習なんてイヤだ

  だから,不安がなくなれば,練習を終えればいい

  不安があるなら,とことんやればいい」

 

非常にシンプルだ,と思いました

そして,現役時代の行動と指揮者になってからの行動の意味が,

非常にシンプルな原理で説明できる,とも思いました

 

現役時代に自分が達成すべき数値目標,たとえば,3割5分,40本,100打点がある

その数字を達成するのに必要な結果,たとえば,4打数2安打ができるか,

不安がなければ,たった5球打つだけでも練習を終え,不安が残れば練習する・・・

 

同じことを選手がやれば,チームは必ず勝てる

選手一人ひとりが,チーム内NO.1を目指す領域で,

不安がなくなれば練習を終え,不安が残れば練習すればいい

指導者は,選手の不安がなくなるまで,つきあってやればいい・・・

 

 

これは企業活動にも当てはめることができる,と思います

時代はどうとらえても,「プロフェッショナル型」に移行しています

人手不足と言いつつ,大企業中心に大量の早期退職の募集が行われている現状をとらえると

それを専門でできる人が不足しているに過ぎない

 

だとすれば,しばらくは,

「何をしたいか,それを実現する努力をするか,それを信じさせる事実はあるか」

が,採用の,あるいは,各領域を任せる人材選びの最重要指標になるのではないか,と,私は思います

 

そして,であれば,

一人ひとりは,「それを示せること,その具体的な行動」をすればよいのだ,と思いますし,

ならば「自分が,好きで好きでたまらない領域を選ぶべきだ」,と思うのです

20191123-20191129を振り返る

 

【今週の一冊】

 借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんがあえて教えなかったトンデモナイこの世のカラクリ」 小池 浩 著 ~第2回~

 

 

この1週間は,

今,世の中で起きていること,と,その課題が,典型的に表れた週だったように思いますし,

また,課題解決に向けた取り組みの方向性に当たるものが,随所に見られた週だったように

私は感じています

その意味で,個別の何かの答えを覚えるというよりは,その意味をとらえれば,

自分が幸せになるために,今,何を考えたらよいのか,行動したらよいか,の

ヒントにできるのではないか,と思います

 

世の中で起きていることを見つめると,

そこには「文脈」が存在します

その「文脈」の中で,多くの人や組織が何等かを考え,そして,行動している

もちろん,その考えや行動が正解なのかどうか,はわかりませんが,

少なくとも「自分や自分が属する組織」が「幸せになるため」に行動しているととらえることは可能

すると,その考えや行動は,

世の中の自然の法則や,原理原則に沿っているのではないか,ともとらえられる

これが,「自分が幸せになるためのヒントにできる」と,私が考える理由です

 

 

行動をすることは難しいです

行動を変えるのはさらに難しい

行動するから問題が起きる場合もありますし,行動を変えたら「改悪」ということも,もちろんある

「それ見たことか」と,周囲からは評価も受けやすい

でも・・・

しっかりと文脈を考え,また,しっかりとそれを評価していけば,

その行動自体がもたらす悪影響や,改悪の影響は,ほんのわずかに抑えることもできる

軌道修正をすればよいだけのことだから,です

 

これだけ変化が激しいと,これまでの最適が将来の最適ではあり得ない

変化に適応するには,やはり「いつかは」行動を変えるしかない

そのときに必要なことは,行動・経験を通じた「リアルな知恵」だと思うのです

 

いざ,そのときのために・・・

 「考える」トレーニングと,

 「行動する,行動を変える」トレーニングを少しずつでも積み重ねること

これが,自分や自分が属する組織が,

今だけでなく,将来に渡って幸せでいられるキーだ,と私は思います

20191116-20191122を振り返る

 

【今週の一冊】

 借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんがあえて教えなかったトンデモナイこの世のカラクリ」 小池 浩 著 ~第1回~

 

 

「株式の売買注文をしようとすると,何者かが,常にそれを先回りする動きをする」

そんなSF小説があるそうですが,

今やそれは現実に起きていることなのだそう

 

このことを少し広げると

 SF小説のように,人間が想像できることは,

 いつか実現できるもの,実際に起きることなのだ

と考えられるのかもしれません

 

つまり,

 さまざまな知識を得つつ,「自分が実現したいこと」をしっかりと考えられれば,

 それは必ず実現する

ということ

 

 

だとすれば,

 自分の願い,と言いますが,目標というものは,

 それが具体的であればあるほど,

 叶う確率が高くなる,とも言えるのではないか

と考えられる

 

このことについて,私自身は,

世界の知性ともいわれる6人へのインタビューをまとめた「知の逆転」という本の中で,

複数の方が「SFを読め」と言っていたことを思い出します

 

これは,

「想像力を養い,そして,自分の思いを明確にし,

 さらに,その実現に向けて行動することが大事なのだ,というメッセージ」

だったのかな,と,今,振り返ると思うのです

 

そして・・・

これが,自分がもっとも成功しやすい道なのだろう,と思うのです

20191109-20191115を振り返る

 

【今週の一冊】

 「日本への警告」 ジム・ロジャーズ 著 ~最終回~

 

 

最近,皇室関連の行事を見ると,本当にスゴイなあ,と思うようになりました

その規模感や各行事の時間の長さもさることながら,

それが続けられてきたという事実に対する,歴史の重み

そして,

さぞやお疲れだろう,と思うのですが,笑顔を絶やされない天皇陛下をはじめとした皆様方に,

ちょっとやそっとでは,あの立場は務まらないだろう,と,本当に思うようになったわけです

 

 

ヤフーとLINEが経営統合に向けた協議を進めているという話題がありました

これも今週,スゴイな,と思った話題だったのですが,

皇室の話と比較すると,スゴイの種類がまったく違う

「当たり前」とおっしゃる方が大半なのかもしれませんが,

でも,「スゴイ」という共通点があるのだから,他にも「共通点」はあるはずだ,と私は思うのです

 

ナゼなのだろうか? と考えたときと思ったことがあります

それは,「人を感じにくい」ということなのではないか,と

ヤフーとLINEの話題は,「商売のための,商売の話題なだけ」のように感じてしまうのです

報道にも偏りがあるのだろう,とも思うのですが

 

皇室に「人」が感じられるように,,

これからの企業というものにも,「人が感じられること」が求められるように思います

そして,それは,もっとわかりやすく発信していくことが求められるようにも思うのです

そこに「人」が感じられるから,より強い共感が得られるのではないか,と

 

「甘い」と言われるかもしれませんが,

それでも私は,「人」を,何より尊重していきたい

AIの時代とも呼ばれる時代だから・・・

20191102-20191108を振り返る

 

【今週の一冊】

 「日本への警告」 ジム・ロジャーズ 著 ~第2回~

 

 

日本国内の上場企業が,2期連続で減益見込みとのこと

ひとつの要因に,米中対立があることは間違いないわけですが,

ただ事の本質という意味では,

日本が,少子高齢社会で,かつ,人口減少社会に入ったこと

の方が,より重要なことだと私は思います

 

たとえば中国の人口は,日本の人口の10倍

10倍とだけ聞くと,大した差ではないように感じるかもしれません

10人の10倍なら100人に過ぎません

 

でも,実際には,

日本の人口1.3億人の10倍ですから,

中国の人口は13億人です

圧倒的な違いがあること,が,わかります

 

もう一つ,例を考えてみます

仮に日本は昼食代にひとり1000円かけていて,中国は500円だったとします

(適切と思えないのですが,便宜上ですので,ご容赦ください)

一見すると,日本の方がよりお金をかけているように見えますが,

総計では,日本は1300億円に対して,中国は6500億円です

4200億円もの差があることになるわけです

 

以上のことから

人口減少というのは,それだけインパクトを与えるものだ,という点がわかるはず,なのです

 

 

さて・・・話題のついで(?)として,学びたいことがあります

それは,

 数字というものは,○%や○倍といった比率だけでとらえると,

 誤った感覚を持ってしまいがちだ

ということ

 

だから,その実際の規模にも,しっかりと目を向ける習慣が必要だ,と思うのです

そして,

その実数の規模感を,自分の感覚とすり合わせていくことも大切だ,と思います

10円,100円,1000円の感覚がない,という方は,あまりいらっしゃらないと思いますが,

1千億円,1兆円,10兆円の感覚を,持たれてている方は,必ずしも多くはないと思います

比率にすると,いずれも,「1:10:100」なのですが・・

 

この感覚を磨くには,「@×個数」に変換する,のが,ひとつの方法です

変換するのは,自分の感覚のある具体的なモノやサービスなど

たとえば,1台1千万円するベンツを例にすると,

1千億円というのはベンツ1万台分,ということになります

いかがでしょう? 

1千億円という数字よりは,余程その数字にリアリティを持ちやすくなるのではないか,

と思うのですが・・・

20191026-20191101を振り返る

 

【今週の一冊】

 「日本への警告」 ジム・ロジャーズ 著 ~第1回~

 

 

「日本という国は,魅力的と言えるのか?」

 

ここのところ相次ぐ政治や政治家の失態・失言,しくみや制度の課題などを考えたとき,

また,日本が抱える財政赤字や今後の状況,インフラの老朽化など含めた課題を考えたとき,

日本の将来に不安を抱く方も多いのではないか,と思います

 

そう思うこと自体は自然なことなのではないか,と思うのですが,

一方で,冷静に判断することが必要なのではないか,とも思うのです

 

今,自分が暮らす環境というものは,課題が強調されやすい面があるはず

これは,国のレベルに限りません

地域社会や働いている企業,学ぶ学校なども含め,

自分が暮らす社会については,課題が目につきやすい

 

隣の芝生は青く見える,という言葉が,それを端的に表しています

課題に対応できている他者や他の環境は魅力的に見えるわけです

でも,その課題が克服されている分,別の課題がある可能性を否定できない

 

だから,情報が必要なわけです

冷静に検討し,判断するために・・・

 

ただし,

闇雲に情報を集めたところで,余計に混乱するだけかもしれません

この世の中,質・量ともにさまざまなレベルの情報が同列に,

あるいは,実際には劣っている情報が有益であるかのように示されているケースは多々あるからです

 

また,判断したい,のですから,本来は判断の基準があるはずなのですが,

単に「課題」にだけ目を向けてしまうと,良い点を見過ごしてしまいかねない

たとえば,冒頭上げた「魅力的と言えるのか?」というお題であれば,

「魅力的とは,どういうことか?」を判断する基準を持たないと,

自分の「そのときの感覚」に都合の良い情報だけ,ピックアップしがちでもあります

 

すると,大切なことが見えてくると思います

それは,「魅力的とは言えないのでは?」という自分の思いや感覚を「仮説」として,

「どうだったら魅力的で,どうだったら魅力的ではないとするのか?」を定めること

たったそれだけのことで,検討のレベルは飛躍的に上がります

 

では,その判断の基準は,どのようにしてつくるのか?

それは「先人の知恵に学んだ方がよい」と思いますし,

その形になっているものの一つが書籍だと,私は思います

20191019-20191025を振り返る

 

【今週の一冊】

 「THE RHETORIC」 ジェイ・ハインリックス 著 ~最終回~

 

 

ワールドカップ日本代表の活躍は,

多くの方に感動を与え,その魅力に,初めて気づかせた,と思います

一方で,「大会通して,力を発揮し続けられる」という点で,

世界のトップとは差があることも感じさせた

 

その場に立ったからわかることがある,と私は思うのです

目の前の一つひとつを,一つひとつ全力で片づけていくことはものすごく重要

でも,そのやり方で立てる世界は,本当のトップの世界ではない

本当のトップの世界とは,トップからの逆算思考で

一つひとつに向かっていくような世界・・・

 

 

そのアプローチは,スポーツの世界だけにあてはまるわけではない,と思います

人生の成功,という場に立つには,

さまざまな成功体験を通じ,そこで見る景色のリアリティを知ることが必要

その経験とリアリティを得ることが,トップの地点への登り方を知る,ということ

 

たとえば,ビジネスの世界の話なら,

「トータルでの売上・利益を考えながら,一つひとつの顧客との関係構築に臨む」

というようなアプローチに,どれだけリアリティを持てるか

学業の世界であっても同じで,

「本命入試での合格を考えながら,併願入試や,それ以前の模試・実力テストに臨む」

というようなアプローチができるか,そして,その時の「感覚」がわかるか・・・

 

 

経験がないのなら,経験するしかない

ただそれは,いつでも,何ででも,経験することができるはずだ,と私は思います

 

そのとき必要になるのは,ただ1つ

 

 「本気」

 

だと思います

 

ここで言う本気とは,慣れを否定し,新たに始める覚悟のこと

ワールドカップ日本代表に見たのは,このような「本気」だったと,私は思います

20191012-20191018を振り返る

 

【今週の一冊】

 「THE RHETORIC」 ジェイ・ハインリックス 著 ~第6回~

 

 

台風19号による被害が,尋常ではないことが明らかになっています

それは,「未だに全貌が見えないこと」が,端的に物語っているように思います

 

それでも,人というのは忘れる生き物です

 

 喉元過ぎれば熱さを忘れる

 

という言葉は,この場でも何度か出していますが,

私も含め人というものは,

すぐに忘れてしまって,結局,場当たり的な対応をくり返しがち・・・

 

今回多くの方がリアリティを持った経験をしたわけです

このリアリティを持った経験を,それぞれのプロの領域で活かしていけば,

より良い社会にしていける,と思うのです

 

 忘れないしくみをつくる

 

忘れさせないしくみ,というよりは,

忘れているのに,不都合が起きないしくみを,それぞれのプロの領域で作っていくイメージです

 

ただ,そのレベルにまで行くために,一つ重要なことがあると思います

それは,

 

 どんな状態になることを目指すのか

 

ということです

 

自然災害が起きないことを目指しても,その実現は,少なくとも短期では不可能です

本当に長期で見れば,地球環境を整えることを通じて,

自然災害の発生をなくすことはできるのかもしれません

でも,今,それは無理

だから,その被害を抑制するしくみ,あるいは,被害を最小限にするしくみ,

そして,その被害から最短で復旧できるしくみがある状態を目指す

 

リアリティを持った多くの方がいる今だからこそ,

多くの人の共通の目線を合わせていけるときなのではないか,と私は思います

20191005-20191011を振り返る

 

【今週の一冊】

 「THE RHETORIC」 ジェイ・ハインリックス 著 ~第5回~

 

 

本来次週扱う内容なのですが,

やはり台風19号に触れざるを得ないかな,と思います

 

まずは,被害に遭われた皆様には,心からお見舞い申し上げます

また今日以降,天気が不安定との予報が出ている他,目には見えない事態が進行している可能性もあります

くれぐれもご自愛いただきたいと思います

 

その上で,私たちは,ここから何を学ぶのか,しっかりと考えた方が良いと思うのです

今,学びたいと私が思うことは,

 

 リアリティを持った経験

 

です

 

「数十年に一度のレベル」という言葉が,

流行語でもあるかのように使われているように感じるのですが,

今回の台風の影響は,まさに「数十年に一度のレベル」なのだと思います

今,ここにあるリアリティを持って,

他の地域で起きた「数十年に一度のレベル」の事態を想像してみると

その場で起きていたこと,が本当の意味で理解できるのではないでしょうか

 

そして,過去の自然破壊によって,

この「数十年に一度のレベル」のことが,当たり前になることが予想されている

元を絶たないと,「とんでもないことになる」ことを,

今なら「リアリティを持って」想像できるのではないか,と思うのです

 

廃プラ対策といったレベルではなく,環境問題に本気で取り組むこと, 

また,

それが起きることを前提として,

私たちが生活する場の見直しなど,より根本的な対策を講じること,が

今,知恵を出し,また,お金を出すべきところではないか,と

これもまた「リアリティを持って」訴えられるのではないか,と思います

20190928-20191004を振り返る

 

【今週の一冊】

 「THE RHETORIC」 ジェイ・ハインリックス 著 ~第4回~

 

 

ITの発展は,今,社会環境に大きな変化を巻き起こしています

 

社会環境に変化が起きれば,それまで想定できなかった「課題」も発生することが予想されます

それらの課題は,私たちにとって何らかのデメリットを発生させるため,その解決が,社会から要求されることになります

そして,その課題が解決されると,再び社会環境に大きな変化を巻き起こすことになる

 

このようにとらえると,

ぐるぐるぐるぐる,「同じようなスパイラル」をまわっていることに気がつきますが,

それは,「同じ円の上を回っているわけではない」ことにもまた,気づけることがわかります

つまり,

スパイラル状を描くという普遍的なパターンと,課題という変化し続けるものがある,わけです

 

 

「自分のため」に,「社会活動をする中で学んだ方が良いことがある」と私は思います

その一つは,コミュニケーションに必要な言葉です

同じ言葉を使っていても,その真意を理解するには,国語の教科書で扱われている程度の言葉と,

「自分が生活する社会」で使われるキーワードは,やはり日々学んでいくことが大切になる

そうでないと,「わかっている<つもり>」,「わかっている<はず>」が生まれるから,です

 

そしてもう一つ,「自分のため」に学んだ方が良いことがある

それは,「普遍的なパターンと言えるもの」だと思います

冒頭取り上げたスパイラルの話などは,その具体例の一つです

 

 

なぜそれが必要だと思うのか?

それは,社会で起きている,

一見自分とは関係のないことを,自分のこととしてとらえられるようになるから,です

「ITの発展が,社会環境に大きな変化を巻き起こしている」と言われても,

それを自分事のレベルまでは,多くの人は感じられてはいない

多くの人が実感できていないことに,自分が気づくことができれば,

その分自分に優位になるはずです

何らかの対策を,自分だけが取ることができるのですから

 

ただ,自分のこととしてとらえられるようになりたいのですから,

知識ベースで学んだだけでは不十分だ,とも思います

「自分の目で見たこと,自分が感じたこととして,具体例を伴う形で学ぶこと」が何より大切になる

 

ただそれは決して難しいことではない,とも思います

その一つの理由は,

「勉学や仕事の領域に当てはめたらどうか」など,

自分なりに「変換,解釈,落とし込みをする」ことを,少しずつでもしてみれば,

気づけることの幅が格段に広がると思うからです

 

そしてもう一つの理由は,

先人の知恵に学ぶことができると思うから

特に,古くから使われてきた「ことわざ」や「四字熟語」などからは,学べることがたくさんある

先のスパイラルに関する話で言えば,

「犬も歩けば棒に当たる」であったり,

「因果応報」「輪廻転生」であったりといった言葉がそれにあたるかもしれませんが,

そういった言葉に,自分で置き換えてみれば,

何が普遍的なパターンなのか,に気づくこともできる

 

 

いずれにしても,単なる知識として,言葉や普遍的なパターンをインプットするのでは,

その効果は限定的だ,と思います,

何らかの形で,自分の中で変換して,アウトプットすることで

その効果を無限のものにすることすらできる

日々のそんな少しずつの積み重ねが,

自分で自分のレベルを引き上げることにつながる,と,私は思います

 

20190921-20190927を振り返る

 

【今週の一冊】

 「THE RHETORIC」 ジェイ・ハインリックス 著 ~第3回~

 

 

競争相手のLINEアカウントを無理矢理削除した少年3人が逮捕されるという事件がありました

その犯行,広告収入で1千万円の収入があった競争相手からフォロワーと広告を奪うのが目的だったとのこと

 

「・・・」

 

これ,私の最初の反応です

この事件,被害者も加害者も高3生らの少年なのだそうで,

その年齢で,1千万円の収入があることに驚き,LINEでそれを実現していることに驚き,

それを無理矢理削除させるという行為に驚き,での反応だったわけです

 

 

「世の中には,常識いうものがある」

これは私にとっての常識の一つでした

それは,知識面だけでなく,

たとえば,人に迷惑をかけない,とか,対価をいただくからにはそれなりのことをやる,とか

物事に対する態度などにも,「常識というものが存在する」,というのが,私にとっての常識だったのですが・・・

 

 

ある特定領域で活動するには,知っているべきことがある

というのも,私にとっては常識でした

企業の管理部門で働いているのであれば,

新人だろうが何だろうがプロなわけですから,それなりに知っておくべきことがある

でも・・・

 

管理部門ではたらく人の46%が,法的に有効な「電子契約」を知らない,との結果が出たとのこと

民間企業による,たった111名の調査結果ですから,

46%という数字の信ぴょう性は高いわけではありません

そうではあっても,相当数の方が,自分がプロとして対価を得ている領域の,

私としては常識と言えることを,「知らない」と回答した

私にとっては,これまた愕然とさせられる結果です

 

 

薄々は気づいてはいたのですが,

「常識の存在」自体は,ひょっとしたら疑わなければならないのではないか,と思っています

そして,常識化されているもののうち,

「その存在を疑うべきではないか」と,最近思うようになったものに,「感情」があります

 

「喜怒哀楽」は,多くの方が存在すると思っている

でも,その感情を本気で感じたことがない人が増えているように感じるのです

たとえば「怒」の感情は,みんなは感じたことがあるのだろうか? と

 

アンガーマネジメントやアンガーコントロールというものが流行しているわけですが,

でも,今言われる多くは,本当のマネジメントやコントロールでなく,

怒りを消滅させよ,あるいは,怒りを発生させるな,という教えのように聞こえる

本当は,「怒」の感情がないことではなく,

「怒」の感情があることを意識しつつ,それをコントロールする,

ということのはずなのです

 

「どっちらでも結果は同じでは?」

と思われるかもしれませんが,それは全く異なることは,また別の機会ででも示したいな,と思います

20190914-20190920を振り返る

 

【今週の一冊】

 「THE RHETORIC」 ジェイ・ハインリックス 著 ~第2回~

 

 

トヨタ自動車が新カローラを発表しました

カローラは,少なくとも以前は,大衆車の鏡とも言うような車でした

それが,今度のカローラは,従来モデルよりも車体の大きな3ナンバーサイズなのだそう

 

このことは,大きく3つの見方ができるのではないか,と思います

一つは,日本の大衆のサイズ感が3ナンバーサイズになったのではないか? という見方

もう一つは,従来の規格と今の規格とのアンマッチが発生しているのではないか? という見方

最後の一つは,カローラ自体が変わったのではないか? という見方です

 

たとえば一つ目の視点で見ると,

日本の大衆と呼ばれる人々は,以前よりも経済的に豊かになった

ととらえられるわけですが,二つ目の視点で見れば,

日本の大衆が豊かになったという事実はなく,単に車に求められる機能について,「大衆の」要求事項が変わった

ととらえられることになる

最後の見方も含めてみても,

見方の違いは,事実のとらえ方の大きな違いを生むことがわかります

 

たとえば少なくとも私には,「日本の大衆と呼ばれる人々は,以前よりも経済的に豊かになった」という感覚はありません

また,従来の規格と今の規格とのアンマッチはあるとは思いますが,それよりはむしろ,

新しいカローラは,ある意味富裕層向けの車になってしまったんだな,という感覚を持ちます

実際,「カローラ」に反応する層ですから,一定年齢以上と想定されるわけで,

社会全体を見れば,富裕層に属する人々がターゲットだろうと思うのです

 

市場の縮小や,シェアリングの拡大などを考えたとき,車の販売台数は減ると考えられます

また,若者の車離れも進んでいるとの事実を考えると,特化型の戦略をとる必要性も出てくるでしょう

そのような背景を見つめてみると,カローラの3ナンバー化,は,

売れる,売れないは別として,生き残りをかけた必然的な道であるようにも思えてきます

 

カローラに一定のシンパシーを持つ層が求めていることは何か?

どのような方々の,どのような車のある生活をイメージしてもらうのか?

 

結局カローラの話は,ごくごく単純なマーケティングの問題なわけで,

それは,どんな商品にも同様に当てはめられることだと思いますが

 

その市場における「相応しさ」とは何なのか?

 

を学ぶには最適な素材ではないか,と私は思います

そして,この一週間起きた,さまざまな出来事,

たとえば,東京電力の旧経営陣への無罪判決や,サウジアラビアの石油施設攻撃問題などなども

「そこでの相応しさ」という視点からとらえると,

より議論を深めていくことができるのではないか,とも思います

20190907-20190913を振り返る

 

【今週の一冊】

 「THE RHTORIC」 ジェイ・ハインリックス 著 ~第1回~

 

 

韓国における,さまざまな「疑惑」のある側近の重要ポストへの登用や

ロシアにおける,政権支持率が低迷する中での,政権政党の統一地方選勝利など,

この一週間は,「近隣の国々が今,どのような状況にあるのか?」を理解する上で役に立つ,

非常に典型的な話題があった週だったように思います

 

アメリカにしても,中国にしても,はたまたイギリスにしても,ドイツにしても,イタリアにしても,

いずれの国の政治でも,「支持層を固めること」が,政治の最大の関心事になっているように思います

もしかしたらそれが政治の本質なのかもしれませんし,

もちろん,それぞれに言い分もあるのでしょう

それでも,冷静に見られる立場だからなのかもしれませんが,

「なんだかなあ・・・」と思ってしまう自分がいます

 

各国の政治について,私が共通して思うのは

 

 「それって誰のためなの?」

 

という,ただ1点に尽きます

 

確かに何らかの姿を実現するためには,支持層固めも必要なのだと思います

ただ,利害は対立するのが当たり前なのですから,

みんながみんな,100点満点の果実を得られるなんてことはあり得ない

だからこそ,個別のこと一つひとつだけでなく,

長期の視点で,全体の視点で,

支持層・不支持層にとらわれず,

誰にとっても,結果51:49になるように導く,あるいはそのように見せるのが,

本来のあるべき政治の姿であり,ありたい(あってほしい?)政治の姿だと思うのです

 

 

日本でも内閣改造がありました

自然災害による,大規模停電等の被害が確認される中での出来事に,

後出しじゃんけんのように批判する人もいるようですが,

私自身には,「そもそもナゼ,今,内閣改造なのか?」という違和感がありましたし,

実際の改造の中身にしても,

ナゼ,「<結局うやむやにされた問題>のキーパーソン」が大臣になるの? といったギモンもあります

 

一方で期待したいこともある

その一つは,小泉氏が環境相に就任した,という点です

 

ご自身も「社会変革担当相のつもりで職務にあたる」と語られているようですが,

環境を,SDGsの視点,つまり,「持続可能性」という視点でとらえ,動いてくれたら,

小泉氏の発信力は大いに生かせる,と思うのです

 

日本では,環境問題を,ただ自然破壊や気象・気候変動問題ととらえがち

そうではなく,「もっと大きく,幅の広い問題なのだ」と,

国民だけでなく政治家諸氏にも理解させる,あるいは,教育するような発信と行動とを,

小泉氏には期待したいです

 

 環境問題とは結局のところ,持続可能性の問題で,

 それは,もちろん自然環境の問題もあるけれど,それだけでなく,

 安全保障や社会保障制度,企業等のBCPなども含む労働環境に教育環境,住環境など

 あらゆる社会環境も含む問題なのだ

 

そんな定義づけを,小泉氏なりの言葉にしていただき,

その上で,「だから,この個別事案には,こう向き合っていくのだ」と語ってもらえたら,

それが個別の課題で,自分には一見遠い課題についてであっても,

もっともっと一人ひとりが自分のこととして考えられる議論ができるのではないか

と,私は思います

20190831-20190906を振り返る

 

【今週の一冊】

 「データはウソをつく」 谷岡 一郎 著 ~最終回~

 

 

「未来」や「将来」,「夢」といった言葉に対しては,

多くの方が「ポジティブさ」を感じるのではないか,と思います

私もそれは同じです

 

今週,日ロ首脳が対談しました

その中で,両首脳が平和条約交渉で「未来志向」という表現を使っているとのこと

この表現,何となくそのまま受け入れてしまいそうですが,

それは,「未来」が持つ「言葉の前向きさ」が影響を与えているのではないか,と思うのです

 

実際,「日ロ両首脳が,平和条約締結に向けて前向きに取り組もうと考えている」

との解釈をされる方もいらっしゃると思いますが,

両首脳,両国が,「未来志向」という言葉を「同じ意味で使っているのか?」,

冷静に判断する必要があると思います

 

実際に「冷静に」みると,

それは必ずしも「平和条約締結に向けて前向きに取り組む」との解釈にはつながらない

ととらえることすらできる思うのです

というのも,確認できたのは,

「両国の関係は,あくまで未来志向であるべきだ」ということだけだから,です

平和条約締結に向け,前向きに取り組むと,表現しているわけではないようですし,

まして,北方領土の問題など,解決にはかなり遠いのではないか,と判断できそうです

 

というのも,日ロ間の平和条約締結と,北方領土問題の解決に対して

本当の意味で,「未来志向」を語るとしたら,

 

 <現実の受け止め>と<将来像の共有>とが,

 両国の間で必要

 

と思うからであり,「そこまでは行っていない現実」を感じるから,です

そしてそれは,政治レベルだけではなく,国民の認識レベルで必要なことだ

とも思うのです

もちろん,やり方として,日中平和友好条約のようなトップダウンはあるでしょうが・・・

 

 

このように,「言葉そのものが持つ印象」は,人の思考に影響を与えます

その他にも,「データ」や「統計」

国や公的機関,大学,著名人,新聞などの発表や発信などの「発信者の権威」が,

人の思考に影響を与えている

 

それはある意味では避けようのない,人の特性,人というものの性質のひとつだ

と私は思います

だからこそ,そのような事実を知識として得つつ,一瞬でも立ち止まって,

 

 「疑うこと」

 

を,習慣づけていくことが,

事を前向きに進めていく際だけでなく,たとえば危機管理の意味でも,

必要になるのではないか,と思います

20190824-20190830を振り返る

 

【今週の一冊】

 「データはウソをつく」 谷岡 一郎 著 ~第1回~

 

 

運輸系企業の「働きやすさ」を評価する制度が,国交省主導で創設されるとの話題がありました

では,そもそも「働きやすさとは何か?」と問われたとしたら,

みなさんはどのように回答するでしょうか?

休みが取れる? 残業時間が少ない? 職場の雰囲気が良い? それとも???

正直,「いろいろな答えが出てきてしまうのでは?」と私は思います

 

たとえば,休みが取れる,という視点にしても,

人を長距離輸送する業界で,盆・暮れに休みが取れるなどということは,ほとんどないのでは?

もしそれができるとしたら,ある特定の人に大きな負荷がかかる企業なのかもしれません

もしくは,自動運転含めた機械化が進んでいるなどして

人が果たす相対的な役割は低く見積もられているのかもしれません

だとすれば,特に長期間の視点で見ると,

対価の側面では,必ずしも良いとは言えない可能性もあると思います

 

 

富士通が提供するという個人の「信用スコア」というものも同じこと,なのですが,

「定義をよく理解しないと,それが本当のところで何を意味しているのかわからない」

というものが増加していくのではないか,と私は思います

 

世の中を便利にする道具(?)が開発されること自体を否定するつもりはないですし,

そもそも止める術もないように思うのですが

「タイトルやキャッチコピーのような言葉に踊らされないだけの判断力」は,

特に今後の世の中を生き抜くためにはMUSTと言える力になるのではないか,と思うのです

 

だとすると重要になるのは,

他者の評価軸を,自分の評価軸にしないこと

つまり,

 

 自分なりの評価軸をつくること,

 

だとも思います

 

先に上げた「働きやすさ」という点で言えば,

「自分にとっての働きやすさとは何なのか?」を,一度立ち止まって考えることが大切になる

と思うのです

 

そして,自分なりの評価軸を持つには,

やはり相応の判断力が必要になるわけですから,

それ以前に相応の知識も必要になると思うわけです

「知らないことについて判断しろ」と言われても,判断のしようがないから

 

このような「物事の道理」と言うか,順序と言うか,

そういったことに当たるものが,実際問題として存在すること,

そして,その道理に当たるものに逆らっても,

長い目で見れば,決して得にはならないことは,しっかりと理解する必要があると思います

 

自然の摂理や法則と,人がつくった社会的なルールとの間には,

根本的な違いがあることを押さえつつ, 

 

 自分がどの立場であっても,同じ判断をするのか

 

を基準に,自分自身を疑える力を持つこともまた必要だ,と思います

20190817-20190823を振り返る

 

【今週の一冊】

「数字で話せ」 斎藤 広達 著 ~最終回~

 

 

時速280Kmでの走行時に扉が開く・・・

事故がなかったからよかったものの,

一歩間違えば大惨事になりかねなかったこのトラブルではありますが,

よくよく考えてみると「スゴイことなのかもしれない」と思うのです

スゴイこと,それは,「今まで,同様の事故は1件も起きたことがなかった」こと

「ナゼ,今まで同様の事故は起きたことがなかったのだろうか?」,

そして,「ナゼ,今,トラブルは起きたのか?」と

 

大きな要因の一つとして,人の資質と教育とがかみ合っていたこと,が考えられると思うのです

技術的な安全対策は,過去の時点よりも大幅に進んでいるはず

技術的には劣っていた過去の時点であっても,

「人の力を合わせれば」安全を担保できていたということは,

これまでの技術のできることとの関係の中で,「教育が有効に機能していた」,

ととらえられるわけです

 

もう一つは,技術的な発展が,複数の異なるタイプの車両を生むこと,

つまり,新旧技術の同居状態が,今回のトラブルの原因となったのではないか,という点です

複数のタイプの車両がある,ということは,恐らくその設備・装置も異なります

とすれば,そのタイプごとに,人が対応すべきその方法も異なるわけで,

それが人の能力の限界を超えている可能性があるのではないか,と想像することができるわけです

 

さらに考えられるのは,過去と比較して数段過密なダイヤが,

車のハンドルで言う「遊び」を奪っているのではないか,という点です

昨今の技術的な進歩は,人手不足ではありつつも,

過密ダイヤに「理論上」も「数値上」も十分対応可能ではあるはずだった

それでも,トラブルは起きた,ということは,

やるべき「全行程」を細分化し,

技術で対応できる部分と人手に頼る部分とに分けて対応する方法では,

チェックの隙が生まれやすかったのではないかと想像できるのではないか,いうことになります

 

このように見てくると,いくつかの根本課題が,

「あくまで仮説」ではあるものの,見えてくるのではないかと思います

 

 人手が不足している,採用ができない

 本来必要な資質を有していない方が対応している

 それでも,機械と人との「最適化」の中で,ローテーションが組まれている

 採用できた人の資質に合わせる形,あるいは,機械と人とのすみ分けの中で,

 教育プログラムが十分改変されていない

 ダイヤを含む,「過密さ」が,人が対応できるレベルを超えている,余裕がない

 

 

私は実はもう一つ,大きな問題が潜んでいるように考えています

それは,

 

 当たり前の当たり前視のし過ぎ

 

とでも表現できること,です

 

 

電車が時速280Kmで走ることは,今の時代当たり前なのかもしれません

でも,当たり前視のし過ぎで,

「何かコトが起きたときの事態に対する想像力」も失ってはいないだろうか?

 

仮に電車というものの概念がないとしたら,

鉄の塊が人を何百人,何千人と乗せ,高速で走行しているのですから,

「おいおい,大丈夫なのか?」という,一種の不安を持つことになる

 

初期のころは,恐らくそういった「ある種の不安」を,誰もが持っていた

でも,「何も起きないのが当たり前」となっていったとき,その「ある種の不安」は,

リアリティを持って意識化されていくことは難しくなっていく

だって,「当たり前に安全」だから・・・

 

 

今週も米中の対立が「深まる」話題がありました

日韓関係は,史上最悪と呼ばれるほどの状況

このような事態に発展してしまう理由のひとつも,

「今,そこにある当たり前の,当たり前視のし過ぎにあるのではないか」

と私は思うのです

 

たとえば,安全保障関連は,当たり前なんかでは決してない,のですが,

当たり前に安全だと思っているから,明らかに「とんでもない」と思えるような判断をしてしまう

 

仮にそれが本当に根本課題の一つなのだとしたら,

私たちにできることの一つは,教育の社会状況に合わせた修正ではないか,

と私は思います

人がやることの「誤謬の多さ」を把握できる,そんな教育が必要ではないか?

 

AI,自動化,IoTなどなどが,今後取り入れられれば取り入れられるほど

さまざまなトラブルが発生することが予想される

そんな想像力を持つことが,私たちには不可欠だと思いますし,

そのための教育が,非常に重要になるのだ,と思うのです

ただそれは,それほど単純で,簡単なものではありませんが・・・

20190810-20190816を振り返る

 

【今週の一冊】

「数字で話せ」 斎藤 広達 著 ~第3回~

 

 

日本の人口は,2050年代には8千万人台にまで減少することが予想されています

現在の1億2千万人台から大幅な減少であり,

今年の人口統計でも既に「減少トレンド」が始まっています

この事実からは,大きく2つの意味を取り出すことができそうです

1つは国内市場の縮小,もう1つは,少子高齢社会のさらなる進展を含む労働人口の減少です

 

この影響は,今後の数年間に限れば,それほど大きくはない可能性もあります

しかし,一気に時代を超え,「来年が2050年になるとしたら」,と考えたらどうなるでしょうか?

 

もちろん,新しい時代には,新しいニーズが生まれると考えられますし,

それに伴い,新しい商品やサービスが生まれるはずではあります

企業の立場に立てば,

新しいニーズに対応する商品・サービスに活路を見出すこともできるのですが・・・

 

では,既存の商品・サービスはどうなるのでしょう?

 

もちろんその時代になれば,既に不要とされる商品・サービスとなっている可能性はあります

一方で,既存の商品・サービスの中でも,一定程度以上のニーズが残るものもある

とすれば,そのときに考えられる答えの一つは,

 

 「計画的な減収増益」

 

だと言えるのではないでしょうか?

 

 

価値の測り方,というものは,複数存在します

ある人にとっては価値があっても,ある人にとっては価値が低い場合もある

同様に,企業価値を測る方法は複数あります

その一つが,「増収増益」という価値の測り方ですし,

この「増収増益」という「ものさし」は,

非常に強力な企業価値の測り方であることは間違いありません

それは,銀行融資の視点からもわかりますし,

新聞報道における企業業績に関する見出しを見るだけでも実感できるもの

実際,増収増益には,金を稼げる力があることはもちろん,

雇用の安定,拡大など,その他のさまざまな価値もあります

 

しかし,市場を国内のみに限定したと仮定すれば,

どこもかしこも「増収増益が目指せるか」と言えば,それは無理

国内市場が縮小するのですから,論理的に破たんしています

 

だからこその海外進出であったりもします

そして,その活動・行動は,世界中に暮らす人々の幸せに寄与するものでもあるでしょう

ただ,そうではあっても,

自分が暮らす環境の悪化,つまり,国内のさまざまな環境が悪化していってしまっては,

何のための海外進出なのかわからなくなってしまう,と考えることもできるのでは?

わたしたちはみな,幸せになるためにこの世に生まれてきたはずなのですから・・・

 

 

香港の動き,韓国の動きを見ていると,

域内・国内の不安定さが,その行動に大きく影響を与えているように,私には思えます

同時に,そのような文脈の中で,「減収増益」という価値は,実は過小評価されているのではないか,

とも,私には思えます

 

ただ,減収増益にしても,要求されることはたくさんあります

まして,「2050年になっても」という時間観で見れば,なおさら,です

老後の2千万円の貯蓄の前に,

老後でも,一定の役割を果たすことで,毎年一定の収入が見込める国内環境であること

この価値は,非常に大きいのではないか,と私は思いますし,

その貢献ができる企業の一つに,

 

 「計画的に減収増益を目指せる企業」

 

があるのではないか,と思うのです

もちろん,「その利益が蓄積されたとき,どうするのか?」は,

次に解決する課題として残るわけですが・・・

 

20190803-20190809を振り返る

 

【今週の一冊】

「数字で話せ」 斎藤 広達 著 ~第2回~

 

 

日本にとっては,特別な2週間,を迎えています

もちろん,長崎・広島の原爆と,終戦のことです

新しい命が生まれ,当時を知る方々が少なくなっていけば,

戦争というもののリアリティが日々薄れていってしまうのは,現実的には仕方のないこと

だからこそ,平和とは何かを考えたい,と思うのです

 

ただ,「今の時代は,恵まれている」とか,言うつもりも毛頭ありません

そのように騒ぎ立てる方がいらっしゃるのは事実ですが,

過去の時代とは異なる問題が今の時代にはあるのですから,

それらの問題と切り離して考えるのは「違うよな」と,私は思います

 

そんなことではなく,たとえば,

「この酷暑の中,冷房はもちろん,体を洗うことの他,食事もままならない状況にいたら・・・」

と,具体的に想像すること

それだけでも,守りたいことが見えてくるのではないか?

と思うのです

 

 

みなさんの守りたいものは何でしょうか?

 

夏休みという方も多いのでは?

この機会に考えてみてはいかがでしょう?

 

 

私の守りたいものの一つは,基本的なしつけの価値,です

基本的なしつけがなされていないと,

あらゆる価値観が崩壊し,無秩序なものになっていくから

そして

今,日本で,そして,世界で起きている課題の多くは,

しつけの不足に由来するものなのではないか? と思っているから

 

このことが,数字で話せるとよいのですが・・・(苦笑)

20190728-20190802を振り返る

 

【今週の一冊】

「数字で話せ」 斎藤 広達 著 ~第1回~

 

 

「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉があります

ある出来事が意外なところに影響を及ぼす可能性があることを説明するこの言葉,具体的には, 

 

 風が吹くと風で土ぼこりが立ち,その土が目に入り目の病気を患う人が増える

 すると,目の見えない人が増え,目が見えなくなると,三味線で生活していこうとする

 すると,三味線を買う人が増えるので,三味線に使う猫皮が必要になって,猫の数が減る

 猫の数が増えるとネズミが増る

 ネズミが増えると桶をかじるから,桶の需要が増えて桶屋がもうかる

 

という,長い長い(?)「その裏の物語」が隠されています

 

この「物語」が「本当に成立するものなのか?」,というギモンはさておき,

この言葉からは,「ある事象というのは,他の事象との関係の中であらわれる」

つまり,「物事は相互に関係しあっていること」,そして,

何らかの「因果関係が見られるものがあること」がわかるわけです

 

話題になっているかんぽ生命の問題にしても,

セブンペイの問題にしても,JRの広報誌の問題にしても,

アメリカと各国との関係にしても,日韓関係の問題にしても,

また,米ドルの利下げが市場に与えた影響にしても,日産自動車の問題にしても,

その複雑さの程度はバラバラだとしても,「風が吹けば桶屋が儲かる」現象は見られる

 

そして,これを「数字」を使ってとらえると,「推測統計」の世界に入っていくことになります

ある事象が起こることを,確率計算などに基づき考えていくことになる,ということです

 

 

ここで特に注目したいと私が思うのは,

 「数字で語れること,は,物語でも語れる」

あるいは,

 「物語で語れること,は,数字で語れる」

ということ

 

つまり,物語と数字というものは,それぞれが独立した,まったく別個のものなのではなくて,

むしろコインの表と裏の関係にあたるものなのだ,ということです

このことは,先に取り上げたこの一週間の話題に関しても,

何らかの形で「数字にも」表われていることからもわかるはず

被害額であったり,貿易額であったり,株価であったり,為替であったり・・・

 

 

私は普段,クライアント企業へのコンサルティングを中心に活動しているのですが,

どうもこのあたりを正しく認識されていない方が多いように感じています

と言うよりも,「物語と数字」が「コインの表と裏の関係」にあたるものだとは思っていても,

「自分事としては考えられない」のかもしれません

 

そして,実際に次のようなことが,それこそ毎日のように見られるのです

数字の目標だけが語られ,

ナゼその数字が実現できるのかという物語がない,具体的な行動や活動が見えない

あるいは,行動や活動という物語だけが語られ,その結果,数字はどうなるのかが見えない

それを指摘しても,「何言ってるの? この人」というような顔で見られる・・・((+_+))

 

 

「<言葉と数字>が<コインの裏表の関係にあること>を,自分事としてとらえる」には,

勉強を例に考えると,わかりやすいかもしれません

勉強すれば,成績が上がる,という物語があったとき,数字としては,

 ○時間勉強する,偏差値が△上がる

というように置き換えられる

そして,この物語と数字は,少なくとも最初は仮に設定することになるものなので, 

 ○時間,偏差値△の効果は,どの程度なのか

を,測定し,

 本当に「勉強すれば,成績が上がる」という物語は成立するのか?

 それが「どの程度であったら良いのか?」

を評価し,次の計画や行動に反映させていくことが,より大きな成長につながることになる

 

 

私は,測定・評価論を大学で教える立場でもあるのですが,

物語と数字との関係をしっかりと理解しておくと,

勉強だろうが仕事だろうが,恋愛だろうが何だろうが,

より高いレベルで,より経験を活かして進められ,より高い効果も得られる

と思うのです

 

 物語と数字,両方を考えること

 

そして,

 

 自分事として,自分に関係のあることがらの中で使っていくこと

 

 

使える場面に気づき(ほとんどの生活場面で使えるように思うのですが・・・),

実際に使い,そして,物語と数字との関係に気づく

そんな経験をくり返すことで,また,それを自分の言葉で語ることで,

自分自身が成長していくことを実感できるのではないか,と私は思います

20190720-20190727を振り返る

 

【今週の一冊】

「共感障害 話が通じないの正体」 黒川 伊保子 著 ~最終回~

 

 

参院選がありました

その結果は既にご存知だと思いますが,私は2点,特に気になる事象があります

 

その1つは,各政党の主張のあいまいさ

たとえば,○時間の労働で普通に暮らせる社会の実現,を謳う政党がありました

実はこれは,

 「今以上の生産性を,一人ひとりが実現する必要がある」

ことを謳っているのと同じこと

でも,人によっては,時間という努力の示し方もあるはずで,

ナゼそれではダメなのか,といったことには,何も触れない

触れないどころか,「人,それぞれ」を,同時に謳っていたりもする

正直,意味不明なのですが・・・

 

もう1つは,

特に若い世代の投票率の低さ,です

「期待していない」「何も変わらない」「今のママでいい」という気持ちの現れ,

とも言われているようですが,

残念ながら,行動しない限り,それこそ何も変わりませんし,

そもそも,「今のママでいい」と言ったところで,今のママ自体があり得ない

同じように見える社会も,日々変化している

そのことは,生命体一個体を見ても明らかです

意識はできないものの,

生命体一個体の中では,細胞が生まれ,細胞が死に,をくり返しているわけで,

同じように見えても日々変化しています

つまり,今のママを欲しても,「今のママがあり得ないこと」なのですから,

どうしたいのか,示す必要があるはずなのですが・・・

 

 

今の世の中には,「何とかしなければならないこと」があります

人口減少が進み,一層高齢化が進む中,

今のママでは社会保障費の膨張が予想されるだけでなく,その担い手の負担は高まるばかり

それでも,人が「これまでのような」生活をするには,何か変える必要がある

誰かが無茶苦茶稼ぐのか,みんなで少しずつ稼ぐ額を増やすのか,社会保障費を減らすのか・・・

もちろん,効率化できるところはあるでしょうが,

それでは話が済まないほど,この問題は大きな課題です

 

この国で生き,この国で保障されている権利を行使するのなら,

これまで以上に,それぞれが,何らかの形で貢献する必要がある

その貢献の仕方,つまり,どんな努力をするのかの選択が必要になるのに,

それを自分で選ぼうとしない,のでは,何も文句は言えないのでは?

 

 

思うことはみんなにあるのだと私は思うのです

そして,みんな幸せになりたいはずだ,とも思うのです

ただ,思っているだけでは,自分が思うような形では,幸せになれないのでは?

 

 行動する

 

それは,決して大それたことをしようというのではなく

もっと小さな,たとえば,選挙に行くといった,義務を果たすレベルのことだと,私は思います

 

もっとも,投票する義務を果たすには,相応のことを考えること,は,大前提だと思いはします

アイドルグループの総選挙とは,訳が違うのですから・・・

 

20190713-20190719を振り返る

 

【今週の一冊】

「共感障害 話が通じないの正体」 黒川 伊保子 著 ~第1回~

 

 

最近,世間で起きていることを全くご存知ない方がいることに気づきました

考えてみれば,世間で起きていることに触れずに生活することはできる

利用するメディアは,スマホを中心としたパーソナルなものになっていますから,

何とはなしにでもTVをつけるもなく,新聞を読むこともないとすれば,

世間で起きている情報に触れずとも,生活することができてしまう・・・

つまり,ある意味では,きわめてローカルな生活,を送っているとも言えるのかもしれない

 

これほど情報・交通が進展していなかった過去の時代,

人々の暮らしは,自分の生まれたところで飯を食っていくことだったと考えられます

自分の暮らすその場で起きていること以外は,自分には関係のない話

そんな,過去の時代と,結果的には非常に酷似した,ローカルな生活

 

世界とつながっているのに,世界の影響を受けるのに,

自分自身は極めてローカルな生き方をする

そんな方が,ひょっとしたら増えている?

だとすると,その方々は,

何かのときだけ,学生のころ身に着けた(?)「一夜漬け」手法を駆使し

何とか乗り切る努力をし,

そして,「一夜漬け」手法で「何とかなった(本当は,何ともなっていないかも?)」経験を

自分の成功体験として生きていくことになるのでは?

 

 

人はみな,幸せになる権利があると,私は思っています

そのために生きている,と言っても,過言ではないとも思っています

ただ,権利を主張するのであれば,義務を果たす必要も出てくる

 

権利を主張すると,必然的に義務を果たすことになるようなしくみというものは

非常によくできたしくみと言える

たとえば,消費税などは,そんなしくみの最たるものなのでしょうし,

サラリーパーソンが,給与支給に合わせて

所得税や社会保障費などを控除されるというしくみも,同様にとらえられる

 

でも,そんな巧妙なしくみが作られてしまっていると,

事の本質,つまり,権利と義務の関係などは,

まったく理解できなくなってしまう可能性もあるのかもしれない

なぜなら,自分自身のローカルな暮らしとは,まったく関係がないように感じられるから・・・

 

 

うーん・・・

この仮説,というか,物語,というか,

そんなに筋が悪い話ではないような気がします

だとすれば,何とかする方法を考えないと,です

20190706-20190712を振り返る

 

【今週の一冊】

「小さなチーム,大きな仕事」 ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 著 ~最終回~

 

 

セブンイレブンのキャッシュレス決済の脆弱性の問題は

さらに大きな問題を抱えていたことが発覚しました

不正ログインにより,さまざまなものが盗まれる可能性があったとするこの問題に関連して,

いくつか考えておきたいことがあるように思います

 

ひとつは,そもそもお金とは何か? ということ

今利用されているコインや紙幣といった形になっているお金というものも,

仮想的な通貨と,その性質に差があるわけではないという点です

コインや紙幣というものは,物理的に存在するわけですが,

その原材料費を含む製造コストは,「額面が示す価値」を大きく下回るのですから,

「物理的な価値」とイコールではない

つまり,お金とは,「信用」なのであって,それは,いわゆる仮想通貨だろうが何だろうが同じだ

という点です

 

次に考えたいのは,キャッシュレス決済は「決済法だ」という点です

物理的なコインや紙幣を利用した決済というしくみは,「物々交換」という決済法ですから,

決済方法が共通化されます

一方でキャッシュレス決済では,さまざまな方法が考えられる

つまり,決して共通のしくみではない,ということ

 

さらに押さえたいのは,ではナゼ,今,キャッシュレス決済なのか,という点

既存のお金には,人の持ち物であった履歴は何一つ残りません

一方でキャッシュレス決済の場合であれば,その履歴がすべて残る,というか,残せる

その履歴情報は,「非常に資産価値の高いもの」と考えられるわけです

マーケティング等々に利用できるから,です,

 

さて,他にもこの問題に関連して考えたいこと,考えられることはあるはず,なのですが,

それをどれだけ抽出することができるものでしょうか?

 

 

「そのこと自体」から,学べることはたくさんあると思うのです

今回のセブンイレブンのキャッシュレス決済の問題で言えば,

「さまざまなキャッシュレス決済」を評価するチェックポイントにもできるでしょうし,

同様のしくみを検討する際,「それをやらないようにしよう」と,

自分たちの行動を変えていくこともできる

 

しかし,もう一歩踏み込むと,さらに多くを学べると,私は思うのです

それは,関連することは何か,と考えたり,そもそもにあたるものを考えたり,といった

 

「考えるを学ぶ」

 

ということ

「考える」とは何か? を学ぶことによって,「考える力を養う」とでも言いますか・・・

 

 

人がつくったしくみに乗ったり,それをマネるのは,ある意味では非常にラクだと思います

しかし,「しくみをつくる」のは,それほどラクなものではありません

「考えること」ができないと,しくみは作れない

だから,

 

 考えること,考えられるようになること

 

が非常に重要になるのではないか,と思うのです

 

セブンイレブンのキャッシュレス決済の脆弱性の問題などは,

そんな力を試す,磨くうえで,ちょうど良い問題のように思います

さまざまなキャッシュレス決済のしくみが乱立しつつある中で

「どれを選ぶのか? それはナゼか?」と,

自分事として考えやすい素材だと思うから,ですし,

考えるステップそのものを学ぶ機会にできる素材でもあると思うから・・・

20190629-20190705を振り返る

 

【今週の一冊】

「小さなチーム,大きな仕事」 ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 著 ~第4回~

 

 

新しい大学入試における英語の民間試験利用で

TOEICが参加取りやめを表明しました

これを大学入試センターの制度設計不備が原因とする論調があるようです

確かにそのような面もあるのでしょうが・・・

 

そもそもTOEICは米国ETSで開発されているビジネス英語スキルを測定する試験

同じETSは,留学生の英語力を測定するTOEFLも提供しています

要は,TOEICは,そもそも「大学入試」で利用するのには「オーバースペック」な面があるわけです

その参加取りやめを理由に制度非難するのは,筋が悪いかな,と思います

 

英語の民間試験利用の問題点は,

現段階でも7種の試験が参加確定している中で(どうやら,もう1種,増えるようですが・・・),

「資格認定基準を含めた多くの点で異なる試験の結果を,大学側はどう評価するのか?」

という点だとされています

要は,「基準が違うのだから,公平にならないでしょ」という指摘です

もちろん,それは重要な指摘ではあるのですが・・・

 

そもそも国際的な評価基準であるCEFRは6段階で英語能力を評価するわけですが,

日本の学習者のほとんどが,そのうちの下位2段階に位置する英語力しか持ち合わせていません

とすると,その中での「順位づけ」に,それほど大きな意味があるのだろうか?

という疑問が生まれる

 

だから,本当の問題,というか,狙い,というか,は,そこにはない,と思うわけです

そうではなくて,

 

 日本(人)の勉強に対する現状

 

が,課題の本質なのではないか,と考えられるのではないか

 

入試勉強,試験勉強,という言葉があるように,

日本には「試験に向けた勉強しかしない風潮」が,存在します

「大学入学後」に勉強する人,は,残念ながら(?),非常に少ない

このような状況で,本当に,国際社会での競争に勝てるのか?

 

そうとらえると,大学入試での民間試験利用とは,

 「入試をきっかけとした,継続的な学習への意欲喚起,

  と,大学入試の資格試験化だったのではないか?」

と考えられる

 

グローバルな競争と,脱終身雇用の環境の中では勉強し続けられる力が必要なわけですが,

それが身についていない,身につきづらいのですから,

であれば,別の「しかけ」が必要になります

つまり,

 

 勉強し続けること=継続的な学習への意欲換気の「しかけ」が,

 大学入試での民間英語試験の活用だ

 

ととらえるということです

「勉強し続けろ!」と言われても,

きっかけなしに勉強し続けるのは,相当大変なこと,ですから・・・

 

 

もちろん,私が示すこのストーリーが正しいのかはわかりません

でも,このような組み立てをしていくこと,していけること,つまり,

 

 論理立ててストーリーやシナリオを作る力

 

が,世の中で求められている,と感じるのです

相応の基礎知識も必要になりますし・・・

 

そして,

なんらかのきっかけを利用して,具体的な何かに取り組める力も求められているように感じる

制度を利用して,入学者を決めなければならない大学の立場からしたら,

そして,制度に振り回される受験生にとってみたら,たまったもんではないのかもしれません

 

でも,そのような,

 

 機会をチャンスに変える力

 

もまた,求められているように感じています

20190622-20190628を振り返る

 

【今週の一冊】

「小さなチーム,大きな仕事」 ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 著 ~第3回~

 

 

「米国vs各国」という構図が目立つようになっています

歴史的に見て対立の関係にある国だけでなく,

仲間内とされるような国との対立関係も生じている

これは日本も例外ではないことが,今週のトランプ氏の発言からもわかるはずです

 

「日本は,米国の属国である」と呼ぶ人がいます

それは,一定の「事実」に基づく主張でもあるのですが,

そこまで言わずとも,

日本の場合,米国に頼りすぎている部分があることは,否定ができない

そもそもは米国が望んだ形だったのかもしれませんが,

国自体が,「きっと,米国が,何とかしてくれる・・・」というような考え方で

運営されている面があるのは事実だと思うのです

 

ただ,このような「きっと,自分以外の他者が何とかしてくれる」

というような姿勢は,政治の世界の話だけではないとも思います

「老後2000万円の金融資産が必要」という話題が,あれだけ取り沙汰されたのも

その象徴なのではないか,と・・・

 

 

「では,どうしたらいいのですか?」

 

この言葉は,

ある自治体がハザードマップの公開にあたって,

「この区は,その土地の物理的な形状などの問題から,危険がある。

 だから万が一が起きたら,自力で,自分の身を守ってくれ,逃げてくれ」

との説明を行ったところ,多くの区民の反応として出てきたものだそう

うーん・・・

 

でも,これは,さまざまな場でみられる発言のように思うのです

もちろん,ビジネスの場でも見られる

 

個人は今後,さらにさまざまな危険にさらされることになります

一人ひとりが接することのできる世界が,技術の発展で大きく大きく広がっているからです

そして,新しい技術は,必ずこれまでにない課題を生むことが,歴史的に見ても明らかです

想定できるリスクには事前に対処できても,

想定できないことが起きた日には,

一人ひとりが,自らの責任で判断し,自分の身を守るしかない

 

政治家の方々が一時期,「自己責任」という言葉を連発した時期がありました

中には,明らかに政治の怠慢というような「自己責任論」もあったわけですが,

「自分の身を将来に渡って守る」という文脈における「自己責任論」は,

私はあって然るべき,だと考えています,

つまり,自分が主体となって,各種のしくみや制度も使うことを考えることが大切だ,と思うのです

 

ナゼって,

「こうしろと言われたから」とか,「こうしてくれるはずだったから」とか,言ったところで,

万が一が起きたとき,その災いが身に降りかかるのは自分なのですから・・・

20190615-20190621を振り返る

 

【今週の一冊】

「小さなチーム,大きな仕事」 ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 著 ~第2回~

 

 

消費増税に働き方改革などなど

すでに実施が決まっていることに対して,

世間の反応が良くないのではないか,と思っていたのですが,

それは,この1週間で見られたさまざまな数字などからも言えるようです

 

さらに言えば,AI,IoT,VR,AR,ドローンなどなどの技術革新は,

実際問題として目の前にあるわけですが,

それをリアリティを持って感じている方,と言うか,

そこに積極的に関わろうとしている方は少ないのかもしれません

むしろ,享受されるものとして,受け止めている感があるように感じる

SNSなどにしても,使わされている,とでも言いますか・・・

 

もちろん,「いずれやってくるのだから,待てばよい」

という考え方をされている方々もいらっしゃるのでしょう

それはそれで,主体性を持って受け止めているようにも思うのですが,

そうではなく,

単に「与えられること」を,何とはなしに待っているような方々が多い,

そのような気配を感じるのです

 

 

一方で,世界は動いている

チャンスととらえて,積極的に,主体性を持って関与しようとしている方々も

世界を見渡せばたくさんいる

トランプ大統領などは,その典型のように思うわけです

あのやり方が良いと思うかどうかは別として,ですが,

少なくとも「主体的であろう」という意思を感じる

 

 

今という時代に生きるということは,与えられたものかもしれません

たまたまこの時代に生まれた

でも,この時代に,主体的に関わろうとすることはできるはずだ,とも思うのです

今生きている生活,仕事や学校などなどのさまざまな環境というものは,

たまたま与えられたものかもしれないのですが,

そこで主体性を発揮することはできるはず

 

そして,主体性を発揮すれば,自分自身が成長する機会にもできる

自分自身が少しでも成長すれば,チャンスは広がる

 

 今こそいろいろな意味で,勉強すべきとき

 

と,主体性を持てるかが,実は重要なのではないかと,

私は思うのです

20190608-20190614を振り返る

 

【今週の一冊】

「小さなチーム,大きな仕事」 ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン 著 ~第1回~

 

中東海域でタンカーが襲撃を受けた事件は,

直面する大問題について「本気で考える」必要があると思います

 

まずは日本のエネルギーの課題

原発の稼働停止もあり,LNG・石油・石炭の火力発電が中心になっているのが現実

その燃料の多くを輸入に頼っているわけです

EVだ,AIだ,IoTだ,シェアリングサービスだ,テレワークだ・・・と

技術革新がどれだけ進もうと,電力が確保できなかったら動かない

その事実は,2011年の大震災で起きたことを思い起こせばわかるはず

再生可能エネルギーへの転換に向け,

「安定供給」を理由とした牛歩の歩みの阻害要因を,優先して解決していく必要があると思うのです

 

それ以上に問題なのは,

この事件が,「米英」vs.「中ロ」の対立の構図を先鋭化させている面があること

米中は経済戦争の真っただ中ですし,米ロ間も大きな問題を抱えています

米大統領の「友だちになって,取引する」というやり方は,

習氏とプーチン氏には少なくとも通用していない(と思うのですが・・・)

そんな中で,国同士が対立できる材料が増えれば増えるほど,

大規模衝突につながる偶発リスクは高まる

「戦争」という言葉を,思い起こさずにいられないわけです

 

 

この1週間については,もう1つ,真剣に考えたいことがありました

それは,金融庁が発表した老後資金の報告書にまつわること

老後資金というものは,人それぞれで,みんながこれだけ必要などということは言えません

それを一律まとめて「平均」を示したところで,その数字自体には,ほとんど意味がない

そもそも,自分が90歳まで生きるのか,もわからないし・・・(苦笑)

 

それでも提示しようとした国の意図は想像がつきやすいのですが,

本当に考えたいことは

 

 国に老後のすべてを任せたいのか?

 

ということ

「将来的に年金ですべて賄え!」と言いたいのであれば,

社会保険料の引き上げや,消費税の引き上げに賛成の態度をとるべきなのですが,

そういうことをわからずに文句を言っている方々もいれば,

わかって,つまり,単なるきっかけにして,煽る発言をしている方々ということ

 

 

このように見ると,タンカー襲撃事件と老後資金の2つの話題に共通点があることがわかります

それは,口実と世論の誘導,というものの大問題です

 

みんなが言っている,みんながやっている,みんなこうだ,ということを理由に

あるいは,ある特定の側だけの主張のみを理由に

自分の賛否を選択してしまうことの大問題

 

自分自身を疑ってみることから,考えるということが始まる

とは,デカルトが言っていることですが,

きっとこのような話題から取り組んでいくと良いのではないかな,と思います

20190601-20190607を振り返る

 

【今週の一冊】

「大衆の反逆」 オルテガ 著 ~最終回~

 

2021年卒,つまり,大学3年生の代の方々の

インターンシップの募集が最盛期を迎えているとのこと

インターンシップには,企業側にも,学生側にも,それぞれ「目的」があると思うのですが,

直接当事者でないとしても,少し深掘りして考えておいた方が良いことではないか,と思います

 

企業側の目的は,いわゆる「青田買い」にあたるでしょう

入社してほしい学生に目星をつける,ということでもありますし,

実採用の際の判断のベースにできる

 

では,学生側の目的は何でしょう?

将来の就職先探し,あるいは,希望する企業へのアピールなど

いろいろあると思うのですが,

正直に言えば,

私はインターンシップに行くよりも,

もっと自分を高めることに時間を使った方が良いという立場です

時間的な制約上,学生の時代でないと,なかなかやれないことがあるのも事実だからです

 

たとえば,「旅に出ること」などは,よく言われることだと思うのですが,

それは,いわゆる観光地だけを見ることではない

そして,行く場所が大切なのではない

重要なことは,

 

 自分が実際に,その場,その地のリアルを感じたうえで,

 「ナゼ,こういう生活なのか?」

 「ナゼ,こういう食も含めた文化が残っているのか」

 といったことを,自分に問うて,自分なりにストーリーを作ること,

 そして,そのストーリーは「本当なのか?」と疑い,

 実際に現地の方との対話を通じて,あるいはその地の歴史などを調べるなどして,

 そのストーリーの確からしさを確認する

 といった行動をすること

 

それが自己成長の大きな糧になると思うから,です

 

 

同様の意味合い,つまり,自己成長のきっかけとして,インターンシップを利用するのであれば,

自分が憧れる企業のインターンシップだけに参加するのではなく,

複数企業のインターンシップにした方がよい,と思いますし,

むしろ,憧れる企業のインターンシップである必要もない,とも思います

 

そして,大企業のインターンシップに参加するのなら

同時に中小規模企業のインターンシップや,それに近いプログラムに参加した方がよい

良いところ,悪いところ,比較することで,

 

 自分なりの基準

 

を作っていくことができるから,です

 

 

理論と実践が異なるように,また,理想と現実が異なるように

「思い描いたものとは異なるリアル」

がそこにはある

リアルを知るから,自分の基準・ものさしが,空虚なものではなく,実際的なものになる

これは決して,インターンシップだけに当てはまるものではないはずです

 

いずれにしても

ただ,見る,感じるのではなく,自分なりに考えることも,同時に行うこと

が大切だ,と私は思いますし,

それを「いつでも」「どんなときも」実際に「やれる人」というのが,

大きく成長できる人なのではないか,と思います

20190525-20190531を振り返る

 

【今週の一冊】

「大衆の反逆」 オルテガ 著 ~その4~

 

 

米国のトランプ大統領が来日されました

「日本の今回の招待=行事は,

米国で最も人気があるスポーツとも言われるアメリカン・フットボールのNO.1決定戦

スーパーボールと比べて,どれぐらい大きい?」

とトランプ氏が質問し,安倍氏が「100倍だ」と答えた,とも報じられているわけですが

 

 その比較って・・・

 

具体例の「理解のしやすさ」というものは,誰もが認めるものだと思います

確かに私も具体例はよく使いますし,相手に合わせて使い分けもします

そして,もちろん私自身が,「その例はどうなのよ」というものを使っていることもあると思います

それでも・・・

 

 

巷では

 安倍氏がトランプ氏に合わせたか,2人して品がないだけか

というようなこともささやかれているようですが,

私も同様の懸念を持ってしまいます

その成果とされる記者会見での両首脳の発言と,その後の行動を見ているからです

 

 

確かにお二人には自分の意思がおありなのでしょうし,

「支配権」を握ることが,「権力を発揮できること」であることを

理解もされているのだろうとも思います

でも,お二人の発言,行動は,次のような疑いを抱かせる

 

 トランプ氏の主張する「アメリカファースト」に本当につながるのか?

 安倍氏の主張する「自由主義,国際協調路線」に本当につながるのか?

 そして,

 単に自分のためだけにやっている行動ではないのか?

 

同様の疑念を持つ人が多くなれば多くなるほど,

結果お二人にとっても損なのではないのか?

 

 

このひと月,環境問題を中心に,SDGsに関する報道が非常に多かったように感じるのですが,

この問題が指摘しているのは,「みんながWINにならないと,結局自分の身に降りかかるよ」

ということだと思うのです

 

SDGsは,17のテーマが掲げられているわけですが,

それが掲げられることに世界が合意したのは,

その因果関係に,そして,その説明に,世界が納得したからだ,と私は思います

 

テーマだけを知ったところで,そこに本当のメッセージを見出すことはできない

発展途上国も先進国も,それぞれの立場でも合意できたのはナゼなのか?

その論理を,自分で理解する必要がある

 

 17のテーマの共有という結果は同じでも,各国の原因・動機は異なること,

 つまり,それでも共有できる課題,論理がそこにある

 

ということを忘れてはならない

と私は思います

20190518-20190524を振り返る

 

【今週の一冊】

「大衆の反逆」 オルテガ 著 ~その3~

 

 

今週,大麻保持と使用の容疑で芸能人の2人が逮捕されました

この事件について,時事通信社が,

事件とはまったく関係のない方の写真を容疑者の写真として配信してしまった

この問題は,深く考える必要があるのではないか,と,私は思います

 

もちろん,そのミスを初めにおかしてしまった担当にも問題はあります

しかし,そのミスをチェックできなかった時事通信社は

組織としての責任を,免れることはできません

人間である以上,ミスや間違いは誰にでもあるのですから,

それをチェックできる体制であること,は,間違いなく必要だからです

 

ただそれ以上に問題だと思うのは,

フジテレビが,時事通信社の報道をそのまま使用し,被害を拡大させたこと,です

言い方は悪いですが,

「自らチェックする努力をまったくせず,パクった上に,赤の他人を傷つけた」

のですから,

 

 メディアとしての責任放棄

 

と言われても仕方がないのでは? とすら,私は思います

 

 

メディアというものは,大きな責任を持っています

その性質上,多くの人の考えに影響を与えるから,です

だからこそ,報道の自由というものが主張されるわけですし,

実際事あるごとに,自らが,報道の自由,表現の自由を掲げて,さまざまな主張をしている

それだけの権利を持っているのですから,その義務を果たすのは,当然のことだ,と思うのです

 

 

とは言え,私たち一人ひとりも考える必要がある

それは,

 

 「(情報など)それを信じていいのか,と疑えるか?」 

 

ということです

 

 

今回の事件は,マスメディアがおかしたミスですが,

世の中には,さまざまな「情報」が乱れ飛んでいます

当然,誤った情報も,恣意的な情報も,それこそ腐るほどあるわけです

それらの情報を疑える自分なのか?

 

「数値情報ですら,実はよくよく見ないと,誤った判断につながりかねない情報である」

とは,よく言われる話ですし,それは事実です

たとえば,偏った集団のアンケート結果から算出された数字が,全体を表しているわけではありません

しかし,その事実を知っていたとしても,

実際に数字で見せられたときに疑えない場合も多いのではないでしょうか?

 

 

「疑う力を身につける」

 

と言うと,なんだかひねくれ者のように聞こえるかもしれませんが,

でも,それだけの力を身につけること,が,これからの世の中を自分らしく生きる上では必要だ

と私は思います

 

疑ってみるとわかるのは,

「根拠ナシに疑ったもの」は,結局その疑いが,少なくとも一旦は晴れることになる,ということ

「やはりおかしい」となるものは,

相応の知識などに裏打ちされた,論拠を伴うものになる

 

だから,常に勉強することが必要なのではないか? と思うのです

学ぶことをやめたら,疑うことができなくなる

疑えなくなったら,自分らしく生きることを放棄するしかなくなる

 

そういうことなのではないか,と私は思います

20190511-20190517を振り返る

 

【今週の一冊】

「大衆の反逆」 オルテガ 著 ~その2~

 

 

景気の基調を示す指標は,

景気動向指数や景気ウォッチャー調査など複数あります

政府の景気の総括判断は,複数の調査結果や数字を基に行うわけで

だからこそ,民間の感覚とのズレ,が指摘される部分もあるわけです

 

今週示された景気動向指数は,人が判断するものではなく,

出てきた数字そのままから,自動的に基調判断を行います

それが6年2ヵ月ぶりとなる結果を示したことで,こうささやかれているようです

「アベノミクス,終焉か」

 

政府の景気判断は,確かに国としての公式発表

その結果が,政策や,その実行自体に影響を与えてはいます

ただ,国の判断に,自分の判断を合わせる必要はないわけです

それは当たり前であるかのように感じるかもしれませんが, 

巷でささやかれる「アベノミクス云々」という言葉が出てくること自体が,

国の判断に自分の判断を合わせている方の存在を証明しているのではないか

と私は思います

 

 

良い部分としてとらえるのか,悪い部分としてとらえるのか,は別として

それはある意味では,日本の文化というか,日本らしさなのかもしれません

一日,二日で醸成されたものではなく,

長い長い歴史の中で,耕されてきた土壌のようなもの

私たちは歴史との関わりを避けられない

 

 

日本らしさ,と言えば,

JR東海の新幹線増発に向けての動きも,日本らしさと言えそうです

低速型車両の引退が最大のポイントなのだそうですが,それに加え,

東京駅の折り返し時間のたった10数秒の短縮を積み上げて,

1時間あたり2本増発し,12本もの高速走行列車を走らせることを可能にする

 

新幹線1本でおそらく1500人程度の移動が可能なのだと思うのですが,

2本となったら,3000人

それを10時間実行したら3万人

たったの10数秒を積み上げることで,これを実現するのですから,ものすごいことなのですが,

こんな発想は,日本でないと出てこないのではないか,と思うのです

 

一方で,何らかのアクシデントが発生したら「えらいこっちゃ」です

大混乱間違いなし,なのですが,

それでも「ある程度のところでおさまる」のが,また日本らしさかもしれません

おとなしく待つ・・・(もちろん大騒ぎする人も中にはいますけれど・・・)

 

外国から来られた方々は,その様子で,日本に凄さを感じると言います

その中に入ったら,自然と自分もそうしたい,マネしたいと思えるような歴史の厚み

大切にすべきは,明文化されたルールなどではなく,そういうもの,だと思うのです

「人に合わせる」べきは,そういう点かな,と思いますし,

歴史として脊負うべき義務のある部分ではないか,と思うのです

 

 

難しいのでしょうが・・・

20190504-20190510を振り返る

 

【今週の一冊】

「大衆の反逆」 オルテガ 著 ~その1~

 

 

令和の時代に入り,10連休のGWが明けました

日本が10連休の間にも世界は大きく動いていますね

 

世界の動きが,日々の生活に与える影響は確かに大きいものがあります

だから,

「<働き方だ>・<休み方だ>と,いろいろ言わても,

これだけ大きく動くのだから,おいそれとは休めないよね」

という方もいらっしゃるかもしれません

 

それでも,心理的な面で「自分に与える影響」は,意外に大きいかもしれません

実際,

「令和に入った,10日間(フルフルとは言わずとも),切り替え期間があった,さあ気分一新!」

という方も多いのではないかと思います

 

気分一新というと,

「過去をキレイさっぱり忘れて,イチから!」と考える方もいらっしゃると思いますが

「過去をうまく使う」という考え方をしても良いのかな,と思います

特に見えていたのだけれど,見るのをやめていたこと,について,

改めてちゃんと見てから判断しよう,と考えると言いますか,

意識的に見て,意識的に判断しよう,と考えると言いますか・・・

 

 

「人は見たいものを見る」

 

とはよく言われること

たとえば,街中を歩くとき,「黄色のもの」を探しながら歩くとたくさんのものが見つかるのに

その意識がないと,黄色のものを見たことは,ほとんど記憶にとどまりません

無意識のパターンが自分の中に出来上がっている

 

自分の中で強固になったパターンは,

日々の生活の中で壊すことは非常に難しい

むしろ,それは,日々,くり返されることになるわけですから,

どんどん強固なものになっていくかな,と思います

 

 

今は,まだ平成から令和への切り替え期間とも言える

平成の時代の日々と,GWのお休みと,令和の時代の日々の数日とを比較すれば,

何が自分の無意識のパターンになっているのかを冷静に見極められるかもしれません

 

そのような中で,

本来の自分や,なりたい自分に,改めて気づけるのかな,

そして,自分のやるべきこと,やらなければならないことが見えてくるのかな

とも思うのです

20190420-20190426を振り返る

 

【今週の一冊】

「世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉」 佐藤 美由紀 著

 

 

GWの10連休前,どうもバタバタしています

私は10連休も関係ないのですが(苦笑)

 

ところで・・・

とある報道番組で,「日本人は休み方を知らない」というようなコメントがありました

「欧州などは,月単位の長期休暇を取る」という主旨のコメントとともに・・・

 

一般的に日本人が,「休みを取る」ことが上手くないのは事実だと思います

ただ,

「みんなが一斉に休む」ことと,「個人ごとに休む」こととを比較したコメントをしても意味がない

と,私は思います

たとえば,人の「生き死に」や「生活」が関わる現場が,「一斉に休むなんて,できるわけない」ですし,

そもそもその現場は,人手不足の最たる場でもあります

 

 

また,休みだけを切り出して,見ていくのもどうか,と

そもそも日本という国は,

トヨタさんの「カイゼン」や「カンバン方式」に代表される「効率化」で勝負してきた国

(敢えて,「高品質」は封印します・・・これだけ不正が出ていたら言いづらい)

 

業務をどんどん細分化し,細分化した業務ごとに,人を特化させる形式は,

効率を上げるための最善の方法だと思います

しかし,そこに「かける人員数」は少なくなるわけですから,当然休みも取りにくくなる

そして・・・

 

近年では,社員旅行や運動会などを行う企業はあまり見られなくなりました

(一部で復活の動きもあるようですが・・・),

そもそもそれは,「社員の慰労」等の名目だったかもしれません

でも,実際には,

 

細分化された業務の中で働く人々を融合させるようなしくみとして機能していたのではないか?

 

と,私は思います

 

しかしそれは,ある意味「真っ先に」削られた

「社員が求めていない」「時代にそぐわない」「コストがかかる」「価値がわからない」と

 

 

組織はさまざまな活動をしているわけですが,

それ単体で仕事が成立することはほぼありえません

前後の工程があり,融合して動いている

そして,単体に見える活動ですら,何らかの影響を与え合っている

つまり,「複数の価値」がある

 

そう考えると,仕事と言うものは,

細分化したとしても,というよりはむしろ,細分化したからこそ

 

その細分化された一つひとつのプロセスに対する価値づけ・価値の明確化

 

が重要になるのではないか,と思うのです

そうでないと,

 

表面的な価値判断のみで,業務が切り捨てられる可能性があるのではないか

 

と,私は思います

そしてそれが,大量に発生している「品質不正」の根本的な問題なのかな,と

 

 

少なくとも今のところ

「カイゼン」「カンバン方式」の本家トヨタさんに,

検査不正問題は見られません

 

ただのモノマネではない力がそこにはあるのではないか?

それは,本気で頭を使っている結果なのではないか?

と考えるのは,少しトヨタさん持ちあげすぎですかね?

そんなことない,と思うのですが。。。

20190413-20190419を振り返る

 

【今週の一冊】

「学ぶということ」 桐光学園+ちくまプリマー新書編集部 編 ~最終回~

 

 

福島での大きな課題解決が,ようやく始まりました

ただその前途は多難でしょう

そして,それは多くの方がわかっている

 

一方で,その多難の度合いは,想像することができるものなのでしょうか?

私は,物事の課題の大きさをとらえるときは(というより,他の多くの場合でも),

 

 ヒト,モノ,カネ,時間・空間,情報,リスク,調達

 

の視点で分けて考えることにしています

分けて考えた方が,考慮モレをなくしやすいから,です

 

たとえば福島の課題についてなら,何が起きているのか? 今,どうしているのか?に始まり,

誰がやるの? どんな技術が必要なの? いくらかかるの? どこでやるの? 

参考になる情報は? どんなリスクがあるの? それらの調達ルートはあるの?

といったことを考えるわけです

 

 

数十年もの時間がかかるとされるこの事業

私が考える最大のポイントは「ヒト」と「情報」です

 

今,事業に携わっている方はともかくとして,

これから新たにこの事業に関わりたいと思う人々がいるのか? が,1つ目の課題

2つ目の課題は,

今起きている問題に関して,課題解決に必要な情報を収集しきれているのか,という問題と,

周辺国も原発縮小に動いていることによる,ノウハウに関わる情報の劣化,というものです

 

この問題,私たちにできることは,それほど多くないと思います

 

ただ,あれだけの事故を起こしてしまった事実は消せないわけですから,

ポイントとしてあげた2つの視点からだけでも,

「ただ全国にある原発をなくせばそれで済む,というわけにもいかない」

と考えられるようになること,そう理解できるようになることが,

この事故から学べることなのではないか・・・?

 

 

私は日々の出来事をピックアップして配信しているわけですが,

「その出来事の存在を知っていたらそれで良い」というわけには,やはりいかない

何も知らないよりは良いのですが,

それをきっかけに,より考えを深めることが必要になると思うのです

つまり,より深く「知る」ということ

 

 

「知っている」という言葉,難しいです

どうしても使わざるを得ないので使うのですが,

私自身は,

「知っている」という言葉を使うときには本当に慎重になりますし,

そもそもは使うことをためらいます

 

そして,だから,なのかもしれませんが, 

安易に「知っている」という言葉を使われる方を

私自身はあまり信用できないんですよね

使われる場面にもよるわけですが・・・(^^;

20190406-20190412を振り返る

 

【今週の一冊】

「学ぶということ」 桐光学園+ちくまプリマー新書編集部 編 ~第4回~

 

 

英国のEU離脱期限が再延期されました

多くの方が「先送り感」を抱かれているでしょうし,

私にも,同様の感覚があります

 

英国の中にいるわけではないですし,

英国の方がどのように感じられているのかもわかりません

が,どうしても「ゆでガエル」に見えてしまう

 

ゆでガエルとは,これまた多くの方がご存知のとおり,

「カエルをいきなり熱湯に入れると慌てて飛び出して逃げるのに,

水から入れて温度を上げていくと,カエルは温度変化に気づかずゆであがり死んでしまう」

というもの

組織の性質を表現するものの一つとして,広く知られるようになった寓話です

 

同じことは,日本企業にも多く見られる状況だと思います

端的な話題が,多くの不正問題です

不正問題として表面化した段階というのは,

まさにゆであがった状態

その前にいくらでも気づけたはず,なのですが,

本人たちは気づかない

 

 

ただ,組織で起きていることは,

私たち一人ひとりにだって起きているはず

その一つが,

 

「やらなくちゃ」と思っていることの先延ばし

 

 

私もやらかしてます,先延ばし

幸いにもまだリカバリーが効く範囲ですが,

GW明けのタイミングが,完全にリミットです

でないと,信用を失います

そんな危機意識がある

ただ,本当のゆでガエルは,危機意識を抱けない

だから・・・

 

 危機意識を抱けているうちに,期限を決めて対策をとること

 

が非常に重要になる

そうでないと,あるとき一気に崩壊してしまう

 

尻ぬぐいは,長くそこに携わる人々,携わってきた人々の責任でやるべきこと,とも思います

新たに入ってきた方は,良い悪いの判断もできないはずです

それが当たり前なのですから・・・

20190330-20190405を振り返る

 

【今週の一冊】

「学ぶということ」 桐光学園+ちくまプリマー新書編集部 編 ~第3回~

 

 

5月からの新元号が発表されました

ある種の「ヘソ曲がり」のクセを発揮してしまう部分があるのですが,

これだけ報道される理由はどこにあるのでしょうか?

少し冷静に考えてみた方が良いのだろう,と思うのです

せっかくの機会だから・・・

 

 

ただ単に経済合理性を追求するのであれば,

元号というものがあることは,大きな非合理を生む部分があります

ITシステムへの影響はありますし,

申請書や申込書のようなもの,あるいは,免許書への記載という点等々で,影響が出る

 

その一方で,新年と同様

新しい時代への期待は多くの人にあるように感じます

社名を変える,なんていう企業もあったようですが,そこまでは言わずとも,

「町おこし」のような視点で,チャンスにしたいと考える人々も多くいる

 

いずれにしても,私たちには,元号というものに対するある種のこだわりがある

「アイデンティティ」という言葉を使うのもどうかと思いつつ,

英単語のスペルでそれを表現していないことが重要で・・・(苦笑)

自分とは何か? というものへの答えというか,

自分というものがありつつ,一人で生きることはできないことに自覚的になれる機会ではある

 

それは,「<日本というものや,その文化や考え方>に自覚的になる機会」

と言い換えることができるかもしれません

だから,政府もイベント性を大事にしようとする,と言うか,

いろいろな意味でチャンスにしようとしていると言うか・・・

 

 

「だから何なのさ?」

と言われてしまうと,「別に・・・」としか答えられないですし,

考えたからといって,何がどうなる,ということも言えないのですが,

でも,「機会」を利用して,少しでも考えるということが,自分の人生を自分で歩むことにつながると

私は思います

 

 その時大切なのは,「How」を学ぶこと

 

今回のケースでいえば,新元号の2面性から考え,

そこから,「共通して言えること」や「相違点」を探していくこと

それを実際に経験すること,やってみること,だったのですが

これは,別に新元号の話題を考える場合だけに使えるものではないわけです

 

やってみないことに,「How」は学べない,と思います

だから,「How」を学べる機会は,とことん利用する

ナゼ「How」が必要なのか,と言えば,

自分の人生を自分がコントロールするために必要だから,とお答えしたいなと私は考えています

20190323-20190329を振り返る

 

【今週の一冊】

「学ぶということ」 桐光学園+ちくまプリマー新書編集部 編 ~第2回~

 

 

東京では桜がほぼ満開

花見の場での,いろいろな意味で「大騒ぎ」は,毎年恒例のようですが,それはともかくとして,

桜を見た時の日本人の感覚というのは,

美しいと感じる以上の特別な何かがあるように思います

 

菊とともに桜が国花である,というのは,一つの事実

しかし,少なくとも国花は,日本の場合,法律として定められているものではありません

国花の定義も「その国民に最も愛好され,その国の象徴とされる花」

人為的に定められたものではなく,自然に決まったもの,と言えるわけです

つまり,自然に決まったもの,でも,何に定められているものでなくても

「合意」というものは取れる,ということ

 

「花は桜木,人は武士」というような言葉もあるわけですが,

流行語を見ればわかるように,

言葉というものは,みんなが使って初めてコミュニケーションに利用できるものになりますし,

死語にもなっていく

ここでも,自然な合意がある

 

このような自然な在り方,が,風土・文化・らしさというものではないか,と思いますし

空気というものでもあると感じます

 

 

もちろん,重大な判断が,「空気で決まってきた」ともされる歴史を知れば,

風土・文化・らしさ・空気などなどと呼ばれるものに問題があることはわかります

また,明文化されていない,ルール化されていないのだから,

「やってはいけないとは思わなかった」あるいは「やらねばならないとは思わなかった」

といった,逃げ口上にもできる点も問題です

さらに,多様化の時代,異なる背景を持つ人々が交わり生きていく時代に,

共有されていないものがある,ということが,いじめなどの原因になっている面もあると考えられます

 

 ただ,なんでもかんでもルール化されたいのだろうか?

 

私は「原理・原則」,つまり,軸・基準があれば,

明文化・ルール化は,極限まで削ることができると考えています

逆に言えば,「原理・原則」だけは,徹底する必要がある

 

 自分が実現したいことのために,他者を傷つけない

 自分がされてイヤなことを,他者にしない

 他者に対して,そんな配慮を自分ができるから,はじめて自分も配慮を求められる

 

生きる上では,そんなことが,原理・原則にあたるのだと思いますが,

これを「どうやって身につけるのか?」には,

相応のしくみが必要なのではないか,と考えています 

20190316-20190322を振り返る

 

【今週の一冊】

「学ぶということ」 桐光学園+ちくまプリマー新書編集部 編 ~第1回~

 

 

あまりに偉大な

プロ野球界のヒーローが引退を発表されました

人は必ず老いるわけですから,いつかその時は来る

だから,そのヒーローの引退は当たり前のこと

まして,近年の状況を考えれば,ある意味,予想されたことではあります

それでも・・・

 

彼が示してきたこと,は,決して野球選手であることではなかった,と思うのです

生き方であり,プロフェッショナルとは?であり,学び方であり・・・

といった,ある意味原理・原則に近いものだったのではないか,と

 

水の流れは,上から下へ,

粒の大きなものの下に,小さな粒が,

暖かいものは上方へ,冷たいものは下方へ,などなど・・・

私たちには逆らいようがないものがある

逆らいようのないものに,それでも抗おうとするのか,逆らいようのないものに,その身を委ねるのか

 

ただ,

そもそも人間が作り出したルールというものは,自然の法則によるものではありません

つまり,誰かが何らかの目的で作り出したもの

だから,人間が作り出した常識やルールと呼ばれるものには,抗いようがある

 

一方で,

うまくいく,あるいは,失敗する「原則」にあたるものは,

それを名づけたり,整理したりしたのは,人かもしれませんが,

それは誰かの恣意的なルールなどではなく,

自然の法則のように,原理・原則に近い,と私は思います

 

だから,私自身は,

人が作り出したルールは疑うけれど,

成功のパターンや,失敗のパターンのような,「どれも同じだよね」と言えるものを

疑おうとは思わない

抗う行動をするかどうか,というより,それができるかできないか,は別問題ですが・・・(^^;

 

 

もちろん,これは私のとらえ方

そして,自分がその原則に基づいて行動できているなんて,口が裂けても言えない(^^;

 

ただ一つだけ言えるのは,

本当に偉大な人というのは,

「常識」と名づけられた,人間が作り出したルールや常識に抗い,

本当の原理・原則に従い,

原理・原則に基づく努力を,本当に粘り強く,何年にも渡って,毎日毎日,コツコツと

続けられた人なのではないかと私は思う,ということです

20190309-20190317を振り返る

 

【今週の一冊】

「最高の結果を出すKPIマネジメント」 中尾 隆一郎 著 ~最終回~

 

 

甚大な被害をもたらした震災から8年が経ちました

8年も経てば,世の中自体は当然変わります

今後も世の中は大きく変わっていくのでしょう

そんな中で,私たち一人ひとりが生きている

一人ひとりの人生だから,最終的に判断するのは自分だし,正解かどうかも自分の中にしかない

 

ただ,そのとき,

原理原則を押さえておけば,長い目で見て最悪の判断をすることはない

と私は思っています

大博打の大成功はしないかもしれない,けれど,TOTALで勝てる

そのための判断の材料が,原理原則だ,ということです

 

 

私の言う原理原則には,「上から下への水の流れ」のような,自然の法則の他,

人が生きる上で最低限必要なものという視点から考えることも,原理原則のひとつ

安全確保,食糧確保,そして

現代の場合であればエネルギーの確保は,生きる上での最低限でしょう

世の中の大きな流れ,たとえば,情報社会,自動化,EV化などなどを見るだけでも,

電源,エネルギーがないということが,どれほどのインパクトを与えることになるか,は,

津波の被害もさることながら,8年前の震災の教訓でもあります

 

そして,社会的な常識も,原理原則です

ここで言っている常識というのは,社会的な手法や方法論のこと

たとえば,

論文の構成そのものが表現している「思考法,思考手順」

PDCAに代表されるマネジメントシステムなどのことですが,

この一つに,統計的手法を私は含めています

統計的手法は,「手法として,広く一般化されているから」です

 

ただ,統計的手法というヤツは,実はちょっと困った面があります

一つは,データさえ集めてしまえば,数値を出せてしまう点です

だから,誤った扱い方をしていても,わからない。。。

そしてもう一つは,統計的に算出される数字は,数字であるがために独り歩きを始める点です

 

本来統計は,元データの収集方法,集めたデータのクリーニング方法なども含め,

集計された結果以前の信用が前提なのですが・・・

 

 

いずれにしても,「判断するため」に用いるのが,原理原則

だから,原理原則というものは,自分のためのものだ,と思うのです

 

私にとっては,●●し合う,といったことや,他者への配慮,ということも原理原則のひとつ,です

「情けは人の為ならず」ではないですが,

めぐりめぐってTOTALで自分のところに戻ってくる

私が使う自分ファーストとはそういう意味で,

「将来も見据えてTOTALで自分に良い」ということと,真剣に向き合うことが大切と考えています

だから,

自国勝手主義はやめた方がよいと思いますし,スマホゲームしながら歩くなんてもってのほか

なんですが・・・(苦笑)

20190302-20190308を振り返る

 

【今週の一冊】

「最高の結果を出すKPIマネジメント」 中尾 隆一郎 著 ~第3回~

 

 

世界経済で停滞懸念が広がりつつあるようです

欧州では英国の無秩序離脱懸念,アジアでは中国の経済成長率の鈍化,米国の景気鈍化懸念・・・

それぞれいくつかの「先行指標」で「怪しく感じられるもの」があらわれていることが,

市場の不安感を醸成している

 

漠然とした「不安」というものは,誰にでもあります

将来起こること,が,今,確定的にわかるわけではないのですから

それは当然のことだ,とは思います

でも,私たちは,未来がある中で,今を生きている

「漠然とした不安」を,「漠然としたまま」にしていたら,不安なママ

 

もちろん,自分が関与しえないことはたくさんある

たとえば,自然災害が起きることに対して,自分が関与することはできません

他にも,

トランプ大統領がやること,周主席がやること,金委員長がやること,には,関与しようがない

でも・・・

 

 自分でコントロールできることもある

 

逆に言えば,自分でコントロール可能なものでも,コントロールしないのであれば,

不安を大きくするだけ,のように思うのです

自分でコントロール可能なものに,自分が意思を持って関与する

 

 

でも,関与する,と言っても,「では,具体的にはどうしたらよいの?」

そのひとつの答えは,他の方やっていることをマネすることだ,と思います

そして,「自分が意思を持って関与する,とは,どういうことか?」を実感すること

 

実は先日,本当に勉強になった実践例を教えてもらいました

この場で示すには,少し抵抗感もあるのですが,その方法というのが

「毎朝,自宅を出てから会社に着くまでに,見かけた方の中からステキな方を3人選ぶ」

というものなのですが,

重要なのは,「一度選んだら,取り消しはできない」というルールがあること

迷っているうちに次の候補が見つかってしまったら,

自動的に前の候補の方は選ばなかったことになること

つまり,過去の自分の判断は変えられない,ということ

 

「馬鹿馬鹿しい」というのは簡単です

私も思いました・・・「何,朝からやってんだよ(苦笑)」

でも,その方が非常に優秀な方,だったので,私もやってみたのです

すると・・・これはスゴイ!

「気づき」が,たくさんあります

 

やってみればわかるので,解説まではしませんが, 

 自分が意思を持って関与する,って,そういうこと

だと,実感できる

 

 

それが実感できれば,仕事だろうが,何だろうが,適用・応用できる可能性が高まる

適用するか,応用するか,は,それこそ自分の意思だ,と思いますし,

マネしてやってみるかどうか自体も,自分の意思次第だ,と思いますが・・・(笑)

20190223-20190301を振り返る

 

【今週の一冊】

「最高の結果を出すKPIマネジメント」 中尾 隆一郎 著 ~第2回~

 

 

「白とは言っていない」

一連の不正めぐる問題で,厚労省特別監察委員会委員長が参考人として国会で証言しました

 

「反対多数」との沖縄県民の意思が示された語られますが,

一方で,「賛成」も,「どちらともいえない」も,投票しなかった人もいます

 

英国は,EU離脱問題で

結論を出せないママの状態が続いています

 

米朝首脳会談は,その協議は物別れに終わりました

アメリカ側の「完全なる」の枕詞がついた要求に,

北朝鮮側の要求もまた「完全なる」の枕詞のついた要求だったと米国側はしているようです

もっとも,北朝鮮側は,要求はあくまで「一部の」との枕詞だった,と主張しているらしいですが

 

 

その他の話題も含めて,今週は,大きな話題がいくつもありましたが,

ある種の共通点に

 

 あいまいさ,グレー

 

というものがあります

しかし,社会に1か0,あるいは,All or Nothingといった形で語れるものは,

どの程度存在するのでしょうか? 

 

 

善悪の概念について,

「徹底的に善い<モノ>,徹底的に悪い<モノ>は存在しない

 同時に,<モノ>自体に善悪はなく,<何かと結びついたときに>,善悪の問題に発展する」

というようなことを,その著書エチカの中でスピノザは語っています

たとえば,フグの毒について,

その毒物は,人間と結びついたときには毒になるのかもしれませんが,

フグの毒,その存在単独では,毒でも何でもない

だから悪いことなど起こらないし,そのような状態にもならない,と

 

スピノザのある意味難しい哲学的なとらえ方までしなくとも,

フグの立場で見れば,毒は自分を守る武器なわけで,

とすれば,善悪は立場によって異なることになります

スポーツの世界の勝ち負けのように,白黒はっきりするものでさえ,

立場による見方の違い,は,確実に存在するのですから,善悪も変わってしまうことはわかる

 

善悪がそういうものであるのなら

いわゆる社会的に解決すべき問題に,万人に共通する正解はない,ということになる

「正解は,どこかにある」と考え,「正解を探し求める」場合も多いようですが,

それは幻想を追い求めているようなもの

 

 「正解は,自分で,あるいは,自分たちで,定めるのが基本」

 

ということになります

 

 

だとすると,冒頭見たようなそれぞれの出来事を評価する場合は,

 

 そもそも正解が,どこに設定されていたのか?

 

を,あいまいさ,グレーの加減を測定・評価する以前に,冷静に見極めることが必要になる

つまり,「測定・評価の基準=ものさし」が,どのように設定されているのか見極めることが必要だ,

ということです

そのうえで,「達成度」を測定・評価しないと,議論がかみ合わないし,本来議論ができるはずがない

 

定めた正解の質が浅はかな場合もあるはずです

「不謹慎動画」の撮影とSNS投稿などは,その一つの例なのかもしれません

でも,実は,冒頭の出した,今週の出来事の中には,

浅はかな正解が設定されているものがあるのではないか,とも思うのです

それを,「茶番」と言うのではないか,と私は思います

20190216-20190222を振り返る

 

【今週の一冊】

「最高の結果を出すKPIマネジメント」 中尾 隆一郎 著 ~第1回~

 

 

ここのところ,医療にかかわる話題が増えているように感じます

そのひとつの理由は,再生医療のキーとなる技術の発展が,「その適用の段階に来ている」

つまり,広く一般の方に利用される可能性が出てきていることではないか,と私はとらえています

 

さて,私がそうとらえているのですから,このとらえ方は,私にとっては正解です

しかし,よくよく考えてみると,みなさんにとっての正解か? はわかりません

そこで,私は思うのです

「このような私のとらえ方,考え方は,正解なのか?」

 

 

ナゼこのようなことを突然言い出したのか,

この原稿を読まれたほぼすべての方が「???」かもしれません・・・苦

実は今,「正解のないことに対して,(自分なりの)正解を出す」ということについて,

それを限られた時間の中でどう伝えたら効果的なのか,と考えているのです

 

たとえば,冒頭見た再生医療の話

これは「再生医療の発展は良いものだから,何とか発展に貢献しろ」という社会的な要求です

つまり,「しなければならない」という話

しかし,「では自分が,再生医療という分野の,どこで,どのように,貢献するか?」と考えると,

医師であれば,さまざまな身体部位のうち,どこを選ぶのか,という話にできる

つまり,再生医療をこの身体部位で,発展させ「たい」,ということになる

では,医師でなければ貢献していないのか? と言えばそうではない

医師としてではなく,それを支えるスタッフや,医療器材という立場になるという選択もある

その被験者になるという選択もある

そして,そこに関与しないという選択もある

 

このように,一見自分には何も関係がないと思われるようなことに対しても,

実は「自分の意思」は示していることになる

「●●したい」という意思を示していることになる・・・

 

 

実は,「●●したい」ということが,「自分なりの正解を出す」ことだ

と私は考えています

 

たとえば,サラリーパーソンだとしたら,

会社の目標は,会社からの現場に対する要求

この要求に対して,部門ごとの方針や目標という形で,要求に対する「意思表示」ができる

それは,その部門のメンバーにとっては,部門からの要求になるのですが,

同じように,その要求に対して意思表示はできる,ということになる

 

要求があるにもかかわらず,これまでその部門にあった作業を単にやり続けていたら

それは,「要求に対して,やりたくない」という意思を示した,ということ

それが,自分なりの正解だった,ということ

その結果,評価されないのだとしたら,それは自分の正解に課題があることになる

 

 

このように考えると,「自分なりの正解を出す」には,

「答えを出すための知見,知恵」が必要になる

そして,自分なりに出した正解が,本当に正解だったのかを測定し,評価することも必要になる

測定するのですから,その指標が必要になる

指標に基づく評価のノウハウも必要になる・・・

 

なんだか禅問答のようですが,

でも,それが,「自分にとって,より良い正解を出せるようになっていくための方法だ」

とも思いますし,

実際に「自分にとってのより良い正解を出せるようになる」には,

くりかえし考え,そして経験を積み重ねることだ,とも思うのです

20190209-20190215を振り返る

 

【今週の一冊】

「学力の経済学」 中室 牧子 著 ~最終回~

 

 

データにまつわる話題は,

米トランプ大統領にかかわるネタと同様,毎日のように,何等か報道されているように思います

GAFA包囲網,といった見出しの他,

今週で言えば,欧州の個人情報ルールに関する運用開始の影響に関する報道が

大きく取り上げられています

まさに,時代の潮流,世界の関心事と言えるわけです

「情報が価値を生むこと」に,みんなが気づいてきた・・・

 

ただ一方で,新聞等で報道される情報は,世界中で起こっていることのごくごく一部

その一部取り上げられている情報は,

もちろん,「知りたい」ニーズに応えている面も,「知らせる」義務に応えている面もある

しかし,「報道する側の意図や思惑」があることもまた,事実だと思うのです

 

「新聞を通じて,事実だけ押さえる分には問題ないでしょ?」

と考えられる方もいらっしゃるかもしれません

でも,その事実が取り上げられたことには,意図・目的がある

 

さらに困ったことに,事実自体にも意図・目的を込められている

たとえば,企業業績を売上や利益に着目するか,投資額の過多に着目するか,

あるいは,それがグループ連結で見るか,グループ内の一社を取り上げているか・・・

同じことでも,解釈次第でさまざまな「事実の見せ方」ができる,ということです

 

つまり,事実も,ママ受け入れればよいというわけではない,ということになる

また一方で,一つの事実から,さまざまなことを読み取ることができる,ということでもある

 

 

以前もこの場で,「測定」と「評価」とは「別物である」と言ったことがあります

測定というものは事実であり,評価は事実に基づく主観だと

ただ,この事実自体が怪しいということになると,大問題

つまり,国が起こしている「統計にまつわる諸問題」は,「大前提すらぶち壊す大問題」なのです

 

統計は本来「測定された数値」ですから,

条件を明確にして,その条件通り行うならば,条件に即した正しい結果が算出される

これほどの情報であり,事実は,実はあまりない

まして,国が「税金を使って」出すもの

民間が出す統計などと,比べ物にならない信頼度!

だったはずが・・・

 

あらゆる情報には価値があるのですが,

それを束ねると,より価値を高められる

より価値を高めるための手法が,「統計」

 

「使うだけのタダ乗り」を,国がやっている場合ではないのです

「税金」使ってるんですから,「国民に対する価値」を提供しないと・・・

20190202-20190208を振り返る

 

【今週の一冊】

「学力の経済学」 中室 牧子 著 ~第2回~

 

 

史上最大とも言われる寒波が襲っています

夏場も含め,「●年に一度」「過去最強」といったような言葉が躍ることが当たり前になったのは

ここ数年のことではないかと思うのですが,

それぐらい「レア」なはずのこと,が,普通に起こるのが今という時代なのかもしれません

そしてそれは,決して気象・気候面のことばかりではないとも感じます

 

 「まさかの日常化」

 

と言ってしまったら,その言葉自体も何だか当たり前すぎる言葉のようにも思うのですが,

そんな「まさか」が,今週の出来事にも見受けられます

 

たとえば,英国のEUの無秩序離脱は,現実味を日増しに帯びてきていますし,

日本の統計の不適切な扱いについても,レオパレス21の問題も「まさか」の類かもしれません

一方で,米・トランプ大統領が演説を行っていますが,

その内容は,少し前なら「まさか」だったものが,今や当たり前の「自国第一主義」発言でした

 

そう考えると,統計というものは

 

 「まさか」をあぶり出し,また,「まさかの常態化」もあぶり出すもの

 

のように思うのです

だから,一度取れば良いものではなく,観測し続けることが重要にもなる

 

 

ところで,極限の状態に置かれた時,人がする行動というものは,

ある種の狂気を伴う,とも言われています

 

たとえば,世界三大荒行の一つとも言われ,毎年11月1日から行われる中山法華経寺の百日大荒行

その間の睡眠時間は毎日2時間ほど、食事は,朝夕2回で梅干し1個と白粥のみ

寒水に身を清める1日7回の「水行」に,他の時間は基本的にはひたすら読経・・・ 

参加された僧侶の方曰く,

 

 「参加する前は,他の修行僧と積極的に食事を分け合う自分を想像していた

 修行中は,一粒でも多く米を食おうとする自分がいた」

 

現実を前にしたとき,人は弱いものである

言葉では理解しても,それ以上の重みをもつリアリティ・・・

 

 

この修行が生まれた時,

少なくとも「経験的な観測値」を用いて修行化されたのではないか,と想像します

言葉が汚くなりますが,

 

 それ以上だと「ヤバイこと,が起きる」,

 それ以下だと「理性と動物の狭間をリアルに知ることができない」

 

つまり,そんなギリギリを探り出すことにも,統計は用いられているはずだ,

と,私は想像するのです

20190126-20190201を振り返る

 

【今週の一冊】

「学力の経済学」 中室 牧子 著 ~第1回~

 

 

明石市長が,職員に対する「暴言」で記者会見,

その後,辞意を表明しました(この時点で,前市長,になってしまったわけですが・・・)

個人的には,

前市長には,それこそ任期を全うした上で,再出馬いただきたかった

というのも,明石市民の反応を見たかったから,なのですが・・・

 

この件については,すでに多くの報道などがされています

たとえば

 

 前明石市長ご本人が,件の事実を認め,激昂した上で発言した,とされている

 その発言には,「火をつけてこい」というものも含まれている

 そもそもは,「パワハラ」といった趣旨で,報道された

 2017年の話がナゼ今,出てくるのか?

 音声の出元は,叱責された職員ではない などなど・・・

 

あくまでその一部ではあるものの,

それだけでも多くの論点があることがわかるのではないか,と思います

 

 

もちろん,「火をつけてこい」は,相当な発言ですが,

私たちが学ぶべきは,

 

 「コト」というものは,その一部を切り取ってしまえば,

 本来のその「コト」の主旨とは,まったく異なるものにできてしまう

 

ということではないか,と思うのです

うまく(?)やれば,まったく正反対のことにもできてしまう

 

 

同じことは,統計・データを元にした結果とされるもの,についても言えます

「統計・データに基づく」とされる情報が,世の中には溢れています

そのような情報は,正確だ,正しい,と思ってしまいがちでもあるでしょう

けれど,それが,一体どのような性質の,どの程度の量の統計・データに基づく情報なのか,

によっては,

それは正しい情報とは言えない可能性もあるわけです

 

たとえば,ある100点満点のテスト問題について,

平均点が95点だったとしたら,そのテスト問題は「易しいテスト問題だった」と思いがち

しかし,それを受験したのが大学生で,

本来受けさせたいのは小学校低学年の子どもたちだったとしたら,

易しいテスト問題であるとは,必ずしも言えないわけです

 

極端な例だ,と言われる方が多いかもしれません

しかし,そのような情報が,世の中にあふれていることもまた事実

一部を切り取ってしまうことのリスク,言葉の一人歩きのリスクというものを

しっかりと理解しておくこと,そして,「怪しさ」に対する感度を高めておかないと,

結局自分が損することになってしまう

と,思うのです

20190119-20190125を振り返る

 

【今週の一冊】

「仕事に使える「指標」設計入門」 小谷 祐朗 著 ~最終回~

 

 

性同一性障害のある方の性別変更条件が

生殖能力なくす手術を必須とすること,を,私は知りませんでした

これを定めた特例法が,個人の自由を制約するものとして,違憲性が争われた裁判で

「条件付きの合憲」との判断が出ました

 

「現時点では憲法違反とまでは言えない

しかし,その疑いは生じてきていて,社会の変化に応じて配慮の必要性を検討し続けることが必要」

 

法律とは,言うまでもなく社会の規範なわけですが,

では,規範とは何か? と言えば,判断・評価・行為などの規則・基準となるわけで

ルールと言い換えてもよいのかもしれません

その規則,基準は,社会の変化に応じて変わる,変える必要がある,

と,この判決は明確に示しているわけです

 

最近よく思うことに,

もしかしたら,みんな,ものすごく素直なのではないか,ということがあります

ただそれは,ウラを返せば,疑うことをしない

もっと言えば,考えることを放棄して,そのまま何でも受け入れてしまっている面がある

とも思うのです

もちろん,それは良い面でもあるのですが,

1:1対応で,何でも受け入れてしまう,ということでもある

 

でも,これからの時代,

それではAIと何が違うのか,ということになってしまいかねないのではないか

 

もちろん,何でもかんでも疑え,というのではありません

 

 自分の中に基準を持つ

 

自分の幸せのためにこの世に生まれてきたのですから,

その基準は,自分にしか作れないものでもある,とも思います

20190112-20190118を振り返る

 

【今週の一冊】

「仕事に使える「指標」設計入門」 小谷 祐朗 著 ~第2回~

 

 

厚労省の統計をめぐる問題は,後を引きずりそうです

いかんせん15年にも及ぶ不適切対応

既に元資料やデータなどが廃棄されているなど,実質リカバリー不能の可能性すらある状況だそうです

 

ただそれ以上に問題なのは,同省への信用・信頼という点

圧力なのか,忖度なのか,何なのかはわかりません

ただ,いずれにしても,組織ぐるみの問題だったようです

同省は,今週もさまざまなデータや,重要な判断を発表していますが,

「それは本当に正しい数値なのか」,「正しいデータに基づく判断なのか」

といった疑念を持たれても仕方のないような状況にいる

ということです

 

そんなことならAIに任せた方が良い

という声も聞かれるようですが,それは極端すぎる

 

そもそも,AIは人間が使うものであって,使われるものではありません

また,AIが暴走しない,というのは神話であり,AIは人間のコントロールが必要なものだと思います

 

「暴走」と言うと,AI自体が意志を持って云々・・・というSF映画を想像されるかもしれませんが

それが起こると言っているわけではありません

AIの平均を強調しやすくなるなど特性が,

これまでに見られなかったような出来事を引き起こす,ということです

 

ナゼ平均を強調しやすくなると言えるのか?

各AIは,それぞれ「最適な状態」を目指すことになります

しかし,その最適な状態自体は,AIごとにそれぞれ存在しているわけではなく,

人間によって「これが最適」と設定されています

すると,各AIは,設定された「これが最適」に従って,

それを最も実現できるものになるよう進歩していくことになる

「これが最適」に近づこうとするわけですから,結果,平均に寄っていくことになる

この「平均に近づいていくことが,暴走につながる」ことの典型例は,株価や為替レートの乱高下です

 

 

キーは,測定と評価の違いを理解して,判断・行動することではないか,と思います

どちらかと言えば,測定をAIに寄せていき,判断を人間に寄せていく・・・

 

大きな方向としてそのようなイメージで発展させていくことが必要だと思いますし,

「そうしていくから,今後は大丈夫なのだ」

という発信をしていくことが,厚労省には求められているのではないか,と思います

20190105-20190111を振り返る

 

【今週の一冊】

「仕事に使える「指標」設計入門」 小谷 祐朗 著 ~第1回~

 

 

厚労省が,政策の基準として用いていた統計で不適切調査が判明しました

このデータを指標とした社会保障費は,500億円規模もの過少給付となっていたとのこと

 

もちろん誰にでもミスや間違いはあるものですが,

「気づいていたのに15年もの間,放置されていた」

というのでは,隠蔽と言われても仕方がないですし,

さらに言えば,国民に対する背任行為ではないの? という声が聞かれてもおかしくはない

それだけ社会保障制度上の「指標」や「基準」というものは,重要ななものだ,と思うのです

 

 

政治家にとどまらず,

「より良い世の中にしたい」「より良い社会を作りたい」とは,誰もが思うものだと思います

そこまで言わずとも

「幸せになりたい」,つまり,「幸せになるために,この世に生まれてきた」

 

では,「何を幸せと言うのか?」

 

人は置かれている環境を当たり前の環境と思いがち

家があり,暖が取れ,食事がとれることは,必ずしも当たり前ではないのですが,

それが当たり前になっていると,違う「より良い」と求める

つまり,誰もが「その時にないものをねだりがち」でもある

 

人間が,「より良い」を求める生き物である以上,

すべての人間の活動,たとえば企業活動なども,また,「より良い」を求めることになるわけですが,

ここで問題になるのは,

「より良いとは一体何なのか?」

ということではないか,と思うのです

少なくとも,何らかの「指標」や「基準」がないと,「より良い」の判断はできないからです

 

 

このときの,「指標」や「基準」は,実際にはさまざまなものが考えられます

そこに参加する人がそれで良いと思うのなら,個人個人の「感覚」であっても,本来的には構わない

けれど,少なくとも国の社会保障制度の場合は,

その制度の思想上,またその運用上,

より客観的なものとしやすい統計という数字を使って,その「指標」や「基準」としてきた

それによって,国民を納得させてきた,社会保険料を払わせてきた,わけです

 

今回の問題というのは,それだけ大きな問題のはず

企業でこんなことやってたら,ヘタすれば倒産,経営への大打撃は必至,です

 

それだけ重要な「指標」や「基準」というものを,国が適当に扱っているという事実を前に,

その大切さを伝える活動を,少しずつでもしていこう,と考えた一週間でした

20181228-20190104を振り返る

 

【今週の一冊】

ファイナンス思考」 朝倉 祐介 著 ~最終回~

 

 

新年あけましておめでとうございます

 

年末年始もさまざまな事がありました

昨夜の熊本での大きな地震, 新幹線の故障,雪,ドル円相場の急騰・・・

昨年の漢字が「災」だったかと思うのですが,

今年は「変」「動」「乱」といった漢字が,それになるのではないか?

とそんな予感さえさせる様相だと思います

 

そんな中で自分にできることは何か?と考えた時

「自分にできることをしっかりやることではないか」と私は考えています

いっしょになって混乱していては,余計バタバタしてしまう

 

 どっしりと構えた,ある種の優雅さ

 

起きたことは仕方ない,と考えられるような

余裕を持った行動,その時の備え,が大切になる一年ではないか,と思うのです

ある程度は「こうなったら,こうする」ということを決めておくこもできるわけなので,

それは,安全志向と言うよりはむしろ「積極的な備え」とでも言いますか・・・

 

 変化はチャンス

 

とはよく言われること

そんな変化をチャンスにできる一年にしたいと考えた年末年始でした

2018年の一年間を振り返る

 

【今年の5冊】

 

「残酷すぎる成功法則」 エリック・バーカー 著

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 新井 紀子 著

「教育幻想」 菅野 仁 著

「目の見えない人は世界をどう見ているのか」 伊藤 亜紗 著

「生物から見た世界」 ユクスキュル/クリサート 著

 

 

 

平成最後の年末を迎えました

この1年を振り返ろうとした時思ったことがあります

 

マズローの5段階欲求説で多くの話題をまとめられるのではないか?

ご存知のとおり,マズローの5段階欲求説は

 

 「生理的欲求を土台に,その上に,安全欲求,社会的欲求,承認欲求,自己実現欲求が積み上がる」とする,人間の欲求を段階で表すもの

 土台とも言える低次の欲求が満たされて,その上に乗る高次の欲求が生じ,それを満たそうとする

 

という説です

 

すると,たとえば

生理的欲求として,衣食住やエネルギーの問題を,

安全欲求として,第3次安倍内閣の発足や国際的な安全保障面の問題を,

社会的欲求として,AIなど技術の台頭と,一人ひとりの役割への不安を,

承認欲求として,インスタ・シェアリング・五輪やW杯にハロウィンの異常な盛り上がりの問題を,

自己実現の欲求として,米中対立,ロシアの動き,欧州などのポピュリズムの台頭,各企業等の動きの問題を,

それぞれ位置づけられるのではないか,と思うのです

 

そして,技術が発展し,誰もが使えるようになると,新たな問題が発生する・・・

各種の不正やパワハラ,セクハラ問題などは,そう位置づけられるのではないか

 

 「人間というものは,欲深いもの,弱いもの,であり,また,楽して多くを得たいと思うもの」

 

ということを事実として受け止めるのに,これほど良い一年は,なかなかないのかもしれません

 

 

そんな中で,天皇陛下がご自身の誕生日に語られた言葉は,実に清々しさを感じるものでした

 

 「象徴としての自分の立場を受け入れてくれた人々に感謝し,

 そして,私の人生の旅に加わり献身してくれた皇后さまを労いたい」

 

日本の象徴としてのあるべき姿を追求された人生において

最後まで,「日本とはどのような国であるのか」を,ご自身をもって体現されようとした,そして,

戦争と正面から向き合い,欲に対して客観的であろうとされた方の言葉なのではないか

 

天皇制という「コト」についての考えは別として,

「ヒト」としての(と言うと,一部からは非難もされそうですが)陛下の「凄みを伴う品位」

これまで天皇陛下をそのように見たことはなかったのですが,

平成最後の年末に,そのような姿を感じることができました

 

 来年のテーマは品位?

 

あまりに高い目標かもしれませんが,少しでも天皇陛下が備えられているものを身につけられたら

と思った年の瀬でした

 

20181215-20181221を振り返る

 

【今週の一冊】

ファイナンス思考」 朝倉 祐介 著 ~第4回~

 

 

孫氏が率いる通信事業者が,親子上場を果たしました

グループが出資するペイペイの「予想以上?」のキャンペーンへの反応と,

過去に流出していたクレジットカード情報を,このキャンペーンに乗じて不正に使用された問題,

通信料の大幅減という国の政策,

米中対立に伴う,中国製品排除の動きや株安の流れなどなど,

上場タイミングとしてはある意味最悪だったように思います

 

それでも,株の上場益は2兆円を超える,というのですから,

好き嫌いは抜きにして,この企業の強さを見せつけているとは言えるのではないか,と思います

いざとなればこの2兆円を原資に,同社株がもっと安くなったときに買い戻せばよいわけで

キャッシュを持っていることの強さ,を,改めて感じるのです

 

 

 「今あるものを最大限利用して,自分の強みをさらに伸ばすにはどうしたらよいのか?」

 

これは企業に限らず,誰もが抱える「究極」とも言える課題だと思います

このとき

「強みを伸ばす」

ということに,私自身は共感と,ある種の違和感とを持っています

「強み,<だけ>,を伸ばすことは,本当にできるのか?」

私は,仮に「強みだけ」を伸ばすことができたとしても,それでうまくいくとは思わないのです

 

だから,「強み」を理解した上で,

その他の部分については,その他の部分で強みを持った人や企業にお世話になることが大切

そして,お世話になるのですから,

「お世話になるための姿勢」がどういうものかを正しく理解し,適切な態度が取れるようになること

が,最低限必要だと思うのです

 

 「強みを伸ばすとはどういうことか?」に始まり,

 その示し方の一つの方法が,「投資」なのかな

 

と考えた一週間でした

20181208-20181214を振り返る

 

【今週の一冊】

ファイナンス思考」 朝倉 祐介 著 ~第3回~

 

 

今年の漢字が発表になりました

一文字でなければ,「不正」「不適切」を今年の熟語にしても良いのではないのかな? と思うぐらい

不正や不適切が問題になった一年だったように思います

 

そんな中の一つ,医学部医学科入試の不適切対応は,結局9大学認定,1大学が不適切な可能性が高い

と判断されました

各大学が,「どういう方を入学させたいか」を示す「アドミッション・ポリシー」上で

何が提示されていたのか,は,調べていないのでわかりません

ただ,各大学ともに

 「長く浪人されている方より現役の方を」

 「他地域の方より地元の方を」

 「大学の理念へより共感を持っている方を」

とは考えていた,ということでしょう

 

これらの想い,考えが出てくるのは,

 「大学の個性を主張せよ,との文科省の方針」

 「少子化と大学淘汰の時代」

 「医者という世界の,少なくとも現状,現実」

といった実際の問題と無関係であるはずがない

 

ここで極端な例で一つ,考えてみたいことがあります

「定年を迎えられた方が,一人で勉強し,医学部医学科を受験,新卒の高校生と同じ得点を取った

このとき,どちらを合格にするか」

 

 

差別がないこと,は,非常に重要だと思います

その一方で,現実とのすり合わせは欠かせないことだとも思うのです

 

だから,ここで問題視されるべきは,

 

 「言っていることと違うことをやること,それを黙ってやること」ではないか,そして

 「努力ではどうにもできない,持って生まれたもので区別すること」ではないか

 

そう思った一週間でした

20181201-20181207を振り返る

 

【今週の一冊】

ファイナンス思考」 朝倉 祐介 著 ~第2回~

 

 

JRの品川と田町の間にできる新駅名が決まりました

その駅名は,「賛というよりは否」で,大分話題になったようです

でも,広告・広報という観点で言えば,大当たりだった,と私は思うのです

日比谷線の妥当な(?)新駅名も公表されましたが,情報量としてのインパクトの違いは明らかです

勝手な推測ではあるのですが,

新駅名の選択には,「JRの将来像からの視点があったのではないか?」と,私は考えています

 「どうせ変わるのなら,うまく使え」

 

 

人口統計のように,かなり正確に予想できるものもありますが,

基本的には,将来,未来の話は誰にもわかりません

ただ,私たちは,本当に大きな時代の転換点にいる

世の中が変わるのは間違いありません

これまで以上に電力に依存する世の中になることは避けられないはずですし,

身近な地域が,背景の異なる人々や知能であふれることになることも避けられない

そして,

変わる,ということは,新たな課題が生じることも避けられない

 

新たな課題は,まさかの時が来なければ,なかなかそれを意識できるものではないかもしれない

けれど,

今週の出来事は,私たちに「課題の一端」を見せつけているように思います

ということは,学べるし,準備もできるはずだ,ということ

 

 

それを利用できるのか,混乱の渦に巻き込まれるだけなのか,は,ある意味では私たち次第でもある

 

「どうせ変わるのなら,うまく使え」

 

そう思った一週間でした

20181124-20181130を振り返る

 

【今週の一冊】

ファイナンス思考」 朝倉 祐介 著 ~第1回~

 

 

新しい時代,というのは,これまで想定できなかったことが起こりえる時代だ,と言えると思います

たとえば原始の時代,金融市場などというものは存在しなかったのですから,

金融業界を規制するようなものは不要だったわけですが,

金融市場が生まれ,金融業界の「規制」は,かなり広範囲なものとなり,

そして今,それが少しずつ撤廃されようとしている

新しい時代,というのは,そのような「変化」」を生み,人々に「変化を促す」とも言えるわけです

 

新たな時代をリードするのは,「技術」なのかもしれません

今週も,新たな「技術」を,取り入れようとする動き,取り入れた動き,が,たくさん報道されました

それを利用しようとする各国,各企業の「思惑」に関する動きも目立っています

 

一方で,新たな「技術」は,課題も生みます

だから,「規制」という話も出てくる

ある意味,いたちごっこ,です

 

 

しかし,冷静に考えれば,起こりえる「課題」は,予想できることも多い

たとえば,今週報道された,「人の生命観,生命倫理にすら影響を与える衝撃的な問題」を引き起こすような動きも

「いつか誰かがやらかすのでは?」と,予想されていたはず

過去を振り返れば,原子力,というものも,同様だったのかもしれません

その事実を受け止められること,つまり,

ある科学技術が発展したときに起こりえる問題を

感情的にではなく,冷静に,見定める立場を取れる力を持つことは非常に重要だ,と思うのです

私たちは,今だけでなく,未来も生きようとしているのですから

 

 

未来志向と言うと,何だか夢追い人のように聞こえる場合もあるとは思いますし,

今を生きることと対立する志向のようにとらえられる面もあるようですが,

実際はそうではない

今を大切にしたいのなら,今のママだと将来起こりえる問題を冷静に見る必要がある

そんな未来志向もある

だから必要になるのは,今を客観的に受け止める力であり,分析する力なのではないか,と私は思います

 

ただ,そこで必要になる力は,理論的には,あるいは,知識的には,決して難しいものではないはず

たとえばPDCAのような,ごくごくベーシックなものだと思うのです

でも,ベーシックなものでも,見方や使い方を間違うと,対して有用なものにならなかったり

かえって違う問題も引き起こす可能性がある

だから,

 

もちろん,理論的に,知識的に必要なものはあるけれど

むしろ重要なのは,ものの見方,とらえ方なのではないか

 

そう考えた一週間でした

20181117-20181123を振り返る

 

【今週の一冊】

「仕掛学」 松村 真宏 著 ~最終回~

 

 

今週は,日産のカルロス・ゴーン元会長の逮捕に触れないわけにはいかないでしょう

その当時「終わった」とも言われた日産を,

工場閉鎖に人員削減,調達改革といった施策でV字回復させた実績と,

周辺産業にも与えたその影響は,非常に大きなものでした

そして,同氏が断行した施策は,他の企業の「聖域なき改革」のモデルになったとも言えるもの

その意味で,同氏を「名経営者」とする方も多かった

しかし・・・

 

同氏を非難するのは簡単な話でしょうし,

実際,それが事実であるなら,非難されて然るべき,だと思います

同氏が暴走した,というのも事実なのかもしれません

しかし,それに組織として加担してきた,

あるいは,その暴走を止められなかった,暴走に気づかなかった?

日産の経営陣の問題は,非常に大きいと私は思います

そして,日産は,現場での検査不正も発覚していたはず

 

つまり,何億円もの給与をもらいながら,

トップの暴走も止められなければ,現場の管理・監督もできなかった,

金の管理もまともにできなかったのが,

日産の経営陣だったということ

そう非難されないだけの材料を,日産の経営陣には示してほしいな,と思います

法人としての日産が立件されるとか,されないとかの問題ではなくて・・・

 

 

日産の案件も含め,

安倍政権の消費増税時の経済対策案から,

国際合意を平気で反故にする朝鮮半島の隣国から,

米中貿易戦争から,

記者殺害事件の渦中にいる中東の王国から,

学べることは,「結局自分中心なのが人間の本質だ」ということであって

「自分のこと中心でモノを考えるのは,ある意味では仕方がない」ということだ,と思うのです

 

でも,自他のバランスをとろうとするしくみと,その動機づけにあたるしかけがあれば,

自分中心を,ある程度抑制していくことにつながっていくはず

つまり,そのようなしくみやしかけが,今はどこも不十分なのかもしれない,ということ

 

だったら,しくみを作って,しかけていけば良いということになるはず

「ルールでがんじがらめ」も一つの方法かもしれませんが,それ以外の方法もあるはず

 

 今課題があるということは,改善できることがあるということだ

 

と考えた一週間でした

20181110-20181116を振り返る

 

【今週の一冊】

「仕掛学」 松村 真宏 著 ~第2回~

 

 

「日ロが歴史を築くことになる」

との期待が大きく膨らんだかのように見えたのも束の間,

そうは簡単には行かなさそうでもあるとの情報が提供されています

 

「それぞれの立場がある以上,さまざまな見方ができる」という面もあるのだろうと思いますが,

総論賛成・各論反対という面もあるのだと思います

そして,大抵の対立は,総論賛成・各論反対に由来するのかな,と思うのです

だから,モノゴトを進めようとする際には,

各論に「分解してみる」という行動が,少なくともどこかの段階で必要になるのだと思います

 

とはいえ,分解することは,それほどやさしいことではありません

分解するのには目的があるのですから,「目的に見合う形で分解する」必要があるからです

分解して終わりだったら,やさしいのかもしれませんけど(苦笑)

 

 

分解して個別の部分だけを見ていると,今度は全体が見えなくなっていることが多々あります

その一つは,いわゆる,部分最適と全体最適,というものです

ある部分だけが高度に発達しすぎると,他の部分と組み合わせた時におかしくなっている

そしてもう一つは,目的を見失う,というもの

 

 それ,何のためにやってるんだっけ?

 

このような理由で,

本業は「結果にコミット」で,大成功されているRIZAPさんが

グループ全体ではおかしなことになっているという事例には,たくさん学べることがあるなあ

と私はとらえています

 

 

私は,社会に貢献するにしても,自分が不当な不利益を被らないようにするためにも

測定と評価の知識やスキルが欠かせないと考えています

その基本は,自分の都合の良い基準で測定するのではなく,

目的に即した基準で測定し,目的に即して評価をすること

 

世の中,さまざまなデータであふれているわけですが,

目的に合った「ものさし」を使わないと,何だかおかしな評価をしてしまう

 

日本から海を渡った二刀流メジャーリーガーが新人王を獲得されました

でも,私は思ったほどうれしく感じないのです

その理由は

「きっとご本人は,本当の意味で,二刀流を実現したいと思っているだろうな」

と想像しているからなのかもしれません

20181103-20181109を振り返る

 

【今週の一冊】

「仕掛学」 松村 真宏 著 ~第1回~

 

 

政権の2年間の審判とも呼ばれる米国の選挙が行われ

まだ最終結果が出ていない部分もあるものの,

下院は民主党を奪還,上院は共和党が過半数維持,という結果となりました

この結果に,トランプ大統領は「大いに満足している」とのことだったのですが・・・

 

痛手,打撃,というような見出しを飾った報道もあったようですが,

私は大いに満足は本心だと思います

と言うよりは,「大成功だ」と思っているのではないか,と・・・

それも「もっと酷い結果も想定していたのに,よくやった」というような意味ではなく,

本当の意味での「大成功」

 

下院が民主党になったおかげで,

上院と下院とで意見の対立が発生する場合もあるでしょう

しかし,民主党が反対するから失敗した,というような,「失敗の口実」を完全に作れた

「確度の高いものだけ選んで,大統領令でオーバールール」をやれば,

自分の成果を余程誇示しやすい

これは,自身の出身党である共和党にも有利に働くし,

共和党への自身の影響力も強められるし,実際選挙を通じて強められた・・・

 

 

ここで注目したいのは,この選挙戦でしかけられたことの数々のこと

投票に行くことを促すしかけ

自分の演説会?に来場させるしかけ

大統領選では介入も問題になったSNSによるしかけ,などなど・・・

 

たくさんの「しかけ」がこの選挙では仕掛けられて,人々が何らかの行動を起こした

大統領選と比較して10~20ポイントも低く,40%程度が通常とされるこの選挙

記録的な投票率になった可能性が高い,と言われています

つまり,「記録的な投票率を持って,指示された大統領だ」と,トランプ氏は言える

 

 

本当につくづく,上手いな,この方は,と思います

ただし,投票という行動につなげるしかけが,「対立をあおること」だった,

という事実を,私は見逃したくないのです

20181027-20181102を振り返る

 

【今週の一冊】

「目の見えない人は世界をどう見ているのか」 伊藤 亜紗 著 ~最終回~

 

 

飲食店が加盟する団体が定めた,「予約の問題」に関する話題にしても

日本学生支援機構が,義務は半額にもかかわらず,連帯保証人に奨学金全額請求していた件にしても

元をただせば同じような問題なのではないか,と思います

それは,

 

 紳士協定の破棄

 

紳士協定の破棄が「当たり前」のようになっていき,

仕方なしに新たなルール,強制力の働くルールが作られていった・・・ということ

 

 

社会のルールというものは,自然の法則とは異なるものです

もちろん,多くの人々が,それぞれに文化的,地理的,歴史的などの背景を持つ以上,

ルールという形ですり合わせするしかない場合もあるわけですが,

本質的には,みんなが紳士や淑女の行いをする限り,不要なはずのものでもある

つまり,

自分たちが紳士淑女の行いをしないことが,自分たちの自由や権利を奪う

めぐりめぐって,自分たちの不利益になる

 

 

ハロウィーンの日の渋谷にしても

韓国最高裁の戦前・戦中の日本の行いに関する判決にしても

アメリカの中間選挙における選挙戦で見られる,民衆の分断をしかけるような「煽り」にしても

結局同じことが待っている,と私は思います

どのタイミングであるかはわかりません

しかし,必ず「問題となって」身に降りかかることになる

 

 

そのことにやはり気づけるようになることが必要だと思います

このようなことに気づく方法,みんなで気づき合う方法はないものか・・・

私はあると思うのです

それは,

 

 望ましい行動や思考に向かわせるようなしかけ

 

ヒントは,これまで生活弱者と呼ばれてきた方々の視点ではないか,と

直感的には思っています

20181020-20181026を振り返る

 

【今週の一冊】

「目の見えない人は世界をどう見ているのか」 伊藤 亜紗 著 ~第1回~

 

 

 「みんな幸せになるために生まれてきたし,生きている」

 

このことを否定する方はいらっしゃらないでしょう

ただ,「幸せとは何か?」については,人それぞれかもしれません

そして,同じ人でも,その時々,あるいは,年齢を重ねるにつれて,

「幸せ」と感じるものは変わるのかもしれません

 

今週,3年以上に渡って拘束されていたジャーナリストの安田氏が解放されました

安田氏は「本当の状況を自分の目で見たい」と,現地に入ったそうですが,

拘束されていた3年間は「地獄だった,身体的なものもあるが,精神的に・・・」と語られました

あくまでも想像ですが, 

現地に入られる前とは異なる点に,幸せを感じられているのではないか,と思います

 

 

自分のことでも,後々になって初めて気づくこと,は,たくさんあるのだと思います

自分以外の他者のこと,となれば,なおさらでしょう

想像の範囲でしかわからないのですから,聞くしかないし,教えてもらうしかない

そして,また自分のことに置き換えて想像する

近しい体験をしてみる

そういったことをくりかえし,理解を深めていく・・・

 

正直,世の中ではさまざまなことが起こります

不条理と思うこともあるかもしれない

でもそれは,幸せというものを考えるきっかけかもしれない

 

そのような謙虚さ,にあたるようなものが身につけていくことが,

そして,権利の主張以上に義務を果たす意識を持つことが,

実は,自分の幸せ,というものを本当の意味でつかむことにつながるのではないか

と考えた一週間でした

20181013-20181019を振り返る

 

【今週の一冊】

「生物から見た世界」 ユクスキュル/クリサート 著 ~最終回~

 

 

今週表面化した

建物に利用する装置の性能検査不正,積水ハウスが巻き込まれた詐欺事件,落選狙いの保育所申請などは

基本的には同質の問題であるように,私は感じています

それは,しくみ・制度の疲労,ということ

 

今週の出来事に限らず,ここのところ続々と表面化している不正の数々は,

過去に作られたしくみ・制度が,見直されることがなかったり,

あるいは,そのしくみ・制度の本当の意味の共有がされないままに,運用し続けられたりといった,

基本的には同じ条件がそろって起きるものではないか,と

 

さまざまなしくみや制度を作るということは,

逆説的な言い方をすれば,しくみや制度がないと何らかの問題が起きるということ

それだけ,人によって基準はバラバラであり,

また,悪用しようとする人も必ず出てくるということなのでしょう

 

 

 人は本来一人ひとり・・・

 

何を当たり前のことを,と言われるかもしれませんが,

本来一人ひとりなのですから,行動や考えることにはバラツキが出る方が自然のはず

それなのに,同じように行動し,同じ様であることに安心している

 

同じような行動,同じ様ということを否定しているのではありません

ナゼ,同じであることを良しとするのか,同じであることを選択するのかについて

もう少し考えた方がよいのではないか,ということなのです

その意味で,

どうでも良いところで差異を出そうとしたり,それを個性と呼ぼうとしたりするのは

むしろ,質の悪い同調というか。。。

 

自分の無意識の判断に自覚的になると,少し深く見えてくることがあるように思います

そのことが,他者の見方があるということにも気づく第一歩になるのではないか,とも思いますし,

結局自分にとって役に立つことになるのではないか

と考えた一週間でした

20181006-20181012を振り返る

 

【今週の一冊】

「生物から見た世界」 ユクスキュル/クリサート 著 ~第1回~

 

 

株価が大幅に下落しました

トランプ大統領は,FRBの金融政策に責任をなすりつけているようですが

残念ながら(?),ご自身の政策も間違いなく影響しているはず,です

ただ,そう思うのは,

トランプ大統領の政策だけの問題とするような論調に同意しているわけではありません(一応)

これだけ世界の流動性が増した世の中で,

どれか一つが原因などということはない,と考えるからです

 

 

強烈な台風,猛暑,大雨などなど, 

自然現象が極端であることに影響を受けているのか,いないのかわかりませんが

(影響を受けていない,とは言えないかも!?),

今の世の中,極端なものが増えている

 

株価の荒っぽい値動きにしても,さまざまな論調にしても,

白か黒か,どちらか極端に動く

ただ,このようなある種の荒っぽさは,今後より先鋭化すると思います

同じ視点に偏るというか,平均値に寄る,というか・・・

 

そう思うのは,やはりAIの存在が大きい

仮に同じデータを用いて学習するなら,

AIは,その原理上,同じ答えを出す方向に向かうことになるはずだから,です

山の頂点が高く,分散の小さな正規分布が作られることになる

 

となると,データを握っているところは確かに強い

でも・・・

私はちょっとした視点のずらし,が,大きなチャンスになる可能性が高い,と考えています

もちろん,平均は知った上で,での話ではありますが・・・

 

 

「ニッチだろ?」と言われると,まあそういうことなのかもしれません

ただ,むしろ,同じようなものなのに,違う見方をしているものにチャンスがあるのではないか,と

 

そのチャンスを活かすには,

一般的なものを知り,かつ,さまざまな見方を勉強することが必要になるのではないか

と考えた一週間でした

20180929-20181005を振り返る

 

【今週の一冊】

「教育幻想」 菅野 仁 著 ~最終回~

 

 

大型台風が列島を縦断しました

この台風で経験したのは,「初」のこと

体験したことのないような台風での強風,首都圏鉄道各社がとった対応・・・

もちろん,多くの被害があったでしょうし,被害に遭われた方も多くいらっしゃるわけですが

それでも,このレベルでおさまっているのは,

これまでの台風に対する経験が知恵となり,

当たり前の対応レベルが上がっているからなのではないか,と思います

 

ただ,当たり前というのはなかなか難しいものです

当たり前と思っていたことが,実は当たり前でなかったり

当たり前でなかったはずのことが,いつしか当たり前のことのようにとらえられるようになってしまったり

 

この一週間の出来事で言えば,たとえば,

 電気がある

 毎日,朝から晩まで,電車が動いている

 沖縄に基地があること

 羽田空港の発着便数が現状なのは,日米間の関係性に影響を受けている

などなど

 

 

 何を当たり前とし,何を当たり前としないのか?

 

多くの人がいればいるほど,その共通認識を持つのは難しいのかもしれません

一方で,少ない人数だからとしって,当たり前の共通認識が持てるかと言えば,それは幻想でしょう

一人ひとり育ってきた環境,生きてきた環境も異なるのですから,

価値観の共有が必須になる

 

その価値観を共有するために,

実は行動基準やマニュアルというものがあるのだろう,と思うわけですが,

特にマニュアルなどは,

どうも1:1対応のためのもの,としてとらえられているフシがある

そう考えると,品質不正問題が起きたことにも納得は行く・・・

 

 

そのようなわけで,企業で言えば

 理念,ビジネスモデル,ビジネスプロセスフロー,マニュアルなどの関係や意味理解が必要

と改めて思った一週間でした

20180922-20180928を振り返る

 

【今週の一冊】

「教育幻想」 菅野 仁 著 ~第1回~

 

 

貴乃花親方が,日本大相撲協会を退職するという話題がありました

まあ,お家事情に口を突っ込みたくはないのですが,

この件を冷静に見ると,

事実を事実として明らかにしないまま,ペナルティなどの処分を下した結末

と,とらえることができるように思います

 

このようなことは,どこにでも起こっていると考えられるわけで,

その意味で,多くの学びがあるように思います

つまり,

 

 事実と評価・判断とを分けて考えることが大切だ

 

ということです

 

 

日米首脳が,協議入りで合意したという件も,

事実を明確にする必要があるのだと思います

 

トランプ大統領は,国連の場でも,自国中心主義であることを表明した

国際会議の場にすら,平気で遅刻するような態度を見せている

アメリカは,中国との貿易について,戦争状態にある

 

この3点の事実だけで判断することは容易ではないのかもしれません

しかし,少なくともトランプ大統領の姿勢は一貫している一方で,

あちこちで戦争を起こすのは,兵力分散の論理から考えても得策ではない

「友情」という言葉を使って,協議が終わるまで追加関税は発動しないとしていますが,

アメリカの姿勢・状況という事実をベースに考えた方が,評価がしやすいように思います

 

 事象や問題を,事実ベースできちんと把握してから,それとは切り分けて評価する

 

課題解決の基本だろうな,と改めて思った一週間でした。

20180915-20180921を振り返る

 

【今週の一冊】

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 新井 紀子 著 ~最終回~

 

 

日本に,このままいけば,9年間に及ぶ長期政権が誕生することになりました

周囲が不安定だと,どこかに軸を置きたいのも事実

それが,長期安定政権を求める心理的背景にもなっているでしょう

 

9年という期間が長いのか短いのか,は,なかなか評価しづらい面があります

何らかの実りを得ようとすると

少なくとも,種をまき,育て,刈り取る,というステップを踏む必要がある

刈り取りだけなら,すぐにでもできるものでしょうが,

種まき前の耕すところから始めなければならないとすれば,

その分時間はかかる

 

 石の上にも3年

 

ことわざというものは,それが理論的にどうなのかは別として

経験論としては当を得ているものなのかな,と思います

すると,何かをやろうとすれば,3年はかかるわけですが,

だとすれば,すでに2回の刈り取り機会があったよね,と言えるわけです

 

一方で,教育のようなものは,義務教育だけで9年

高校,大学,大学院,社会人教育・・・

実りを得るまでには長い時間がかかっているのも事実

 

だから,9年間の長期政権というのが,長いのか短いのか,は評価しづらい

 

 

ただ,短い時間で成果が出るモノでも,成果に長い時間がかかるモノでも,

間違ったことをやっていれば,刈り取りは遅れます

いくら努力していても,その成果が期待どおりでないのなら,

想定に対するギャップを見極め,課題を整理し,課題を解決していく必要があるわけです

間違った方向で努力しているなら,その労力はあまりにもったいない

それは,政治だろうが,経済だろうが,教育だろうが,同じこと

 

変わりゆく世の中ではありつつ,みんなが幸せになることが一番の目標

その目標に近づくためにも,

事実を把握し,課題を明確にし,課題を解決する努力は,誰もに求められることだ

と考えた一週間でした

20180908-20180914を振り返る

 

【今週の一冊】

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 新井 紀子 著 ~第3回~

 

 

世界で日本人スポーツ選手の活躍が際立つ週でした

テニス,大リーグ,サッカー・・・

いずれも皆さん若いのに,ものすごくしっかりしている

 

恐らく,努力を続けることができたこと,

挫けそうになったときにそれでも何とか乗り越えた経験などなど

目に見えないところでされてきたことが成果を生み,

それ以上に,人となりを創り出しているのだと思います

 

彼ら彼女らをスゴイなと思いますし,

「日本人」ということで(?),シンパシーを感じる部分もあるのは事実

しかし,彼ら彼女らは,彼ら彼女らでしかない

決して自分ではないわけですから,

自分を重ねすぎるのは,行きすぎ以外何ものでもないとも思います

 

 

彼ら彼女らを見て,学ぶべきことを学べるか,その覚悟ができるか

が,本当に大切なことだと思うのです

 

 彼ら彼女らが生んだドラマは,

 ある意味では退屈な日々のくり返しに,目標というスパイスを加え,

 日々の地道なトレーニングのくり返しに挑み,それを続けられた結果のはず

 

なのです

 

 

指針になるのは,彼ら彼女らの場合は,明確な夢や目標だったのだと思います

ただ,多くの人にとっては,夢や目標というものもおぼろげなものかもしれません

では,そのとき目標にできるものは何なのか?

それは,ラクをしたい,楽しいものでありたい,という欲求ではないか,と思います

 

ラクをする,というのは2種類あると思います

単に怠けるというものと,ラクをしたいから工夫をするというもの

でも,他者が必要とするものをやらない限り,対価を得ることはできないのですから,

怠けて対価を得られるわけではない 

とすれば,工夫していくこと,と,その工夫がうまくいくかの検証をくり返し続けることが

対価を得られるためにラクをするということではないか

 

他者のニーズがあるところ,そして,競争相手の少ないところを探すことが必要でしょう

その中で,勝つためのくり返しの努力をする

ラクをするためにくり返しの努力をする,という,何だか矛盾したような話に聞こえますが

実はそれが,生産性というものなのではないか,と考えられます

 

言われたことに対して1:1対応をくり返すだけ

必要な学びもせずに,工夫もしないのであれば,

いつまでたってもラクなんかできないし,ましてドラマを生むこともできない,と改めて思った一週間でした

20180901-20180907を振り返る

 

【今週の一冊】

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 新井 紀子 著 ~第2回~

 

 

大型台風が関西圏中心に大規模な被害をもたらし,

そして,今度は大地震が,北海道全域に,これまでにない被害をもたらしています

地域にお住まいのみなさま,どうぞご自愛ください。。。

 

このような自然の力,自然の摂理を前にしては,

人間にできることは限られています

予測に関する研究などは,これまでも多くの方々が挑んできてはいるものの,

芳しい成果は得られていない,と一般的な基準では言えるわけです

 

しかし,世も世なら大暴動かもしれません

「神様が,日本の政治に怒っている」と

もちろん,それが論理的であるはずがないのですが,

感情的には,そう思われている方も,少なくないのではないでしょうか?

(それは,実は私だったりしますが・・・苦笑)

 

本能や情緒,感情というものは,

それが論理的か否かは抜きにして,非常に強力な武器になりえます

そして,AIにはない武器でもある

AIは,誰かが教えない限り,人間の本能や感情を理解することもできないわけで・・・

 

 

このことは,私たちが今の時代を生き抜く一つのヒントになるのではないか,

と,私は思います

 

 自分の感情に目を向ける

 その感情を持ったのはナゼなのか,を自分に問う

 そして,解決の方法を考える

 

その方法が駄々をこねる,あるいはそれに近い方法しか浮かばないのであれば,

権力を味方につけるしかないでしょう

しかし,権力を味方につけることでさえ,何らかの努力は必要になる

 

 

そのようにして,実は人は自分の持てる能力を磨き,

本当の意味で他者というものと向き合っていけるようになるのではないか,と考えた一週間でした

20180825-20180831を振り返る

 

【今週の一冊】

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 新井 紀子 著 ~第1回~

 

 

貿易に関する各国の思惑がぶつかっています

米国がその力を最大限利用し,

真の流行語?とも言えるような「取引」を前面に出すのに対し,

各国が団結して対抗する,という構図

最終的な妥結点がどこになるのか,はわかりませんが,

いずれにしても,対立の関係にあること,

そして,各国が自国有利に導こうとしているのは間違いないでしょう

 

このような対立は,国同士の貿易に限らず,あらゆるところで起きています

あっちでくっつき,こっちで離れ・・・

いずれも,「生き残りをかけた闘いをしている」ということなのかもしれません

 

 

そのような闘いに勝つには,

己を知り,相手を知るのが鉄則

そして,味方を見極め,ライバルを見極め,敵を見極めることが重要になる

 

この一見当たり前のことが,実はないがしろにされている面があるかもしれません

 

不祥事にまつわるニュースが今週もありましたが,

これは,己を知らないがために起きているととらえることもできるでしょうし,

さまざまな協業等に関するニュースは,

味方でありライバルを見極められた結果である,とも言えるでしょう

 

 

では,時代の技術とも言えるAIは?

 

味方だ,敵だ,さまざまな意見があるようですが,

「そもそもAIって何だっけ?」 

何でもかんでもAIと称して報道されていたり,広告・宣伝に利用われているのも事実で,

それが,かえって混乱や動揺を引き起こしているようにも思うのです

 

語弊はあるかもしれませんが,

私はAIは,味方,もしくはライバルに相当するものだと思っています

そのような関係になるためには,これまた語弊がありかもしれませんが,

自分がある意味ではAIに認められるだけの力を持つ必要がある

とも思うのです

20180818-20180824を振り返る

 

【今週の一冊】

 「あらゆる小説は模倣である。」 清水 良典 著 ~最終回~

 

 

このサイトでは,

日々の出来事をピックアップし,皆さんに共有させていただいています

いくつかの視点でその記事をピックアップしているのですが,

その一つに,

 

 マネしたいもの

 応用したいもの

 

という視点があります

 

 

「業界の常識は,世間の非常識」

という言葉はよく聞かれるものですが,

業界ごとにさまざまな,良い面悪い面も含めた「特徴」があるものです

 

「これ,どうやってるんですか?」とお聞きすると,

ビックリするほど,スゴイことをされているのに,

それが当たり前になり過ぎていて,スゴイことに気づかない

良い意味でも,悪い意味でも・・・(笑)

 

今週取り上げている話題の中に

自社技術をそのまま販売してしまおう,という話題が含まれています

それは,その技術が優れているから,であるはず

良い意味でスゴイこと,なわけです(ただし,気づければ,ですが)

そして,その技術を買う他社側からすれば,

その技術をいわば「マネ」できれば,一気に課題解決できる可能性もある

 

一方で,マネしてはならないものもある

中央省庁や地方公共団体で行われていた雇用に関する問題などは,まさにその1つです

その内容は,厚労省が示すルールに沿った運用が行われていなかった,というものですが

一気に信用をなくすばかりか,目指す方向に水を差すものになりかねないわけです

つまり,マネしたら,その瞬間はラクかもしれませんが,将来に禍根を残すわけです

 

 

良いお手本は,

そのお手本をマネできるだけの土台はつくる必要がある

逆に,悪い手本は,

「安きに流れた結果」なわけですから,マネしてしまいがちだし,すぐに取り入れてしまえもする

 

そのようなマネをするということの特徴を十分におさえて

マネすべきことを積極的にマネし,

マネしてはならないものを瞬時に判断できるようになっていくことが,

「成長」ということなのかもしれない,と考えた一週間でした

20180811-20180817を振り返る

 

【今週の一冊】

 「あらゆる小説は模倣である。」 清水 良典 著 ~第2回~

 

 

終戦の日を迎えた今週,

世界に目を向けると,戦争の火種がくすぶっていたり,

大規模ではなくとも,武力での衝突自体はあちらこちらで起きています

武力ではない国同士の対立を加えたら,その数はさらに多いでしょうし,

まして,組織間,個人間での対立,争いごとは,日常茶飯事

人間の枠を超え,生物にまでその視点を広げれば,さらに多くの戦いは存在しているわけです

 

「競争」と言えば,もしかしたら聞こえは良いのかもしれません

でも,その競争は,不自然なルールの下で行われていることもありますし,

そのルールすら無視することもまかり通っている場合もある

AIやロボットも,いつの間にか競争相手です

敵が増えるばっかり・・・?(苦笑)

 

 

私は同じ「ありたい姿」を共有できる方々と仲間になって,ともに戦いたい

勝てば何でもいいという発想は持ち合わせていませんが,負けてもいいとは思っていません

もっとも,「何が勝ち負けなのか?」はあるわけで,

それが,「ありたい姿」なのかもしれないな,と思っています

 

そんな「ありたい姿」を実現するには,

 

 知恵が必要

 だから,学びが必要だ

 

と思うのです

 

 

私が言う知恵というのは,

「この●●は何か?」を問われたときにだけ答えられるような知識のことではありません

「ナゼ?」に答えられたり,「どうしたら?」に答えられたりすること

いわば,「自分なりに表現すること」を意味しています

 

この知恵を身につける最初の一歩は,

 

 良いお手本のマネをすること

 

だと,私は思っています。

赤ちゃんが成長の過程で,マネしながら,自分の能力を身につけていくように・・・

とすると,それより先に必要なのは,

 

 マネしたいような良いお手本を見つけること

 

でしょうし,

良いお手本を見つけるためには,やっぱり「なんとなくでもありたい姿を描くこと」だと思うのです

20180804-20180810を振り返る

 

【今週の一冊】

 「あらゆる小説は模倣である。」 清水 良典 著 ~第1回~

 

今週も,未来を予感させるさまざまな話題がありました
キーワードに当たるものは,やはり働き方であったり,新技術であったりするのだと思います

 

一方で,日本の製造業界で,新たに不正が発覚しました
日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題に,ボクシング協会の問題
さらにこの問題に,自民党総裁選を含む,日本の政治などなど
「なんだかなあ・・・」と感じる問題が,続々と明らかになる

 

このような対比の中で考えると,
少なくとも「未来」と「過去」とのギャップが大きくなっており,
これまでの社会基盤の「制度疲労」が目につくようになっているということだ,
ととらえられると思います

 

 まさに,時代の変革期

 

どこにそのリアリティを得るかは人それぞれとは思いつつ,
変革期であるという事実を,まざまざと,そしてリアルに感じるのです・・・(遅い?)

 


そんな時代で生き残るために,
やはり勉強は必要なのだと思います
勉強したもの勝ちの時代になっている

その時に学ぶべきことの一つは,マネること,だと,私は思います

 

マネして,基本を身につける
その中で,自分のリアルにしていくこと,

そして,その自分の経験を,新たな価値にしていくこと


変革期ということは,残念ながら乗り遅れるだろう人が出てくることも想像できます
自分のリアルは,乗り遅れ組の,格好の学びの材料にできるはずだから

ピンチはチャンスとは,そういうことなのではないか,と考えた一週間でした 

20180728-20180803を振り返る

 

【今週の一冊】

「7つの習慣」 スティーブン・R. コヴィー 著 ~最終回~

 

 

ボクシング協会の問題が世間をにぎわせています

300人以上が告発,

ある選手への助成金の他選手流用,会長への内部での過剰対応,疑惑の判定問題などなど・・・

多くの問題が指摘されているわけです

 

実はこういうネタも,勉強にはなる,と私は思います

それは決して,反面教師の役割だけではありません

 

このような事態になった背景には,

組織というものの性質があるように思うわけです

 

組織がある方向に向かおうとするとき,

その方向に向けて,一緒にやってくれる方が,当然ありがたい存在になる

一方で,それに抵抗する勢力が生まれることもある,でしょう

ある方向に向かいやすいよう,前もって準備する,整える・・・といったことをすれば,

当然「気が利く」との評判を得られることになるはず

一方で,その逆であれば,評価を下げることになる

 

ただ,ある方向に向かいたい人たちと,それとは別の方向に向かいたい人たち,との

2グループがいる組織があるとき,

その方向を決めるのは,その組織なわけです

2グループの言い分に,どちらが上,どちらが下,も,基本的にはない

その組織に属する人たちが,「どうしたいのか」,という意思の問題であり,

つまり,周りがどちらかを良い悪い言う問題ではない・・・

 

 

こういうことを考えるときは,話を単純化した方がいいと思うわけです

具体的な話のママだと,事の本質が明確にならず,論点がどんどんブレてしまうから,です

 

私がこの件で学びたいと思うのは,

組織をリードする人というのは,今と未来を見ることが必要だ,ということ

自分のために何かをやらない人はいないわけですが,

それが他者の今と未来のためになるのか,を,データや潮流も含めて考えること

 

まさに,「7つの習慣の視点が重要になる」と思った一週間でした

 

20180721-20180727を振り返る

 

【今週の一冊】

「7つの習慣」 スティーブン・R. コヴィー 著 ~第5回~

 

 

ソフトバンクの孫正義氏が,2050年にはAIが人間を超す,と語ったとのこと

どのような文脈でそれを語られたのか,は,わからないのですが,

文脈を無視して切り取られることもわかった上で,発言されている,と私は思います

 

シンギュラリティの話を持ち出すまでもなく,

これまで人がしてきたことの多くを,AIが取って代わるのは,間違いないでしょう

実際問題として,それはすでに起きているのですから

しかし・・・

 

経営者がAIに取って代わられることはない,と,これまでは言われていました

しかし,AIが採用・評価・研修などで用いられるようになるとのこと

そして,それを進めているのは,孫氏が率いるソフトバンク

そうと聞いてしまうと,ちょっとした(大分?)曲解をして,

「だったら経営だって同じでしょ」と,言いたくなってしまいます

まるで,自分だけが,あるいは,自分と似た人たちだけが,

「違う優位な生き物」と言っているかのようで,失礼だ,と

 

 

私は,人の評価や教育,と,経営に関してだけは,AIが取って代われない,と考えています

もちろん,そのすべてが,とは言いません

「測定の領域」や,判断に必要となる「正確な情報を出すこと」は,AIが取って代われるでしょう

その領域に限定すれば,客観的であるべきだ,とも考えています

でも,評価は違う,そして,判断も違う

 

評価や判断には,必ず,「意志」が込められるはず

それを「愛」と言うか,「成長を見守る教育の視点」と言うか,は,抜きにして,ですが

「評価の基準」というものは,経済的な効果だけで語れるものではありません

よって,非常に「恣意的なもの」が込められている,と思うのです

善し悪しは別として

 

たとえば,経済的に考えれば,これがもっとも儲かるとわかったとして,

それを採用するか否か,の段階では,意志が反映される

 

恐らく孫氏は,私が懸念するようなことは考えられていないのだろうと思います

しかし,そのような曲解をする方は,少なからずいるのではないだろうか,と思うのです

 

ただ,仮に曲解して構わない,ということであったとするなら,

それは,「孫氏の檄」なのかもしれません

「もっと,自分自身の意志を持ち,それを示せ」という叱咤激励

 

いずれであったとしても,

 

 自分の意志を持つことがもっとも大切だ

 

と,考えた一週間でした 

20180714-20180720を振り返る

 

【今週の一冊】

「7つの習慣」 スティーブン・R. コヴィー 著 ~第4回~

 

 

犯罪心理学によれば

多くの犯罪は「孤立」「孤独」が引き起こす,と言われています

「孤独死」が問題になる今の世の中であることを考えても,

孤独,孤立をいかに防ぐか,が,解決すべき非常に大きなテーマであることは間違いないと思います

 

そして,このことは,個人にだけあてはまるものではないでしょう

組織レベルでも,国レベルでも,それは同じことだと,私は思います

孤立した国がどうなるのか? そして,どんな行動にでるのか?

今の北朝鮮などを見ても,歴史を見ても,明らか・・・

 

 

そのタイトルを既に忘れてしまっているのですが,

「人は結局バカになるのでは?」というような本を読んだことがあります

 

  世界の偉人にあたるような方の考えや思想を理解させるために,

  それがわからない人に「一歩下がって」伝え,それでわかった人がさらに「もう一歩下がって」伝え・・・

  をくり返す,くり返さざるを得ない,ということは,

  「結局,バカになっていっているということでは?」

  進化人類学者にも手紙で質問したが,この仮説を覆すような納得できる回答は得られなかった

 

 

これを「バカバカしい説だ」とするには,やはり勉強が必要なのではないか,と私は思います

勉強というのは,決して教科の勉強をしようということではなくて,

失敗と成功とをくり返して,前に進むという経験をすること

言い換えると,リアリティを持った「実感を得ること」

 

孤独でなければ,孤立していなければ,リアリティを得られるような疑似体験をすることができる

それが,リアリティを持った経験に立ち向かう原動力になり,実際に経験することになる

経験すれば,そこからは多くの学びがあるのだから,「やはり賢くなる」

 

 

先日,とあるセミナーにお招きいただいたのですが,

そのセミナーに参加されていた方の多くが求められていたのは「事例」でした

論理的・理論的,だけではなく,そこにあるリアリティだ,ということ

 

 リアリティは価値を生み,

 リアリティを得るだけの体験をする勇気を持つには,仲間が必要

 

と,考えた一週間でした

20180707-20180713を振り返る

 

【今週の一冊】

「7つの習慣」 スティーブン・R. コヴィー 著 ~第3回~

 

 

西日本の自然災害は,甚大な被害をもたらしています

元の生活に戻るためのご苦労は,並大抵のことではないでしょう

その直後にこの暑さ・・・

熱中症や感染症などなど,本当に気をつけていただきたいと思います

 

 

人間の力というものは,

自然を前に無力と呼ばれる面があります

同じように,時代の流れは,

自然災害のように「一気にやってくるものではない」かもしれませんが,

抗いようのないものであることもまた事実でしょう

 

そして,風が吹けば桶屋が儲かるではないですが,

これだけ世界が意識せずとも近くなっていると

変えたことがどこに影響するのか,わからない

特に,自分が知らないこと,は,なおさらでしょう

 

それでも決断していくには,

陳腐な言い方ではありますが,勇気が必要だと思います

自分が動くにしても,動きに反応していくにしても,

それを選択すること自体も勇気が必要

決断を先送りすれば,先送りしたことの影響は避けられないわけですから

 

そんな勇気を求められる時代だからこそ,自分が迷わないためには,自分が目指す姿を思い描くことが大切だ

と思うのです

 

日本の政権がやることに対してはともかくとして,

米大統領が言い始めることに,私たちができることはほとんどないかもしれない

できないことに対して文句を言っていても始まらない

 

 そんなこととは関係のない自分の在り方を築くこと

 そういう意味で,目の前のこと一つずつ片づけていくことは

 自分自身の人生を豊かにすることにつながるのではないか

 

と考えた一週間でした 

20180630-20180706を振り返る

 

【今週の一冊】

「7つの習慣」 スティーブン・R. コヴィー 著 ~第2回~

 

 

関東は,梅雨明け宣言前後に猛烈な暑さの後,梅雨に戻ったような天気

西日本では,大雨で,浸水・冠水被害が多発しているようです

本当に,みなさん,お気をつけて

 

なのですが・・・

何をどう気をつけたら良いものなのか,は,なかなか具体的にお伝えすることができません

それぞれのご事情があり,それぞれの状況があり,

その場にるわけでもない自分に今,できることもないですし・・・

いや,できることはあるのかもしれませんが・・・

 

そのような状況は,今,私には起きていないわけですが,

いつ起きるか,は,わからない

誰もが経験する可能性もある

 

今,私の友人は,出張で岡山に出かけ,

それが故に,ホテルで缶詰めになっている,というようなことを考えると

どこで起きたから,というのも関係がなさそうです

 

 

そんな状況のときに発揮される力,発揮したい力って何だろう?

と考えると,私は2つの力が何よりも大切で,磨いておきたい力,と思うのです

それは

 

 主体性を持つこと

 決断力を持つこと

 

自然の力で起きることなので,それ止めることはできないわけです

もちろん,少しずつ,できることはあるとは思いますが,

今,そのとき起きていることに対しては,どうにもならない

 

それでも「いざ」というときに「行動する」には,行動するだけの準備が必要で,

それって実は,日々の生活の中でも養える力なのではないかな,

そう考えた一週間でした

 

201800623-20180629を振り返る

 

【今週の一冊】

「7つの習慣」 スティーブン・R. コヴィー 著 ~第1回~

 

 

本来的には今週のトピックではないのですが,

既にみなさんがご存知なので,今回はサッカーW杯ネタで・・・

 

日本が一次リーグを突破しました

が,ポーランド戦の戦い方に,賛否が飛び交っているようです

私は感情的な面とビジネスライクな面との2面からで賛否が真逆になってしまう立場です

 

プレイヤーとして純粋にスポーツと向き合ってきた経歴を持つ自分としては

もうこれからサッカー観るのをやめようかと思うぐらい,正直あの戦い方は大反対です

 

しかし,ビジネスライクに,論理的に考えたときには,大賛成

一次リーグを突破したときの「少なくとも1試合多い」という意味での効果や

「歴史に残ること」が長い目で見たときの日本のサッカー界に与える効果と,

大会前のゴタゴタ含め,今のチームと目の前にいる敵との力の差も含めた確率

一次リーグ突破という目標を達成するとかしないとか以上の大きな目標がそこにはあるからこそ,

選択できた戦い方(というよりは,一次リーグ突破の方法)だった,と私は思います

 

 

物事はさまざまな見方ができると思っています

悪いことは良いことにもなりえるし,弱みは強みとしてとらえることもできる

また,ピンチはチャンスととらえることもできます

要は,とらえ方次第でどうとでもなる

 

ただ一つだけ言えることは,

「自分は変わることができても,他者を変えられるかどうかはわからない

自分が何もせず,他者が変わってくれることだけを期待しても,それはほぼほぼ叶うものではない

他者が変わることを期待して,自分が働きかけることはもちろんあるわけですが

<自分が働きかける>というアクションを取る形で,自分を変えることが出発点となっているわけで,

それで他者が変わらなくても,自分が起こしたアクションに対する学びはある」

ということ

 

 

ホンダの二足歩行ロボットの開発が打ち切られることになったそうです

一方で,「そこで培われたノウハウは,さまざまな商品・サービスの実用化に向けて応用される」とのこと

その言葉はキレイですが,実際開発に携われて来られた方々にしてみたら,

たまったもんじゃない,という面もあるのではないかと思うのです

そして,このことを,私は実は今回のポーランド戦と同じように見ています

 

その機会をピンチにするのか,チャンスにするのかは自分たち次第

やっぱり主体性と覚悟が必要なのだと思った一週間でした

201800616-20180622を振り返る

 

【今週の一冊】

「さらば白人国家アメリカ」 町山 智浩 著 ~最終回~

 

 

政府の今年度の財政運営の基本方針が示されました

これは国の今の時点での頭の中なので,きっちり押さえておきたいと私は思っています

 

今回重点対策事項になっているものの1つは,人手不足対応です

「機が熟したから」とでも言えるのか,

外国人就労や高齢の方の雇用拡大といった具体策が示されています

 

ただ,私は既に内定率7割とも言われる学生の方々はじめ

若い世代の方々への学びの動機づけの方が重要ではないか,と感じています

それは,学校で勉強する中身そのものというよりは,

 

 自然の摂理と人工的なものの違いや,人口・歴史・文化など背景が及ぼす影響などの不変的なもの

 今の時代,あるいは移ろいゆく流行や時代の潮流,

 それら大きく2つのこと組合せ,「風が吹けば桶屋が儲かる」話をつくる論理

 そして,

 「学ぶとはどういうことか?」を実感レベルで身につけること

 

を学ぶことへの動機づけ

 

 

企業さん向けに,あるいは,学生さん向けに,実際に教育をするといった経験をする中で感じるのは,

 

 みんな良いものを持っているのに,

 磨き方を教えられていないことが多い

 

ということ

 

その背景には,

一時期に比較すれば圧倒的に緩和された学力競争があるのかもしれません

さまざまなものの「やることだけ」がマニュアル化されて,

背景が削られた会社業務(というより作業)があるのかもしれません

企業においては,「そもそも,ナゼそれをやる?」の語り部もいなくなっていることにあるのかもしれません

 

いずれにしても,

受け入れる企業側に磨き方を教える余裕がない,そもそもその能力もない

何かやれば,ハラスメントにもなりかねない ← これは半分冗談!

 

 

社員を育てるしくみを作るという意志も,経営自ら持たれた企業を支援させていただいています

そういう企業が,働く方にとって良い会社だ,と私は思います

ただ,

そういう企業は相対的には少ないよな,と,トランプ大統領を見て思った一週間でした

201800609-20180615を振り返る

 

【今週の一冊】

「さらば白人国家アメリカ」 町山 智浩 著 ~第2回~

 

 

史上初開催との触れ込みの米朝首脳会談が開催されました

その成果をどうとらえるのか? 評価するのか? は,

事実の客観的な把握,そして,誰にとってなのか? という視点が欠かせないでしょう

日本にとってその意味は? 影響は? そして,私たち一人ひとりにとっては?

 

 

私たちは報道されたことを事実ととらえがちですが,

何らかの報道は,評価の上に成立します

とすると,少なくとも「声明文」なりをきっちり読むことが,まずは評価の第一歩になると思います

もっとも,「声明文」すら疑う必要もあるのですが・・・翻訳だし・・・(^-^;

 

トランプ大統領と金委員長,

どちらのことも本当のところは良く知らないがために

その直接的な情報を得ようとして私たちは報道に依存しやすくなるわけですが,

直接的な情報以前に,やはり各国の歴史や文化といった背景を知っておくことが,

評価にあたっては大切になると思います

ナゼ北朝鮮という国があるのか,ナゼ在日・在韓米軍があるのか?

このあたりは最低限押さえたいところではないでしょうか

 

 

この話に隠れて,今週,大きな,注目しておきたい話題がありました

サッカーワールドカップではありません

それは,欧米の財政政策です

これで,金融引き締めに向かっていないのは日本だけ

リーマンショックの影響が実は最も少なかったとも言われる日本が,です

 

東日本大震災などの影響がないとは言いませんが,

それよりもこの意味するところは,

目先のことばかり,で,戦略的な動きを取れなかった日本,という国の現状でしょう

 

トランプ政権の動きも踏まえ,

考えなしの対米追従からの脱却を,

アメリカという国の本質を理解した上で検討することが本気で必要なのでは?

と改めて考えた一週間でした

201800602-20180608を振り返る

 

【今週の一冊】

「さらば白人国家アメリカ」 町山 智浩 著 ~第1回~

 

 

とある国立大学さんで,講義をしてきました

講義アンケートによれば,「もしかしたらこれまでで一番よかった授業」

などというお世辞を言ってくれた学生もおり,良かったなあ,と思っています

まあ,それなりに準備が必要でしたけど・・・(^-^;

 

私が講義をしたのは,「評価論」の一コマ

先週も書きましたが,人は評価することなしに生きることはありません

世の中評価だらけ,と,言い換えてもよいぐらいかもしれません

教育という領域を狭めた上での講義ではあったものの,

そのエッセンスは,世の中を生きる上で行う「評価」でも,もちろんあてはまるものだと思います

 

評価を行うときに大きなポイントになることの一つに,「情報量の問題」があります

実際,講義の中でも,情報が一つ増えるだけで,

学生の,自身が行う「ある課題への評価」が,あっちへ,こっちへ,と,

本当に変わる様子が面白くもあったのですが・・・(笑)

 

 

今週は,アメリカVS各国,という出来事が多かったと思います

では,私たちはアメリカの何を知っているだろうか?

トランプ大統領の「判断の背景にあるもの」を知っているのだろうか?

という疑問が湧きます

 

一方でトランプ大統領は,極端な話,たった1%しか肯定していない情報を用いて,

交渉に臨んでいる,と言えるのではないかと思います

「都合の良い情報」と言ってしまえばそれまでですが,

「その都合の良い情報を信じている人がどれぐらいいるのか?」を考えると,

アメリカ国民の1%とは言えないはず

それどころか,相当数が,トランプ氏が言っている情報を信じていると思われます

これは,FOX視聴者の9割が共和党寄り,そして,トランプ大統領支持者の7割がFOX視聴者

という1つの情報からも,想像することができるわけです

 

 

やはり私たちは,もう少し情報を入手する必要があり,

また,その情報を深く考え,理解する必要があるように感じます

 

VSアメリカの構図があるのですから,

一つ,情報として入手し,理解を深めるべきはアメリカなのではないか,

と考えた一週間でした

201800526-20180601を振り返る

 

【今週の一冊】

「はじめての森田療法」 北西 憲二 著 ~最終回~

 

 

来週,とある国立大学さんで講義をします

担当させていただくのは「評価論」

評価というと,どうも「裁く」面に注目が集まりがちですが,

実際に重視される視点は複数あり,その一つに,「将来に向けて,どう活かすのか」というものがあります

 

今週の大きな話題になっているものに

元財務官僚の不起訴,アメフト悪質タックル,米国の動きと各国のリアクションなど多数ありますが,

それらは,「冷静に」評価することも必要だと思います

もちろん,私も感情的に思うことはたくさんありますけれど・・・(^^;)

 

 

不起訴問題の発端は,言わずもがなの森友学園問題ですが,

この件,もう1年以上も前に発覚した話題ですし,「この結末」は予想されたことだと思います

では,この1年の間に,与野党問わず,政権,官僚含め,政治は何をやっていたでしょうか?

「かけ声」はもちろんありましたし,大臣陳謝などもありました

一方で,「この結末」は,この手の問題で「政治家や官僚が刑事訴追できない」という前例を作りました

つまりこのままなら,この手のことは今後も政治の世界では起こり続ける,と容易に想像がつくわけです

 

仮にこの問題を本当に「問題視」したいのであれば,

刑事訴追できるしくみをつくることが重要で,いち早く着手すべきことなのです

着手していない,ということは・・・・

これが,「将来に向けて」という評価論の視点からの「冷静な評価」です

 

アメフト悪質タックル問題は,当事者選手の会見,元監督・コーチの会見,大学の会見なども通じ,

まだまだ予断は許さないものの,起きた問題に対して再発防止の方向に進んでいっている

というのも,「言われるまま」ではダメで,「自分たちが考え,行動せねばならないのだ」と,

相当数の方々が,「実感レベル」で理解したから

感情的なものは抜きにして,これが冷静な評価,でしょう

 

 

評価論の考え方は,今後,確実に必要になります

AIが,どんなに精密な予測をしようが,両立不可能な事案は出てきます

そのとき,どれを選択するのか,筋を通して行うことは,人間にしかできません

 

 

文系・理系のような分け方をするのは好きではないので,あえて取り上げるのですが・・・

昨今は,理系人材を重宝する傾向があるそうです

確かに理系人材と呼ばれる方々が,一般的に持っているだろうと思われている能力は,必要ですし,

それが求められるのも当然のことだと思います

 

では,文系人材は不要なのか? と言えば,そんなことはないとも思います

文系人材が持っているだろう能力の一つが

 

 評価論に基づく判断力

 

だと,私は思うから,です

 

評価論の考え方自体は,決して難しいものではありません

しかし,それを「実感」を伴うレベルで理解すること,また,使えるようになるには,相応の訓練が必要です

それが育まれているのがいわゆる文系人材のはず

そう考えた一週間でした

201800519-20180525を振り返る

 

【今週の一冊】

「はじめての森田療法」 北西 憲二 著 ~その3~

 

 

今週は,国内外ともに,大きなニュースがありました

米朝会談の延期発表は,その大きなニュースの一つであったことは,

為替の値動きを見ると明確だったと言えます

 

EUで新しい個人データの規制が始まりました

予定されていたもの,だったにも関わらず,各国・各社の対応が遅れていたようで

相当の混乱が見られているとのこと

これも,為替の値動きを見ると,なるほど,事実のようだ,と考えられます

 

日本国内のニュースは,

相変わらずの加計・森友・日報に加え,アメフト悪質タックル問題

「いい加減にしろ!」と,「感情的には」,さまざまな意味合いで使いたくなりはしますが 

こちらは世界的には何か影響を与えるような問題ではないようで,

目立った数字の動きは,正直なところはありません

だから,実際には大したことのない問題だ・・・?

 

 

物事・出来事には,さまざまな側面があります

そして,さまざまな見方ができます

1つのコインがあったとき,表を見る人もいれば,裏を見る人もいるでしょう

色に注目する人も,大きさに注目する人も,模様に注目する人もいるでしょう

 

同じ物,同じ出来事であっても,その見方やとらえ方は人それぞれ

そのこと自体には,正解も不正解もありませんが,そこには,「感情」というものが加わります

 

感情的な記憶は,物事,出来事以上にインパクトを与え,後々まで影響するものでもあります

何が原因で嫌になったか,は,忘れてしまっても,嫌であるという感情をずっと持ち続けることがあることは,

多くの方が経験されているのでは? 

 

 

さまざまな見方ができること,一方で感情を抜きにすることは非常に難しい,という事実を

冷静に理解することが大切だと思います

その上で,

 

 自分の物事の見方のクセ,感情のクセ

 

を知れば,少なくとも,自分の人生を自分でコントロールしやすくなるのではないか?

そんなことを考えた一週間でした

201800512-20180518を振り返る

 

【今週の一冊】

「はじめての森田療法」 北西 憲二 著 ~その2~

 

 

このまま技術開発が進むこと,を前提にすると,

化石燃料を使う,使わない,は別にして,世界の最も大きな課題の一つは,エネルギー確保という問題でしょう

あらゆる新技術と呼ばれているものが電力を必要とします

この供給が止まれば,なーんにもできなくなってしまいます

 

2065年には8800万人になると推計されている日本の人口

人口がこれだけ変動するということは,

そこで減るもの,増えるものがあるということだ,ということは

それが何かは別として,誰もが考えられるでしょう

 

つまり,相当な確度で予測ができる将来,未来,はあるわけです

未来を予測する,というよりは,

むしろ,「今というものの,角度を変えた見方」というだけなのかもしれません

 

 

これらは,対策ができるもの,でしょう

「わからないもの」に対策をするのではなく,「わかるもの」に対策する

もちろん,その対策自体が良いものかどうかはわかりません

だから,対策自体の良し悪しは都度検証タイミングを明確にし,代案を導入できる準備をしておく

議論を進めるとは,そういうことなのではないか,と思います

多数決は,その手法として使えばよくて,小数派の案は,捨て去られるのではなく,代案として生きる

 

もちろん,これをやるには,目指す大きな方向,実現したい未来像は必要です

競争は避けられないといったことも含めた自然の摂理と,事実に基づく,

単なる願望ではない現実的な未来像が

 

国や,企業などの組織に止まらず,個人も同じように考えれば,

できることはたくさんあるのではないか,と思います

 

2度の脳梗塞を患い,麻痺の後遺症が残る中でも歌手活動を続けていた西城秀樹さんが亡くなりました

麻痺のある自分を受け入れる以前に,必ず訪れる自らの死という将来を受け入れ,

その上で,自分の現実的なやりたいことを明確に持ち,

その実現に向けて,自分ができることを日々やり続けた

 

 自分の将来と現実を受け入れ,その上で実現したい自分があったから,

 ステージに立つことにこだわれたのかな・・・

 プロフェッショナルってそういうことかも

 

と考えた一週間でした

201800505-20180511を振り返る

 

【今週の一冊】

「はじめての森田療法」 北西 憲二 著 ~その1~

 

 

イラン核合意の離脱に米朝会談,米中貿易摩擦・・・

各地域の安全保障上の問題について,世界はトランプ大統領に振り回されている印象です

地理的にリスクのある地域から遠い場所にあるアメリカという国が

これだけの影響力を発揮できる,ということは,

それだけ世界がアメリカの軍事力に頼ってきたという現実が背後にあるのだと感じます

 

このような状況を踏まえた時,

日本は自国の安全保障をどう考えるのか?

さっさと検討しないととんでもないことになるのでは?

と思うのですが・・・

 

そんな中で,国会は2週間以上も空転

加計問題で野党は審議に応じず,

経済と安全保障の両面で効果を発揮できそうなTPP関連法案の審議も進んでいません

要求し実現した「参考人招致」で,追及もしきれない

要求するなら「それなりの成果をもぎ取る覚悟」でやってもらいたいもの

理想は理想としていいのですが,現実とはギャップがあるもの

現実的に「できること」に目を向けて,「地に足着いた行動」が必要だと思います

(まあ,それが「参考人招致」を要求し続け,国会審議を空転させることだけだったのかも・・・ですが)

 

 

それは,個人も同じことでしょう

自分ができること以上のことは残念ながらできません

それでも,

 

 自分ができることはたくさんある

 

と私は思います

 

 

今週も,未来が想像できるさまざまな話題が提供されています

そのときのための準備,

少なくとも世の中で起きていることで,自分の将来に影響することをピックアップすること,

そして,今の自分ができること,言い換えれば自分の強みや良さを見直すことは,

誰でもができることだ,と思うのです

 

 自分の影響力が及ばないことに時間をかけるより,

 自分自身に影響を与えられることを一つずつでもやっていくことが大切

 

と考えた一週間でした

20180428-20180504を振り返る

 

【今週の一冊】

「不機嫌な職場」 河合 太介/高橋 克徳/永田 稔/渡部 幹 著 ~最終回~

 

 

盛者必衰の理,とはよく言ったもので,

どんなに栄えたものであったとしても,終わりの時は必ず来る

 

ギターの老舗の経営破たん,体操の内村選手,イチロー選手・・・

絶対的な王者であっても,憧れの存在であっても,それはあてはまるわけで,

そのときをどう迎えるのか,が,非常に重要なのだと思います

 

時代の変化は非常に激しく,

昨日までの敵対関係が,急転直下の融合・統一というような話は日常茶飯事なわけで・・・

 

 

その時の迎え方にはいくつかの方法,つまり,準備の方法があると私は考えています

一つは,変化を無視する

いわゆる抵抗勢力になる,というものです

まあ,この先長くない方は,それでも良いのかもしれませんけれど・・・

 

次に考えられるのは,変化の波に次々に乗っていくというもの

流行をどんどんとらえていくような方法,ですね,サーフィンをするかのように

 

3つ目は,時代に影響されない力をつける

自然の摂理や本来あるべき姿は変わらないのだから,

ときどきの対処は必要にしても,「大目標」とでも言うような方向を見失わず貢献できる力をつける

 

 

私自身は抵抗勢力にはなりたくないですし,流行をとらえていくような天才肌でもありません

必然的に3番目の方法を選択するのですが,

それでも決して消去法でそれを選択しようと思うわけでもありません

むしろ,仮に天才的な能力があったとしても,同じ道を選択します

抵抗するときは,大きな方向と異なるときか,覚悟を見極めようとするときだけ

 

イチロー選手の道の作り方,は,参考になるなと思いました

メジャーリーグでも異例というような内容での契約を結ぶそうで

自分という価値の使い方を,自ら作りだしているとでも言いますか・・・

 

その道を拓くための時間の使い方

日々の忙しさ,目の前のことだけではなく,

1日10分でも,将来に向けた準備の時間をつくることは,

自分自身の人生を生きるうえで大切だ,と考えた一週間でした

20180421-20180427を振り返る

 

【今週の一冊】

「不機嫌な職場」 河合 太介/高橋 克徳/永田 稔/渡部 幹 著 ~その1~

 

 

日本では国会が空転しています

それぞれが,それぞれの立場や,「全勝」にこだわり続けることで

すべての動きが硬直化してしまう

その典型のような状況を,日本の政治は創り出しているように感じます

 

一方で世界に目を向けると

昨日,朝鮮南北首脳会談が開催されています

アメリカは,中国への圧力を強める他,さまざまな譲歩を引き出そうとしています

EUはそれでも理想を掲げ続けています

局所局所の動きに課題はあっても,前に進もうとする意志がそこに見えます

 

また産業界に目を向けると

統合・融合・連携・連合のような動きが,

単にそれぞれの弱みなどを補い合うものばかりではなく,

ライバル関係にある企業の間でも進んでいます

 

 

もちろん,どう転ぶか,はわかりませんし,必ずしも良いことばかりではないでしょう

それでも,「そもそも目指していること」を達成することが大切なら,

その過程での多少の「負け」は,どうでもよいことだ,と思うのです

 

それは,私たち一人ひとりにとっても同じことでしょう

揚げ足取り,足の引っ張り合いをやっている間に

最も貴重な「時間」というものが失われていきます

人生100年になったところで,時間が有限であることに違いはありません

お金は増やせますが,時間はどんどん失われる・・・

 

「しかけ」が必要でしょう

しくみや理論があっても,実践できなければ意味がない

でも,それは誰かにそれを頼るものではないだろう,と思います

 

自分でしかける方が,圧倒的にキツイだろうけれど,圧倒的に楽しいよな

そんなことを考えた一週間でした

(ちなみに,国会空転解消のしかけは,「議員さん,働かなければ,報酬返納」,が第一弾かなあ・・・笑)

20180414-20180420を振り返る

 

【今週の一冊】

「無印良品は、仕組みが9割」 松井 忠三 著 ~最終回~

 

 

財務次官のセクハラの問題が大きく取り上げられています

もちろん,この問題自体はとんでもない話ですし,財務省の対応も問題でしょう

昨年から海外で起きていた「Mee Too」運動を他人事だと思っていた,としか考えられない

しかし・・・

 

 

私はこの女性記者を守るしくみを持っていなかった組織の罪も相当大きい,と思います

犯罪はいけない,いじめはいけない,ハラスメントはいけない,と言っても

実際に過去にあったことはわかっていますし,現実問題としてそれらはなくなっていません

「相応のリスク」が,この次官の問題だけではなく,その現実からも想定できていたわけでしょう

にもかかわらず,個人を守るしくみを持っておらず,この女性記者にセクハラ被害に遭わせてしまった

ましてその組織は,「Mee Too」運動や「自衛隊イラク派遣問題」を報道していたメディアです

 

 「非戦闘地域」と建前上している場に,無防備のまま,たったひとりで送り込んだ

 

自らの組織の認識などを含めたいろいろな甘さ,勉強不足などには何も触れず,「事後の厳重抗議」では,

その姿勢に疑念を持たざるを得ません

で,どうするか・・・

 

 

しくみがないのなら,まずはしくみをつくるところからなのですが,

よくよくみると,法制度などを中心に,全体としてのしくみはそれなりにあります

しかし,全体のしくみがあるだけではモノゴトは解決しない,だからうまくいっていない

そのような時に必要なのは,陳腐かもしれませんが,

 

 しかけをつくること

 自分事にすること

 

だと私は思います

 

 

今週も,感情的にはそれこそ残念なニュースが多かった

でも,それは「変えていけば良くなるチャンスだ」ということ

これだけのチャンス,逃す手はない! と思うのです

「しかけのアイデア」は,「自分事」になれば,自分オリジナルのものが考えられるはず

一人1個考えても,日本だけで1.2億以上ものオリジナルな「しかけのアイデア」が出せます

 

同じように身近な課題をとらえれば・・・

おー,ワクワクします

身近な課題を,仲間と解決していけるのですから!

20180407-20180413を振り返る

 

【今週の一冊】

「無印良品は、仕組みが9割」 松井 忠三 著 ~その1~

 

 

信用,信頼というのは,個人で仕事をしている私にとっては,本当に重要な問題です

それを築くのは,ものすごく大変ですし,

日々の仕事はほとんどすべて,この信用,信頼のためにしている,と言っても言い過ぎではない,です

その信用,信頼に見合った仕事をすること

それが私のスタンスでもありますし,私のやりたいこと,でもあります

 

一方で,信用・信頼は,一瞬で崩壊することも理解しています

あえて表現すれば,

「前向きな理由」だけでなく,「後ろ向きの理由」でも,信用,信頼に応えたい,わけです

 

 

そのような信用,信頼を軽視する風潮があるのでしょうか?

ここのところ起きている国内外の出来事は,

残念ながら,そう感じざるを得ないものがあります

お金でさえ,本質的には信用で成り立っているものなのに・・・

 

では,どうするか?

対症療法的には,ゲーム理論を使うこと,だと思います

「裏切られた時だけ,しっぺ返しの行動をとる」ということ

裏切られることを前提で生きる,と,言い換えられるかもしれません

 

 

私が考えたいのは,信用・信頼を大切にできるしくみとしかけをつくること

一つには,技術利用があると思います

文書改ざんで言えば,ブロックチェーンの技術利用などで,しくみ化も,しかけづくりも,できる

打ち合わせの音声録音というものも,あるでしょう

しかし,それって,ただ監視強化しているだけでは?

 

以前の勤め先の上司が,「性弱説」という言葉を使われていました

人は,本質的に弱い生き物だ,ということ

それを前提にしたらどうなるか?

 

みんなに信用されている,信頼されていると感じられている方が,

裏切ることはできないでしょう

だから,もう一つ有力な方法として考えたいのは,

一人ひとりが信用されている,信頼されている関係の中で

生きていける場をつくること,そのようなしかけのある場をつくること

 

求められるのは知恵,であり,みんなの力だ,と強く思った一週間でした