20180401-20180406を振り返る

 

【今週の一冊】

「残酷すぎる成功法則」 エリック・バーカー 著 ~最終回~

 

 

4月になりました

学校は新学年を迎え,企業も新年度を迎えたところが多いことでしょう

夢と希望を持ったフレッシュ・パーソンが,その夢と希望を大きく育てていけるといいなあ・・・

そんな世の中だといいのですが・・・

 

 

省庁も年度の切り替えタイミング

ということで,さまざまな制度が施行のタイミングでもあります

当然ながら,変わらないものもあるわけですが,

変わらないもの,というのは,意思を持って変えない選択をすることが大切なはず

 

もう一つ意思を持って行いたいものに

やらないことを決めることがあると思います

新しくやりたいこと,やるべきことが出てきたなら,捨てるモノをつくらないと,溢れてしまいます

人には1日24時間しかないのですから

 

政治のことを含め,世の中で起きていることについて,

「やることやれ」「変えなくてはならないものを変えろ」「守るべきものを守れ」

と言いたくなることは,今週もたくさんあったわけですが,

それを言っていても始まらないのも事実

 

新年度だから,というわけでもないですが

 

 個人レベルでは,意志を持ってやっていこう

 

そう思った一週間でした

20180324-20180330を振り返る

 

【今週の一冊】

「残酷すぎる成功法則」 エリック・バーカー 著 ~その3~

 

 

世界で主導権争いが激しさを増している状況です

技術革新が,世界を変えようとしている中で,

新たな秩序の「しくみを作ったところが最大の利益を得られる」

 

アメリカにしても,北朝鮮にしても,中国にしても,ロシアにしても,EUにしても,

主導権確保や既存体制の維持など,その思惑の違いはあるものの,

来る新しい秩序の時代に向けて,どう自国の強みを活かせる自国有利のルールを作れるか,戦略的に動いている

はてさて,日本は?

 

強みというものは,なかなか自覚しにくいものですが,

日本の強みとは何だろうか? と考えようとすると,

「あれ? 何だっけ?」

どんなルールになっていたら,日本有利でモノゴトを進められるのか?

 

一方で,弱みは比較的自覚しやすい

人口減に超・超高齢化,財政の問題,食糧・エネルギー問題・・・

しかし,「問題」とされているものに目を向けると,それをカバーしている方法があるわけで,

弱みをカバーしているのだからそれは強み,と,とらえなおせるのではないかと思います

 

 

同じことは,一人ひとりにおいても一緒でしょう

自分の弱点は,比較的思い浮かべやすいものですが,それでも何とかやっている

それでも何とかやっていっていることが強みだとしたら,

それを活かせるルールであった方が,有利なのは明らかで・・・

 

弱点への対応は必要なのかもしれませんが,

そこに目を向け過ぎず,強みを活かしたルールづくりに貢献することが戦略というものかな,

と考えた一週間でした

20180317-20180323を振り返る

 

【今週の一冊】

「残酷すぎる成功法則」 エリック・バーカー 著 ~その2~

 

 

ロシア,中国,韓国,そして,アメリカ・・・

世界中の各国指導者と呼ばれる人たちが,それぞれ国内体制固め,自国最優先主義に動き,

国際秩序と呼ばれているものが揺らぐ中で,日本は大混乱の様相を呈しています

そして,その戦略自体のもろさをも露呈している状況と言えるのかもしれません

 

そもそも政治は,人々が,それぞれの幸せを追求することを支援するためにある,

というのが大義ですが,どうもそうではないらしい・・・

あまりに悲しい現実ではありますが,そのような状況だからこそ,

一人ひとりが自分の幸せをつかむために,自分の人生や,それにまつわるさまざまなことと,

 

 どう向き合うかを考えるチャンス

 

のようにも思います

 

 

3月22日は放送記念日だったのだそう

NHKが,報道とフェイクニュースとの関係に関する番組を放映していました

ソーシャルメディアに,強烈な拡散能力があることは,事実でしょう

だからと言って,ソーシャルメディアで拡散される情報が,すべてねつ造であるわけでもない

また,既存メディアの報道が,必ず正しいなどということもない

当局が発表している情報ですら,必ずしも事実ではないことは,森友学園問題からも明らかで・・・

 

とすると,私たちに求められるのは,まずは,

 

 「100%信じたり,100%疑ったり,しないこと」

 「信頼関係に基づく,本物のネットワークを確保すること」

 

ではないかと思うのです

 

 

ウーバーテクノロジーズが,米国での実験で歩行者死亡事故を起こしました

もちろん,この事故が起きたのは,非常に残念なことですし,ご遺族にしたらたまらないものかもしれません

技術的にまだまだ改善余地はあるでしょうし,運用面でのルールを含めた整備はもっと必要

また,TOTALで人間が起こすよりも事故率が高いというのでは,話にならないでしょう

日本の各種報道は,「自動運転は,まだまだ悪」的なものが大半のように見えます

ですが,この技術の目的は,車という乗り物を100%事故が起きないものにすること,だったのでしょうか?

映像を見る限りで言うと,人間が運転していたとして事故を避けられたとはほとんど思えず・・・

 

とすると,私たちに求められるのは,

 

 「メリット・デメリットの見極め能力」

 

だと感じます

 

 

大きな変化が起きているのは間違いありません

だからこそ,自分ファースト,つまり,自分を忘れず,自分視点で「考える」ことを出発点することが大切なのではないか

と考えた一週間でした

20180310-20180316を振り返る

 

【今週の一冊】

「残酷すぎる成功法則」 エリック・バーカー 著 ~その1~

 

 

今年もサクラ(ソメイヨシノ)が開花し始めました

まさに「春」と言いたいところですが,「春,通り越してない?」

毎年の花粉は相変わらずですが,やはり日本から四季がなくなりつつあると感じます

 

一方で,政治の世界は極寒

まさか1年もたって,森友の文字を打つことになるとは思いませんでしたが,

政治家の方々,官僚の皆さんの間では,「佐川問題」という名で,この話題を取り上げているようです

「忖度」は,去年の流行語

いい加減,前に進みたいところではありますが,そうとばかりは言っていられそうにありません

 

 「ナゼ,公文書の改ざんが行われたのか?」

 

指示があったにせよ,なかったにせよ,

しくみや制度・関わった人・組織風土,時流などなど,さまざまな要因が重なっていると判断するのが妥当でしょう

とすれば,特定の個人の問題にすべきではないでしょう

まあ,国民がバカにされているのは間違いない,でしょうけど・・・(苦笑)

 

自分たちにひきつけて考えると,

まずは政治に対してどんな行動をとるのか? どんな態度で臨むのか,を考えておく必要がありそうです

ひとつには内閣支持ですし,ひとつには将来必ずある選挙に対してです

仮に政権担当政党の交代を考えたとき,その準備ができている政党があるのだろうか,という点

場合によっては,第3勢力がキャスティングボードを握れるように,という考え方をしていくことも大切でしょう

ゲーム理論を持ち出せば,「裏切られたら一度は報復する」のは,長い目で見た時の最強の戦略です

 

もうひとつは,改めて,自分にとっての幸せ,生きる意味を見つめる,ということ

仮に政治家の指示なしに,官僚が動いたのだとすれば,そこに自分にとっての生きる意味があったのでしょう

 

 自分にとっての成功をイメージし,それに向かって行動する

 

政治家の方々や,官僚の皆さんにバカにされないためにも(?)

自分らしい成功イメージを持って(=信念をもって),それを目指して,自分の人生を自分の足で歩く

パラリンピックで,感動を与えるアスリートのみなさんのように

大切なことって,そういうことなのではないかと考えた一週間でした

20180303-20180309を振り返る

 

【今週の一冊】

「ブロックチェーン・レボリューション」 

 ドン・タプスコット/アレックス・タプスコット 著

 

 

デジタル通貨の一種の交換取引所7社が,一斉行政処分されました

この通貨,特定のコミュニティの中でのみ取引できるもの

要は,コミュニティ内での信用を土台にしたもの,です

 

もちろん,この通貨が拡大しているのは,バーチャル世界の拡大が背景にあるとして,

この信用をもたらしているのは,中核技術である「ブロックチェーン」という,優れた技術でしょう

しかし,どんなに優れたものであっても,全体の一部分でしかありません

 

 全体最適≠部分最適

 

どのようなものでも,開発すれば終わり,というわけにはいきません

メンテナンスなども含め,運用がついてまわります

正しい使い方がされない限り,予期せぬ出来事に遭遇する可能性はあるわけです

そして,監視や監査なども,この運用の一つと言えるでしょう

 

どうも新しい技術やビジネスの導入ばかりが注目される風潮がありますが,

その限界を見極め,運用をしっかりやっていることに,もっとスポットライトを当てるべきなのでは? と感じます

運用にも,改善はもちろん,革新もあるわけですし,

PDCAの本質を理解しているのは,むしろ運用のようにも思います

 

多くの会社が新年度を迎えるタイミング

TOP層の人事発表などもされていますが,

まともな運用のプロフェッショナルがTOP層になることが少ないように感じます

 

女性の登用の少なさが注目を集めていますが,

そうではなくて,

むしろ,運用のプロフェッショナルの登用などを出発点に考えれば,

必然的に女性の登用につながる,と思うのですが・・・

 

 アクセルとブレーキがあって,はじめてクルマ

 

そんな言葉をふと思い出した一週間でした

20180224-20180302を振り返る

 

【今週の一冊】

「命売ります」 三島 由紀夫 著

 

 

今年も就職活動が解禁しました

今年の新卒採用は,完全売り手市場,で,「質より量」などという失礼な話が出てくるほど,です

団塊世代の大量退職も含めて考えれば,この状況はまだ続くのでしょう

とはいえ,いつまでもそんなことにはならない。。。

テクノロジーで解決できる範囲が,確実に,かつ,急速に広がっているから,です

 

このときどうしても必要になるのはエネルギー

オードリーの春日さんがロボットと旅をするというTV番組の中で出てくるNAOは,

私も実際説明を受けましたが,フル充電で稼働時間2時間

蓄電技術の問題もありますが,多くのエネルギーを必要とするのは間違いありません

このエネルギー問題について,福島の原発問題も解決していない状況で,どんな方針で臨むのか?

どうも経産省,外務省,環境省とで,その方針・計画策定をめぐり,つばぜり合いがあるよう,ですが・・・

 

いずれにしても,労働力不足を含む社会問題は,テクノロジーを使って解決しようという方向に進んでいきます

労働環境の大変革が,エネルギー確保の問題と密接な関係を持ちつつも「起きる」ということです

 

とはいえ,私たちは皆,人が幸せになるために生きているはず

テクノロジーをいくら進化させても,幸せにならないことをやっても意味がない

だとしたら,社会の大きな変化の中ででも,

自分たちを守るしくみを制度化することが何より重要だ,ということになるのでは? と思うわけです

 

今国会の目玉であった人の労働環境・条件に関する法案は,

1本の柱を失い審議されることになりました

厚労省の失策,という不手際で,議論があらぬ方向に進んでいるように見えます

そんなことやっている場合だっけ? と,私は思ってしまうのですが・・・

 

国がそのような状況なので,

やはり個人が身を守る術を考える必要がある,と,私は思います

先週も書きましたが,世の中の労働市場は,

 

 時間売り,から,コト売り・成果売りへ

 

と,シフトしている領域が確実に広がっています

今後も「時間売り」の概念の中での労働はあるでしょうが・・・

となると,時間売りを選択するか,コト売り・成果売りを選択するか,個人は求められるでしょうし,

コト売り・成果売りを選択するなら,自分が何をしたいのか? 何ができるのか? が,重要になるでしょう

自分の生活に必要なカネを稼ぐのは,必ずしも組織に所属し,時間を売ることではなくなる,ということです

 

だから,自分を守るために必要となるしくみや制度はどのようなものか? という視点で,

国会での議論は見ていきたいと思いますし,

そのような時代に対応できる力を身につけていきたい,それができる人を育てていきたい・・・

と,私は考えるのです

20180217-20180223を振り返る

 

【今週の一冊】

「SFA・CRM」 早川 圭一 著

 

 

オリンピックのアスリートの皆さん,カッコイイ,と思ってしまいます

正直,ソチの時よりも,今回の方が,日本選手にカッコイイ方が多い

ナゼ,そう感じるのだろう? と考えていたところ,あるところにたどり着きました

 

 メダルと目標にしているようなことを言ってはいるけれど,

 メダルの先にあるもの,を,過去の悔しい想いなどを通じて作り上げ,目標にしているのでは?

 言うなれば,その人なりの,地に足の着いた,表面的なものではない「スタイル」がある

 

そこには,4年計画の,いや,それよりももっと長い「PDCAのサイクル」があるように感じます

日々の小さなPDCAを回すことに,まさに熟達し,

試合や,季節,年間のPDCAを回すことに熟達し,

4年間という単位でのPDCAを回す事に熟達し・・・

 

 

このことは,私たちも見習える部分がたくさんありそうです

別に仕事の中でPDCAを回しましょう,というのではなく,

人生の中で,より自分にとって良いと思える人生のためのPDCAを回す,とでも言いますか。。。

 

そのためにも,世の中を動きを知ることは,大切だと感じます

「稚拙」な情報もたくさん目につくかもしれませんが,それは,酒の肴に置いておいて(笑),

 

 凄みのある本物

 

を,多くの情報の中からかぎ分けて知る

 

 

世の中の動きや,それにまつわる情報には,

本質的なもの,と,流れ(というか,流行というか)に乗って出てきているもの,と,

大きくは2つのものがあるように思います

 

たとえば,厚労省が出したデータの問題について,

正しいものを出さない? 出せない? というのは問題でしょうし,原本の有無とか,データの有無とか,

「管理基準がまるっきり決まってないワケないだろ! できてないなら監査で不適じゃないか!」

というような話ももちろんあるのですが,(実際,私も「日本,信用できん」と思ってしまいましたが・・・苦笑)

それよりも,大きな流れとして,AIの導入が進むと,

 

 企業が人の時間を買う領域は減り,やることや成果を買う領域が増える

 そのときのために,どのように人の権利を守るようにするの? そのための保護施策を準備するの?

 

の方が,私の「ありたい姿」にとっては,よほど重要な話,なのですが,みなさんにとっては,いかがでしょう?

 

 

ありたい姿を目指すために回す,大きなPDCAと,

そのために必要な力を身につけていくための,小さなPDCAと,

を,回し続けることが,やっぱり,ありたい姿に近づく道で,

それが,五輪に出場されている多くのカッコイイアスリートのように,自分のスタイルをより磨くことになるのではないか?

と考えた一週間でした

20180210-20180216を振り返る

 

【今週の一冊】

「ヴェニスの商人」 シェイクスピア 著

 

 

オリンピックが始まりました

すでに多くのメダリスト,が,誕生しています

アスリートの方ご自身が,金メダルを目標にするのは素晴らしいこと,だと思いますし,

スポーツ庁やJOCがメダル獲得数を目標にするのは,お金を使う以上,もっともだ,とも思うのですが,

仮に金メダルと取れなかったとして,そのアスリートに対する,

ある種のマイナス点を誇張するような報道,というものには,正直違和感があります

 

夢の実現に向けて,人並み外れた努力をされて,

結果,アスリートのみなさんがつかみとった成果

 

として,純粋に,スゴイ,と感じたり,感動を表現したりすればいいのでは?

勝手な自己投影をするべきではないのでは?

と,思うわけです

そして,仮に金メダルを目標にされていた方が,それに及ばなかったときに,

一番悔しい思いをしているのは,当のアスリートご本人だ,とも思うわけで,

非難の対象になるものでは決してないはずだ,と

 

もちろんそのような考えを押しつけるつもりもないのですが

モノにはいろいろな見方があるのは事実でしょう

ある人にとっては,良い話であっても,ある人にとっては酷い話,ということもある

名探偵コナンでは,「真実はひとつ」と言われますが,

世の中,そんなことだけでもない

それは,正義と呼ばれるようなモノであっても,同じことが言える,と思います

 

財務省が,金融機関から,特定個人の情報を取得可能とするシステムを構築しようとしているそうです

税逃れ,社会保障費の不正取得といったものをなくすため,

そして,現状は,それを調査するのに,膨大な手間暇がかかっているから,

ということが理由として報道されています

 

たしかにそれは,ある意味では正義だとは思います

しかしそれは,個人の財産という,極めてプライベートなものに対して,

国が容易にアクセスできるようになる,ということ

個人の情報というものは,私有財産であり,所有する個人が,個人の自由で使えるもの,のはずなのに,

その議論は,一体どこでされている?

 

私の考えは,マイノリティなのかもしれません

でも,マイノリティの声や考えを,どう拾い,取り上げ,反映していくのか?

それこそ,ノーマライゼーションの考え方と同様のアプローチが必要なのでは?

と思います

 

不正するのが悪い,というのであれば,

不正しないための教育を考えたり,不正しても意味のないベーシックインカムのようなしくみを構築したり,

支給に対する収支報告をさせたり,といったアプローチも考えられる

 

違和感を覚える直感力と,その違和感の原因を論理立てて検討する力,

その上で,代案をつくる力を少しずつでも身につけていくことが重要だ,

と感じた一週間でした

20180203-20180209を振り返る

 

【今週の一冊】

「人工知能は人間を超えるか」 松尾 豊 著

 

 

今年二度目ですが,「極端」という言葉は,この一週間にも使いたい,と思います

天候の話題しかり,マーケットの動向の話題しかり,対北朝鮮の話題しかり・・・

 

マーケットについては,AIの利用が拡大,また,信用取引が広がれば広がるほど

極端に動きをすることは多くなり,また,動きの幅は拡大していくはず,です

AIの場合,最適化すればするほど,「同じ動きをするはずだから」です

 

「いやいや,それも踏まえて,最適化するAIが出てくるはず」

とお考えの方もいるでしょうが,それは論理に矛盾がある

だから,仮にできたとしても,それは,一時的なものに過ぎないし,

そして,実はそれがAIの限界なのではないか,と私は考えるわけです

 

AIは,実際に起きたこと,人間が想定したこと,人間がInputしたことしか,学習できない

ということは,判断の基準をずらしたり,異なる価値基準を持ち込んだりはできない

だから,そこに,人間の強みを発揮できる場があるのではないか,ということです

もっと言うと,

 

 判断・決断権を手放さないこと,

 そして,判断・決断するために必要な力を磨くこと

 

が,AIを使う立場の人間にとっては重要になるはずだ,ということです

 

そのためには,一つの事実から,事実だけを読み取るだけでなく,

さまざまな立場の想像をしたり,まったく違う事実と重ね合わせたり,新たな物語を作ったり,

といった力を育てることが大切になるように思います

それは,私が意図する翻訳力,に近いものです

 

私が意図する翻訳力とは,

単なる言葉の置き換えでない,つまり,日本語から英語に変換するようなものではないもの

どちらかというと,意訳,に近いもの,です

ここでそれ以上,私の意図する翻訳について書くのはやめるのですが(苦笑),

 

いずれにしても,そう考えると,教育に手を加えないわけにはいかないと思います

少なくとも手法としては,

文書や図などの古典的な手法の見直しも必要でしょうし,

VRやARなどを取り入れる必要が出てくる

 

ただ,それ以上に,重要なのは,「何のために学ぶのか?」でしょう

たとえば,AIを敵とみなすのではなく,味方になってもらうために,というものでも,

大分小さくはありますが,とっかかりにはなりそうだ,とも思います

20180127-20180202を振り返る

 

【今週の一冊】

「南洲翁遺訓」 西郷隆盛 著

 

 

580億円分もの仮想通貨が流出する,という事件が起きました

そもそも仮想通貨は,実際の物の売買にはほとんど使われておらず,

市場に溢れたお金が行き場を失い,

不正入手されたお金の清浄化を目的に,あるいは私有財産を守ることを目的に

投機の資金となって使われている,という見方があります

 

盗まれた元になった口座は,実際には仮想通貨が入るお財布のようなもの

お財布を買うのに,誰も名前を通知する必要がないのと同様,

盗まれた(?)仮想通貨が保有されている口座が判明しても,

その持ち主はわからない,という状況なのだそうです

 

仮想通貨のように目に見えないものには,その実体がない分(?),

自由さと不安定さとがあるように思います

それは今回のような大きな問題を引き起こす可能性がある,ということでもあるでしょう

 

一方で,目に見えるモノに対しては,想像力を働かせる必要性は薄いと言えます

逆に言えば,実体があると,安定してはいても,そこから抜け出すのは難しい

 

日本相撲協会の理事選に,貴乃花親方が出馬されました

貴乃花一門というグループに所属する親方は,

同門の阿武松親方に投票することになっていた(?)

ということは,貴乃花親方が獲得した「票数」は,

他の一門の親方の,他の一門や協会に対する批判票であり,

それぞれの親方の自由意思による票だ,と考えられる

つまり,貴乃花親方の出馬は,理事選を利用した現時点の日本相撲協会の見える化だ

と考えることができるわけです

(実際の結果を見ると,他の出馬理事に貸しをつくる,という仕掛けもしている,と私は思っていますが・・・今,貴乃花一門で2人の理事を出したところで,協会を変えられるわけでもないでしょうから)

 

貴乃花親方の改革案は,具体性に欠ける,との批判もあるようです

でも,「自由に意見し合える,公益性,透明性を持った協会」であるべき,

というご本人の理想とする姿について,

ご本人が具体的なカタチを提示してしまったら,

みんなの自由な意見ではなく,貴乃花親方の意見になってしまう,でしょう

 

私は別に貴乃花親方を擁護するわけでもないですし,

相撲協会自体に何らかの思い入れがあるわけでもないのですが,

今回の貴乃花親方の行動からは多くの学びがあるように思いますし,

多くの可能性も提示しているようにも思います

 

 目に見えないものをカタチにするには,

 あるいは,想像力が低下したところでそれを理解できるようにするには,

 何らかの目に見えるカタチにすることが,実は第一歩になるのではないか

 それそのもの自体をカタチにすることではないとしても・・・ 

 

つまり,たとえば,個人の夢を描こうとしたとき,組織改革しようとするとき,などなど

まずは思っていることを紙に書くなどでも何でもよいから,

見えるカタチにしてみるのがよいのではないか

そして,いつ自分の想いを実現するのか? を,

ある程度長い時間からでとらえるのがよいのではないか

 

そんなことを考えた一週間でした

20180120-20180126を振り返る

 

【今週の一冊】

「戦争プロパガンダ 10の法則」 アンヌ・モレリ 著

 

 

猛烈な寒さ,です

各地で氷点下が当たり前,そして,各地で大雪・猛吹雪となるところが相次いでいます

秋の異常気象の影響で,野菜が不作,相当高い状態が続いているわけですが,

これで益々値が上がっているような・・・ 頼みの綱はモヤシかもしれません(苦笑) 

 

インドのモディ首相が,ダボス会議の基調講演で,

人類が直面する脅威の一つとして,異常気象,を上げられましたが,

異常もこれだけ続けば,それが正常のような,そんなことすら思ってしまいます

いずれにしても,この猛烈な寒さは,人知の及ばない,自然の脅威,ということなのかもしれません

では,人が作ったもの,や,人がやっていることはどうか?

 

オリンピックは,「平和の祭典」というキャッチコピーがついてはいますが,

1984年のLAの頃から商業化が叫ばれるようになり,

そして今や,そこからは独立しているとされているはずの政治の場となっている,ように感じます

まあ,そもそもそういうもの,だったのかもしれませんが・・・

 

科学の場においても,Out of controlな事態が発生しています

iPS研究所での論文不正,中国では遺伝子操作によるサルの誕生・・・

本来であればコントロールできるはずのもの,ではあっても,

人の倫理に依存するもの,出来てしまうことは信じることはできない

残念ながら,そう認めざるを得ないのかもしれません

 

 それは一部の人の問題だ

 

と思いたい気持ちもあるのですが,

フェイクニュースほど拡散する(?)というSNSの性質や,

ある一方向の意見に異を唱えると袋叩きにあうようなことが常態化しているような現実を考えると,

「一部の人の問題だ! 自分はそんなものに加担していない!」などと言う方が,

むしろ信用できないような・・・

要は,大衆の意見というものも,あてにできるようなものではない,ということなのかもしれません

 

とまあ,悲観的なことを書きつづったのですが・・・私はそれほど悲観していません

「それはおかしい」「それは良い」と判断できるだけの

自分の中での基準・価値観をつくったり,自分の直感力を磨いたり,など,

自分磨きをすればよいだけだと思うから,ですし,それが本当の学びだと思うから,です

 

その最初の一歩は,

 

 惑わそうとする側の「策,手法」をよくよく理解すること

 

だと思います

その素材はいろいろあるでしょうが,戦争におけるプロパガンダは,その一つだと思います

そして,次にやるべきは,素材からの学びを活かしたうえで,

一人ひとりに,そして,個別の場面に,真摯に向き合うこと,だと思います

 

 やっぱり,一人ひとりに,一つひとつに,しっかり向き合う時代なのだ

 

と,そんなことを改めて考えた一週間でした

20180113-20180119を振り返る

 

【今週の一冊】

「秘密とウソと報道」 日垣 隆 著

 

トランプ大統領がフェイクニュース賞なるものを10+1,選び,つぶやかれました

事前に「発表する!」と公言されていたので,どんなものがあげられるのか,興味があったのですが

「トランプ大統領のもとでは経済は回復しない」とした,経済学者であるクルーグマン氏の発言などを

フェイクニュース賞としました

 

そもそも「フェイク」とは,「偽」の意味

偽装やでっち上げ,ということで,ねつ造と言ってよいものだろうと思いますが,

それは,予想や予測とは,全く異なるもの,と言えます

 

ニュースや情報というものは,私たちが目にするもの以外にも沢山あります

つまり,仮にそれが正しかろうが誤っていようが,

取り上げるか取り上げないか,から,すでに何らかの意図が働いているものでもあります

 

としたとき,

 これは,本当に正しい情報なのか?

 そして,それは,どんな影響を与えるのか?

を考えないと,誤った方向に自分で自分を導いてしまう,と思います

 

●●が発売された,●●がこうなった,ということは,ある一部の領域での事実です

ただそれが,自分にとってどんな影響があるのか? を考えることが,

本当に情報に触れるということであり,使うということだろう,と

 

今週も多くのニュースがありました

そして,これからもずっと,さまざまなことが起こるでしょう

AIがいろいろなことを示唆するようにもなるでしょうし,多くの新しい技術が生まれることでしょう

しかし,それを受け入れるのかどうか? 受け入れるにしてもどうやって受け入れるか? 

は,人それぞれ,でしょう

 

 「最終的には自分が判断するのだ」という覚悟を持つということ

 

そうすれば,少なくともただ情報や技術に使われるだけにはならないだろう・・・

そんなことを考えた一週間でした

20180106-20180112を振り返る

 

【今週の一冊】

「決断力」 羽生 善治 著

 

 

各地域でドカ雪が降り,多くの混乱や被害が出ているそう

これは日本国内に限られた話でもないようです

フロリダで雪が降り,オーストラリアで50度近くの猛暑

本当に極端な天候,です

 

為替相場では,円が急激に値上がりしています

1日で1円以上円高に振れる,というのも,非常に極端な動きです

 

ハリウッドのセクハラ問題では,女性のみなさんが一致団結の行動を取られました

セクハラなどというもので女性をないがしろにするのはもっての外

その意味で,名だたる女性のみなさんが行動を起こしたこと自体は素晴らしいことだと思いますし,

なかなかできることではないとも思います

 

いずれにしても,

 

 ムーブメントが起きやすい時代,ムーブメントを起こしやすい時代

 

とは言えるのではないでしょうか

何かきっかけに,物事が極端に振れる,一方に偏る傾向が,日増しに強まっている・・・

それがAIの時代の本質ではないか? と感じますし,

この流れが止まることはないだろう,とも思います

 

ではナゼ,ムーブメントが起きるのか? 起こせるのか?

その裏側に

 

 信用というものの存在がある

 

ということなのではないか,と思います

天候の話はともかくとして,お金というものは信用です

紙幣そのものに価値があるのではなく,紙幣が交換手段として使えるから信用される

科学そのものは,様々なことを証明した実績により信用を得てきたわけですが,

いまや,信用を得るための一つの手段になっている

将棋の羽生さんや,囲碁の井川さんは,その活躍で国民栄誉賞を受賞されることになりました

第一人者という信用を,その道の実力で勝ち取った,ということでしょう

同じように,「みんなの意見」というものも,ひとつの信用になっているのだと思います

 

ただ,この「みんなの意見」という信用は,かなり不安定な信用なのではないか,と思います

ハリウッドのセクハラ問題で,同じ色のドレスを着て授賞式に出席しなかった方々が,

売名行為だの,媚びを売っているだのと非難の集中砲火を受けるという事実・・・

このことは,セクハラ被害を訴えた方の意に反するのではないか,と感じると同時に,

「みんなの意見」という信用の不安定さを物語っているように思います

 

脳は考えることを省略したがるようですし,

今の時代,立ち止まって考えるだけの時間的な余裕もない

だから,一度立ち止まって考えてみれば,わかることなのに,何も考えずに信用する・・・

 

そう考えると,今,本当に必要なのは,

 

 自分の中の判断基準を大切にすること

 

と私は思います

それ以前に,自分の中の判断基準を育てること

そして,直観的に判断できるようになるまで,それを高めること

そうでないと,時代の波に流されまくってしまう

あっちに行き,こっちに行き,と,自分で自分に朝令暮改をくり返す・・・

それは決して幸せなことではない,と思うのです

 

第一人者と呼ばれる方々は, 

人の意見は素直に聞かれ,非常に謙虚なのだそうですが,

その一方で,それを受け入れるかどうかの判断は,自分の基準でしっかりされるのだそう

つまり,他者基準では決して判断しない,ということ

 

そんな方々に学べることは数多いのではないか,そんなことを考えた一週間でした

20171230-20180105を振り返る

 

【今週の一冊】

「世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉」 佐藤 美由紀 著

 

 

新しい年が幕を開けました

今年はどんなことが起こるのでしょうか?

 

流行の傾向を見ると,時代がわかる,という方がいらっしゃいます

ただ,流行を追うのは,結構難しい,です

流行るころには,実はブームは過ぎていた・・・なんてことは,よくある話

流行予想,なんてものも,毎年出されますが,あまり当たらないのも事実で・・・

むしろそこにある本質を見ろ,ということなのだと思います

 

流行と似たようでいて異なるものに,時代の大きな流れ,が,あります

日本の人口減という大きな流れ,高齢社会という流れ,などは,止めようとしても止められない

そして,このことは,過去の時代とは大きく異なる点,とも言えるでしょう

とはいえ,こちらは何が起きるのか,予想できる範囲の話

時代が変わっているのは事実なわけで,そんな予想ができる範囲については,しかるべき対応をする必要があると思うのですが,

しくみや制度が追いつかない,という面があるのも事実

2017年に噴出した,さまざまな不正や問題の一端は,制度疲労によるものが多いように思います

 

一方で,普遍的なものもあるでしょう

今年は,明治維新から150年だそうで,日経新聞でも,明治時代との対比が元日版で取り上げられていました

たしかに今の時代が,明治の時代と重なる部分は多くあると感じます

そして,明治以外の時代も含めた歴史から,学べることはたくさんあると思います

 

そんな歴史から学べることの一つに,キューバ危機があるように思います

学びたいのは,当時のそれぞれの指導者が,どんなシグナルをそれぞれに対して出しているのか?

ということ

恐らく,誰も戦争などしたくはない,でしょう

核を持つ者同士が本気で戦争を起こしたら,何が起きるか? ということぐらいは

自覚していると考えるべき,だと思うのです

ただし,自分が,あるいは,自分の体制が維持できることを前提なのでしょうが・・・

 

 誰もが幸せになるために生きている

 

誤解を恐れず言うなら,他人は他人だし,自分は自分だ,という考えは,非常に重要だと感じます

自分ができることを精一杯やることを通じて,つまり,

健全な大欲を持って,その大欲の実現を通じて,社会が,そして,誰もが幸せになれるよう貢献する

そんな考え方が必要であるように感じます

 

年明け早々,寒い日が続いています

おかげで,美しい星空や,雪景色を見られる,という面もあるのかな,と思います

物事には,表と裏がある,というか,とらえ方によって,良くも悪くも考えられるのだと思います

色々あっても,その一つひとつに,きっと良い面があるはず

そうであることを信じて・・・今年一年の皆さんのご健康とご活躍を祈ります

2017年を振り返る

 

 【今年の5冊】

 「ナショナリズム入門」  植村 和秀 著

 

「誰が「働き方改革」を邪魔するのか?」 中村 東吾 著

 

「大衆の反逆」 オルテガ 著

 

「ブロックチェーン・レボリューション」 

  ドン・タプスコット/アレックス・タプスコット 著

 

「戦争プロパガンダ 10の法則」 アンヌ・モレリ 著

 

 

はやいもので,今年も1年の終わりを迎えようとしています

この1年を振り返ったときの,私にとっての一文字は「縁」

懐かしいご縁,新たなご縁,可能性が膨らんだご縁・・・

本当に多くのご縁をいただいた1年でした

 

世界中のさまざまな出来事も,私にとっての縁なのでしょう

エルサレムをイスラエルの首都と認定したこと,など,

米トランプ大統領がされることには,いちいちびっくりしますが,

それでも最後に大幅減税を通過させたことは,ある種の執念を感じます

 

執念と言えば,アメリカと対峙する北朝鮮にも,執念は感じることができます

核開発,ミサイル開発・・・それが,北朝鮮にとっての正義なのでしょう

 

国内では,不正問題が明るみに出ています

企業の不正,政府の不正・・・

ただ不正の原因は,正義の問題というよりは,制度疲労の問題なのではないか,と感じます

というよりは,そもそも人間が作り出すものに,完全なものなどあり得ないと考えた方がよい

物事を進めようとするとき,何らかの制度があった方が進めやすくはあるのですが,

働き方改革なども,人間が制度として進めるのでは,どこかで歪みが出るだろう,と思うのです

 

同じように,新しい技術やしくみも,完全などということはない,でしょう

インターネットがサイバーテロや情報セキュリティリスクを生んだように,

人間が生んだものについては,何らかの負の問題がつきまとうもの,でしょう

AI,IoT,VR,EV,シェアビジネス・・・等々,今年も注目された技術やサービスがあります

そんな技術やサービスは,課題を解決するためのものであり続けてほしい

 

 

何かやればやるほど,プラスの面だけでなく,マイナスの面もある

だから,

 

 理念・信念,軸が必要

 

ということなのだと思います

課題解決のためにやる,という理念・信念,軸

その目的を果たしたら,潔くそれを捨てていける力

 

これは一日でできるようなものではないでしょう

一歩一歩築き上げる・・・

そんなことを考えた,2017年の年の瀬でした 

20171216-20171222を振り返る

 

【今週の一冊】

「ナショナリズム入門」  植村 和秀 著

 

 

アメリカ大統領の脅し,がスゴイことになってます

「オレの言うことを聞かない国は,支援しない,カネ出さん!」

これはビジネスの世界での話にすると,

ある会社の社長が,

連結子会社,や,会社の労働組合に,「オレの言うことに反対するなら,支援せん! 賃金払わん!」

あるいは,

協力会社に対して,「オレの言うことに反対なら,仕事出さん!」

と言っているようなもの,のように感じます。。。(ちょっと違うか? まあ,いいか。。。)

しかし,この論理,通用するものなんでしょうか?

 

国際社会である国を支援する,というのは,

決して支援される側の国だけにメリットがあるわけではなく,支援する側の国にもメリットがあるもの,でしょう

支援に使ったお金は,受注などの形で支援した国に戻ってくるから,です

 

 情けは人のためならず

 

とは,まわりまわって自分のためなのだ,という意味

どうも,情けは,それをかけられた人のためにならない,という意味と,勘違いされている方もいらっしゃるようですが,

そんな勘違いを,アメリカという大国の大統領がしているような気もします

本来なら,そんな誤解をさせないよう,国民感情をコントロールする立場にいるのが政治のはず,なんですが,

いやあ・・・困った

一度醸成されてしまった感情を払拭するのは,本当に難しいこと,なのに・・・

 

戦後70年が経っても,

日中,中韓の間に横たわるのは,事実以上に感情の問題があるように思います

そんな教訓があるはずなのですが・・・,さて,どうする?

ビジネスの世界なら,離反が出るのでしょう

離反するのは,強みを持っている組織や人ほど,あるいは,その強みが強い組織や人ほど

 

今週,私が講演で話したこと,も,「強み」の話でしたが,

 

 やはり,強みを磨き出せれば強い

 

国も,企業や組織も,個人も,「強み」を持っていることが武器になる・・・

あらためて,そんなことを考えた一週間でした 

20171209-20171215を振り返る

 

 【今週の一冊】

 

「お金に学ぶ: 東大で教えた社会人学」 草間俊介,畑村洋太郎 著

 

 

二刀流で活躍中,野球の大谷翔平選手のメジャー移籍先が決まりました

過去,渡米した日本人メジャー選手より,圧倒的に少ない移籍金,ながら,

 

 メジャーでも二刀流という夢を叶えることを優先

 

との報道がされています

自分の夢を叶えることで,業界の,社会の,常識を覆し,

子どもたちを中心に夢を与えようとしているのですから,本当にスゴイこと,です

 

 自分がやりたいことを突き詰めていくと,結果的に社会に貢献することにつながる可能性がある

 

と,言い換えることもできるでしょう

 

 

確かに,大谷選手はあまり金銭に頓着しない選手ではあるようです

そして,金銭よりも自分の夢=欲,の達成を通じて,

結果的に社会にも貢献している,のは事実でしょうし,

お金優先での勝負ではなく,お金ではない部分を優先したのも事実でしょう

とはいえ,その移籍金は,2億円以上ですから,

一般的な人々の年収と比較したら,途方もない金額,です

そして,それだけの収入がある,ということ自体が,

社会に貢献することにもつながる,という面もあります

具体的には,

 

 税金,社会保障費用 など

 

という形で,一定額を国に納める形になるわけで,

そのお金が,間接的に,社会インフラ整備などに使われていく形になれば,

その貢献度も大きくなるわけです

とすると,

 

 仮に大金を得ることそのものが,自分の夢だったとしても,それは社会貢献につながる

 たとえそれが投資によるお金稼ぎだとしても・・・

 (投資に対する利益にも,税金はかかるので・・・)

 

と考えることができるわけです

とすると,お金に関する最も大きな罪は,次のように言えるのではないでしょうか?

 

 納税側は,他人のお金を搾取すること,と,脱税・納税逃れ

 徴税側は,使途不明の税金使用

 

欧米で寄付が多いのは,自分で自分のお金の使途を決めたい,ということの現れでありつつ,

徴税側を信用していない面もありそうです

 

与党の次年度に向けた税制大綱が決定しました

これに対して声が上がらないのなら,文句なしということ,か,

徴税側である国を信用しているということ,か,

あるいは,場合によっては,お金の役割や使われ方に無頓着,ということもできるかもしれません

 

 お金というものを,自分なりに考え,見直すこと

 

私自身には,お金を稼ぐことより,社会に貢献することを優先すべきだ,

というような考えが染みついていた部分があります

それは,日本における,お金に対する一種独自の価値観かもしれません

だからこそ,自分なりのお金に対する考えを深めることが大切ではないか,

そんなことを考えた一週間でした

 

20171202-20171208を振り返る

 

【今週の一冊】

「日本辺境論」 内田 樹 著

 

 

アメリカのトランプ大統領が,またもや?,世界に衝撃を与える発表をしました

3宗教の聖地を,ユダヤ教の国,イスラエルの首都として認定した・・・

世界はもちろん反応しています,当然のごとくの「アメリカ非難」です

フランスのマクロン大統領などは,事前に釘を刺していたにも関わらず,です

こうなってくると,北朝鮮がアメリカに反発するのもわからなくはない,

という話になって来ないのだろうか? というようにも考えてしまいます

そして,

アメリカは,戦争したがっているのでは?

 

 

 価値観の対立

 

そう表現するだけでは,ちょっと問題があるような気もしつつ,

それでも,価値観の対立が原因となっているのではないか? と思われることが,世間をにぎわせています

 

大相撲の貴ノ岩関の殴打事件は,

元横綱日馬富士の引退だけではなく,

横綱白鵬関VS貴乃花親方,あるいは,協会VS貴乃花親方,の様相を呈しています

本当にそうなのか,は,わからないのですが,

白鵬関VS貴乃花親方 = スポーツVS相撲道 = 「勝利の追求」VS「品格の追求」

という,価値観の対立とも報じられています

これをどんどん言い換えていくと,

「勝つこと,という明確な基準があるもの」VS「(相撲における)品格,という明確な基準がないもの」

「革新」VS「保守」

さらには,「グローバルスタンダード」VS「日本の独自性」,や,「AI」VS「人間」まで,行きつきかねません

 

同じ「●●道」と表現されるものでも,将棋界の羽生永世竜王の誕生の話題は,まったく異なる印象を与えます

若手が台頭,AIの波が押し寄せている将棋界にあっての偉業達成

当の羽生竜王が,当日の対局後の記者会見で,あるいは,それ以前の機会で,語られたこと,は,

ざっくりと言うと,以下のようになります

「20代で最先端の技術を研究し(勝ち),30代で直感力を活かせるようになり(勝ち),

40代の今,足し算で考えていくんじゃなくて、無駄なことは考えずに引き算で考えていくようになった(ことで勝てた)」

「将棋そのものも本質的にどこまで分かっているかと言われたら、まだまだ分かってない

それを追究する姿勢や気持ちで,次に進みたい」

 

自分の欲で始まったことが,経験を積むことで研ぎ澄まされていき,

それが,将棋道を突き詰めるという,棋士の社会的な役割を果たすことにつながっている

まだまだ,その本質まで突き詰められてはいないが・・・

と,表現されている

 

対立とは異なるところにある価値観と,何とも言えないさわやかさ,に,

少しだけホッとするのと同時に,世界の危うさを心底感じる一週間でした

20171125-20171201を振り返る

 

 【今週の一冊】

 

「アイデアのつくり方」 ジェームス W.ヤング 著

 

 

東アジアの隣国が,再びミサイルを発射しました

そもそもこの問題が,これほどまで危機的な状況を迎えつつあるのはナゼか?

安倍首相は,以前,

「北朝鮮の主張は不可解ではあるが,論理的な話ではある」

と語ったことがある,とのこと

要は,「主張している論の筋は通っている,が,今,この世界がある中では,現実的な主張ではない」

と言っている,ということのように思います(もしかしたら,曲解なのかもしれませんが・・・)

そんな中で,安倍首相がトランプ大統領と共に主張しているのが,「現実路線としての,圧力路線」というアイデアなのでしょう

 

国会に関する「報道」は,相変わらずの「森友」問題のようですが,

実際には,生活に関わるさまざまな事,

具体的には税制などの制度面について,あるいは予算面についての議論が進められています

そもそも,国民が幸せを追求できるようにするためのしくみが,政治や法など含めた今のしくみのはずなのですが,

今のしくみを維持するための税収確保のために,あれこれアイデアを出している,という面があるように思います

 

アイデア勝負,とは,よく言われることではあるのですが,

アイデアは,対症療法的なアプローチと,根本対応的なアプローチとの2面があるのではないでしょうか

今,表に出てくるのは,対症療法的な面が中心のように感じます

根本的な問題へのアイデアに,なかなかスポットが当たらない,とでも言いますか・・・

 

常識を疑え,とも,よく言われます

でも,本当に常識を疑ったアプローチができることって,少ないように思います

 

実は解決のヒントは,子どもたちにあるのではないか,と思ったりします

たとえば,ディベートの形式で,それぞれの主張を伝えたとき,子どもたちがどんな反応を示すのか? といった方法を取れば,

子どものアイデアを使うことができるのではないのか? 

単純にやってしまうと,口の上手い人が有利,みたいなことになりかねないですが(苦笑),それでも

子どもたちに学べることがたくさんある

 

大人たちだけでアイデアが出せないなら,

可能性があるものは何でもやってみるといいのでは? それもアイデアというものなのでは?

 

そんなことを考えた一週間でした

20171118-20171124を振り返る

 

【今週の一冊】

「顧客はサービスを買っている」 諏訪 良武 著

 

 

第4次安倍政権が発足し,通常国会が開かれています

安倍首相の所信表明演説は,最短のものだった,とのこと

ある意味,やるべきことは変わっていない,ということなのでしょう

 

そんな背景もあってか,税制改正の話題が目立ったように感じます

取りやすいところから取る,のは,毎度のこととして(笑)

 

 「何としても賃上げ」

 

との思いが,前面に出ているようにも感じます

これまでは企業に賃上げをお願いする姿勢できたが,次年度以降は力技を使ってでも・・・

そんなところでしょうか

 

確かに,企業の業績が回復してきているにも関わらず,賃上げの動きは鈍い状況です

数年先の世の中の状況を考えた場合,簡単には賃上げできない,との心理が働くのは,

当然と言えば当然だったわけで,

これを強引にこじ開ければ,それなりの成果が出るのは間違いないでしょう

 

ただ,あの手この手で賃上げが実現したとしても,

個人の消費が拡大するか,と言われれば,「それほど思うようにはいかないのでは?」とも思います

企業が利益の内部留保を進めてきた心理と同じ心理は,個人にも働くはずだから,です

 

そんな中で注目すべきは,サービス産業,でしょう

昨年だったと思いますが,安倍首相が,サービス産業の生産性の低さに言及したことがありました

それを忘れているはずがないわけで・・・

 

サービス分野の生産性向上に向けて,

ひとつのキーは,AIやロボットに代表される技術です

しかし,それはどちらかと言うと効率性,要はInputの抑制の働きが中心でしょう

この側面を追い続けても,限界があります

では,Outputの拡大という面で考えられる手はないのか?

私は,多様性への対応,と,それを束ねるプラットフォームの開発,ということだと考えています

それも,これまで抜本的には手をつけられてこなかった,

何の疑いもなく当たり前となっているような分野

サービスとして提供はされていても,必ずしもその効果について,検証しにくい分野でのもの・・・

 

 

この一週間で急激に寒くなりました

マスクをつけられている方,も増えたようですし,風邪をひかれた方も多いのではないでしょうか

今年も残すところ1カ月あまり

どうぞご自愛くださいませ・・・

20171111-20171117を振り返る

 

 【今週の一冊】

「先送りできない日本」 池上 彰 著

 

 

金融業界,特に,大手銀行の大きな動きが紙面をにぎわせました

三菱東京UFJと三井住友が,「業務量」の削減としているのに対し,

みずほFGは「従業員削減・店舗縮小と削減」

この2つには,大きな差があります

「業務量」なのか,「人員・店舗」なのか

ただ,いずれにせよこれまである意味,市場の雄,とでも言われてきた金融業界が,

人口減社会である日本市場において,改革を迫られている,ということでしょう

 

スタートアップで成功した企業とも言えるメルカリが,取引ルールを変更するとのこと

上場を見越した対応,との見方がされていますが,

今の時代,社会的には決して褒められた話でないとしても,

「法律を犯さないレベルでまずは対応,先行者利益を確保した上で,順次,批判の声に対応する」

というやり方は,自社都合ファーストの戦略ではありつつ,

そうは言っても,比較弱者であるスタートアップのスタンダードな戦略,とも言えるのではないでしょうか

ただこれは,いわゆる大手上場企業ではできないこと(本当にできないか? は別として・・・)

そして,金融業界で新しい商品が開発できない一つの原因になっている可能性もあるように思います

 

「アメリカ・ファースト」で有名なトランプ大統領は,初のアジア歴訪が終えました

成果はやっぱりアメリカ・ファースト,だったのかな・・・

そして,「都民ファースト」を掲げ,人気となった小池氏は,都民ファーストの会代表を電撃辞任

「自分ファースト」のふるまい,と揶揄する向きも・・・。

 

 

ところで,このサイト,「自分ファースト」と銘打っていますが,

私が言っている「自分ファースト」とは,これらの「●●ファーストとは,全く異なります」

私が言う「自分ファースト」は,夏目漱石が「私の個人主義」で言われている「個人主義」に通じています

 

一人ひとりが,自分自身の幸せを,

社会的な課題を解決する責任を持ち,その義務を果たしつつ,追求する

他者を尊重することを条件に。。。

 

そのためには,

 

 自分の強みや個性,自分という軸を持つことが重要になる

 

ということです

 

そんな自分の考えを軸に,

自分ができることは何だろうか? でも,さまざまな点,が,少しずつ線になってきているな

そして,周囲の方々に本当にお世話になっているな

と,改めて考え,感じた一週間でした

20171104-20171110を振り返る

 

【今週の一冊】

「「天才」は学校で育たない」 汐見 稔幸 著

 

 

アメリカ大統領が,就任後初めてアジア諸国を歴訪しています

報道の中心は,対北朝鮮,米国からの貿易拡大・米国への投資拡大,といったことが中心のようです

 

表面上見えることは,

アメリカは,日本との蜜月ぶりを核に,韓国・中国の首を縦にふらせる,というやり方でした

その成果をもって,アメリカ国内の「不満」の抑え込みを図ろうとしているように見えます

中国は,政権強化がなされたこと,と,その力の誇示のために,

韓国は,景気含め国内問題の解決の方が先,で,政権批判されない,あるいは,それをかわすために,

それぞれアメリカを使おうとしている

と,ざっくりまとめられるでしょう

 

 

さておき,

第4次安倍政権の「革命」2本柱の1つについて,2兆円もの政策の骨格がまとまりました

大きく報道されるのは,「教育無償化」の話,なのですが,どうもピンと来ません

 

「革命」と銘打つ以上,無償化施策程度の範囲に留まるわけにいかないでしょう

確かに,幼児世代からの教育は,その教育効果が生む将来的な経済効果が高いことも示されており,

絶対に必要な対応,と言えます

一方で,その世代が中心となって「社会を背負う時代」は数十年後

その間の社会の急速な変化に,どう対応するのでしょう?

 

先行者利益が,2番手以降を圧倒的する時代,そんな悠長なことを言ってもいられないのでは?

とすれば,社会人や大学生といった世代に,教育投資する必要があるのでは?

当の世代は,「画一的な商品・サービスの大量生産・大量消費の高度経済成長時代の教育」の延長線の制度下で育った世代

この世代の価値観を少しでも揺さぶらないと,各市場で先行することなど,どこもできないでしょう

 

 止血と抜本的な解決は両面から

 

これは,企業活動においては鉄則ですが,

国の運営でも,また,教育においても同じことが言えるのではないでしょうか

そう考えると,教育面での止血の対象は,

 

 大学生・社会人への教育

 

なのでは?

 

そして,外交面で考えると,止血と抜本的な解決策は,どう考えられている?

というより,外交の方は,どうも抜本的に見直すことは考えられていないような・・・

 

そんなことを考えた一週間でした

20171028-20171103を振り返る

 

 【今週の一冊】

「自閉症感覚」 テンプル・グランディン 著

 

 

第4次安倍内閣が発足しました

「仕事人内閣」という看板がどうなったのか「?」ですが,全閣僚が留任

「人づくり」と「生産性」を両輪に運営されるそうですが,内閣の役割を考えると,予算投下・政令などの面で業界を支えます

ということになるのでしょう(外交は,安全保障とTPP11含めた通商,なんですかね)

 

ところで,生産性は,

 

 生産性 = Output÷Input

 

で表現されます

企業側に賃金3%引き上げを求める,という話もあったかと思いますが,

それでも生産性を向上させるなら,Outputの拡大をしないと話になりません

「サービス産業の生産性が低い」という指摘もされていましたが,

労働集約型のサービスで単純に人件費を引き上げたら,さらに生産性は下がるわけです

 

大手都市銀行が,AIやらRPAの導入やらで,

合わせて数万人分の事務処理経系業務削減を表明されていますが,それはInputの削減

Outputの拡大はどうなっているの? という疑問が浮かびます

マイナス金利ですよねえ???

 

広告のマスメディアからソーシャルメディアへの移行で,

Outputの拡大(?)という面をリードしてきたSNSも,

アメリカ大統領選をめぐる疑惑で岐路に立たされています

 

 「SNSは,プラットフォーム? メディア?」

 

アメリカ議会は「メディアなら(というより,メディアなんだから)情報に責任を持て」

という論調のようです

気持ちはわからなくはないのですが,

それってそもそも表現の自由や信仰の自由などに抵触しそうですし,

自分たちが批判している中国の情報統制と一緒では? 

Outputもしぼんでしまうでしょうし・・・

 

Output拡大の具体的なアイデアがない中で,

今,手を打てるのは

 

 教育

 

なのではないか,と思います

それも,みんながどんな分野でも平均的な力をつけるという既存のものではなく,

強みを生かせる,伸ばせる教育

そして,自分基準で価値判断できる力をつけられる教育

 

ただ,企業にそれを求めるのは酷ではないかと思います(教育をサービスにしている企業は別として)

世間も含めて俯瞰の目で見るには,

自社内業務においてでさえ高度に分業化され過ぎてしまっています。。。

学校に求めるのも厳しすぎ,でしょう

学習指導要領というよりはむしろ教科書に縛られ過ぎてしまっていますし,

生活指導や保護者対応,事務処理などなど

求められるものがあまりに多すぎます

そして,教育手法も,単に紙をタブレットに変えるというような媒体変更では,

何の意味もないでしょう

 

 もっと学び方や教授法にスポットを当てるべき

 

と思います

その意味で,教育の無償化ではない,でしょう

無償化したところで,質を伴わなければ時間のムダにお金をかけるみたいなもの,ですから・・・

そんなことを考えた一週間でした

20171021-20171027を振り返る

 

【今週の一冊】

「日本国憲法」

 

 

日本の国権の最高機関のメンバーを決める選挙は,与党,というよりは,自民党の大勝と

やむなく立ち上がった(?)立憲民主党の躍進という結果になりました

突然の解散と,森友・加計問題への隠蔽疑念への与党への風当たりの強さに始まり

希望の党への期待と,男を見せた(?)前原氏の民進党解体決断(なのか?)

小池氏の「さらさら」「排除」発言に,枝野氏の新党結成

そして,大賞にも関わらず,安倍総裁の「謙虚」「真摯」のオンパレードの選挙後談話・・・

 

 口は禍の元

 強い言葉の使い方には気を配る

 梯子を外されるとどうなるか?

 改めて,日本人や日本の,気質としての判官びいきと協調圧力の強さ

 

などなど,「教訓にすべきこと」が噴出し,かつ,本質的課題が見え隠れした,一連の選挙戦だったように感じます

 

「協調圧力」と言えば,神戸製鋼や日産自動車の問題にも,同じような本質的課題があるように感じます

「やるな」と指示を出していても,現場はやってしまう・・・

TOPや経営層の求心力の問題もあるのかもしれませんが,

閉じられた組織内の協調圧力は,想像以上に大きいかもしれません

 

ただそれは,決して負の側面ばかりではないのでは?

何かを実現しようとするとき,みんなが同じ方向に向かおうとすることは,本当に大きな力,武器になる・・・

日産自動車は,指示命令系統をフラット化するそうですが,仮にそれだけだとしたら,うまくいかないような・・・

(きっと日産さんは,それだけしか手を打たないわけではないでしょうけれど)

 

強みを生かしつつ,弱みを打ち消したいのですが,そんな方法はあるものなのか?

弱みを消そうとすると,強みも消えるかもしれない・・・

それが「常」なので

一つのアイデアは,

 

 「基準を明確にしつつ,一人ひとりを良く知ること」ではないか

 

と私は考えています

強みと弱みとが組み合わさるように組織化する

そして,強みを持つところで,それぞれが主導の役割を果たす

 

1つのケーキを分け合うとき,絶対に不満が出ない方法は,

一方が納得する形でケーキを取り分け,分けられたものからもう一方が好きな方を選ぶ,という方法だと言います

この応用,というか,適用,です

ただこれは,「どちらもより多く欲しい」という基準が明確なときにだけ成立する論理でしょう

だから,基準の明確化は必須ですし,

余計な要素が入らないよう,きれいに分けられるという強みを持つ方が取り分ける

だから,強みを含め,一人ひとりをよく知ること,が大切になる

 

もちろん行うは難し,なのですが,やる価値はあることなのでは?

そんなことを考えた一週間でした

20171014-20171020を振り返る

 

 【今週の一冊】

「コモン・センス」 トーマス・ペイン 著

 

 

中国で5年に一度の共産党大会が開催されています

冒頭,国家主席が表明したのは,アメリカと並び立つ強国になる,という長期ビジョン

抱える問題の大きさから,そのビジョンに現実味があるか,という点で疑問を持たれる方々も多いようですが,

それでも,そんなビジョンを掲げられることに,中国という国の強みと凄みを感じます

 

翻って日本は?

この日曜日,は,衆院選

各党が,選挙戦を繰り広げてきましたが,

その中で各党が主張したことの中に,長期ビジョンを語る党はどの程度あったでしょう?

 

 今日の10円,明日の100円

 

 

今週もいろいろな問題が発覚しました

神鋼問題,日産問題は,まだまだ尾を引きそうですが,これは神鋼や日産だけの問題なのでしょうか? 

「高品質」で売ってきたはずの日本の製造業,ですが,「?」をつけられてもおかしくはないでしょう

米軍機の墜落事故が発生しました

事故の発生自体は仕方がないとしても,事故原因を調べることもできない地位協定という現実

今後の社会の,ある意味ではインフラとも言えるIoTを支える基盤にぜい弱性発覚

過去の遺産も,将来に向けても,課題が多いと言えるでしょう

 

ただ・・・

課題はあげつらえばいくらでも出てくるもの

100%安全,とか,100%安心,なんていうのは神話ですから

であれば,将来をある程度描いて,課題を乗り越えていけるよう考えた方が良いでしょう

世の中の動きを見ると,どのような方向に向かっているのか,は,わかるはず

少なくとも,上下反対の方向には向かっていないでしょうし,時計の針を戻すこともできないわけですから

 

 

 できないこと,は,できないこととして,強みを生かす時代

 何でもできる,は,強みにならない時代

 

そんな時代に向かっているのではないか,と,私自身は感じています

そして,そんな時代だからこそ,長期ビジョンを立てることが必要なのではないか,とも

夢や希望に近いのかもしれませんが

 

 実際に長期ビジョンを立てるには,

 できないことを実際に持っている方々から,多くの学びがある

 現実からも,歴史からも,SFなどの世界からも・・・

 

そんなことを考えた一週間でした

20171007-20171013を振り返る

 

【今週の一冊】

「予想どおりに不合理」 ダン・アリエリー  著

 

 

ノーベル経済学賞は,経済学の新しい可能性を提供したセイラー氏が受賞しました

 

 人間は,必ずしも合理的ではない

 

という前提に立った氏の研究とその応用は,

古典的な経済学のアプローチとは全く異なるもの,と言えます

一方で,それがどれだけ今の社会に貢献できているか? と言えば,

必ずしも十分とは言えないでしょう

大手自動車メーカーや,神戸製鋼の不祥事は,その事実を端的に表しているとも言えるのでは?

とも思えます

 

 ナゼ,品質を担保する「しくみ」が機能しなかったのか?

 

ここには,国レベルの大きなくくりでの経済合理性と,

個人や企業など,相対的には小さな単位における経済合理性との「比較」に問題があるように思います

事が起きた時のリスクの大きさ,つまり,集団に対する経済的な打撃と,

今,目の前の圧力に抵抗することで生じる,自分への直接的な経済面での打撃

これを冷静に比較することが可能なのか? これに抗うことができるのか?

 

今,私は一人で仕事をしているのですが,

仕事をするうえで最も重要なのは信用・信頼だ,と考えています

信用・信頼がある限りは何とかなるだろう,とも思っています

一方で,信用・信頼を失ったら全てを失う,とも言える・・・

自分の価値観の問題もあるのですが,

一人で仕事をするという「しくみ」の中にいるから,弱い心を持ったとしても,それに打ち勝とうとするのかもしれません

 

衆院選が公示されました

立候補したのは,1180人なんだそう

それはともかく,安倍首相はイヤだけど,自民党が良い,と有権者のみなさんが相当数いらっしゃるのだそうです

だとすると,その方々が実現したいのは,安倍首相に交代いただくことだけ

なのに・・・できない・・・その「しくみ」がない

さらに,森友学園問題や加計学園問題などが,安倍首相に交代いただきたい理由なのだとしたら,

そんな「疑惑」を生むような行動を抑制できる「しくみ」づくりの方が,本来重要なはずでは?

北朝鮮問題も同じかもしれません

 

 どうも行動を起こさせないためのインセンティブと「しくみ」が,世の中に不足している・・・

 

人間一人ひとりは決して強いものではない,という立場に立てば,やれることはたくさんありそう

そして,その「しくみ」を考えるとき,行動経済学の視点を取り入れる

 

起きた事象にや起きている事象に対して,感情で対応しても,解決には至らないのでは?

当たり前,なのかもしれませんが,

その事象が起きる原因にまでさかのぼり,その課題を明確にし,具体的な課題解決策を考える

その解決策の一つがしくみというものではないか? 

そんなことを考えた一週間でした

20170930-20171006を振り返る

 

 【今週の一冊】

「誰が「働き方改革」を邪魔するのか?」 中村 東吾 著

 

 

日本の衆議院総選挙は10日公示を前に舌戦開始,という雰囲気です

民進党が分裂,で,3つ巴の戦い,などと評されてますね

誰が総理大臣の座を射止めるのか,に,本当に興味がある人はどれぐらいいるのでしょう?

それよりも,自分と自分の家族や,自分の大切な人々が幸せになること,が,最優先なのでは?

だとしたら,幸せって何だっけ? を,まずは考えること,が,大切になりそう,です

 

 今と将来の生活を守れる

 

つまり,生理的な欲求が満たし,安全を保障し,自分の居場所があること

まずはこれがきちんと満たせるよう,国を運営できるのは誰なのか?

自分や家族や大切な人々の価値を高め,自分の想いの実現をサポートするしくみを作れるのは誰なのか?

 

日本国内だけを見ると,見誤ってしまうかもしれません

日本は日本だけで生きているわけではないわけなので,国際的な評価,というのも,大切な視点でしょう

 

耳障りの良い話をするのはいいのですが,

 

 実行力が伴っているのか? 

 

も,大切ですよね

少なくとも,人気投票じゃない,ので

好き嫌いを抜きにした,冷静な判断が重要なのだと思います

 

アメリカで,銃乱射事件が発生,過去最大の犠牲者を出しました

支持基盤がライフル協会だから,銃規制はしない,というトランプ大統領を見て,どんなことを感じるでしょう?

それが仮に日本の出来事だったとしたら?

日本は,国の歴史としても,その価値観としても,「自分の身は自分で守ること,が,前提」という国ではない,ですね

アメリカは,そういう歴史も価値観も持っています

だから,国を二分するような話になってしまうわけですが,

日本の場合は,何が大切にしたい歴史や価値観なのでしょう?

将来的に向かいたい話と,現実問題として今できる話と,区別することも必要でしょう

たとえば,これだけ電力を使っていて,今すぐ原発を止めます,というのは現実的なんでしょうか?

 

ノーベル賞受賞者発表の週,

村上春樹さんは,今年も文学賞,受賞できませんでした

でも,それよりも,核兵器廃絶国際キャンペーンが平和賞を受賞したことの方が,私には重要なことに思えます

そして,日本がアメリカの核の傘下にある現実を,改めて思い知らされます

 

 今の選択が,将来に禍根を残さないこと

 今が理想とかけ離れているなら,

 理想に対して,現実的なプロセスとして考えられていること

 

国も,企業も,各個人も,大切にすべきって,そういうことなのではないかな?

そんなことを考えた一週間でした

20170923-20170929を振り返る

 

【今週の一冊】

「さあ,才能に目覚めよう」 バッキンガム/クリフトン 著

 

 

衆議院解散,総選挙に向かうことが決まりました

小池都知事は,自らが党首となる国政新党を結成

政界再編の動きに突入,です

 

一連の動きの中で,冷静に見たいところがあります

それは,「これまで誰が仕事した?」 そして,「今後誰がちゃんと仕事する?」

 

人気のあるなしは,一つの視点として重要です

人気は,人を動かす大きな力ですから,これは間違いなしに「強み」です

ただ,人気がある人が,何でもできるわけではない,のも事実でしょう

 

 人の能力には凸凹があり,強みがあれば弱みも必ずある

 

だからこそ,減点主義で評価するよりは,

政権与党がどんな実績を上げてきたか,そして,どんな実績を上げられそうか?

野党がどんな実績を上げてきたか,そして,どんな実績を上げられそうか?

新党がどんな実績を上げてきたか,そして,どんな実績を上げられそうか?

誰(どこ)なら目の前に迫る危機にベターな対応ができるのか? 先延ばしできないことは誰(どこ)の責任でやるのがベターなのか?

を,事実としてとらえ,評価し,見極めることの方が大切でしょう

 

各国の状況は,日本の政治を選ぶ際の大きな参考になるはずです

ドイツでは,現首相の4選が確実な情勢も,第2党の勢力の大幅な後退で,

ポピュリズムを煽る極右政党が第3党に躍進

そして,第3党に躍進させた「そうは言いつつもバランスを取りつつ」推進してきた党首は,

近く離党だそう

アメリカは,ご存知の通り(?),かなりユニークな大統領が,

国内でも,国際的にも,大きな物議を醸している

フランスでは,選挙大勝も,血を伴う改革をしようとしている政権に,逆風が吹いているそうです

どこと同じ道を歩むのか? あるいは,どことも違うオリジナルな道を歩むのか・・・

 

私たちが政治に託すことの一つに,

今後の世界の競争で勝ち抜くための最低限のしくみを整備すること,があると思います

日本の学習指導要領がどこよりも細かく,どこよりも教科書検定というものが機能し,どこよりも入試制度が画一的である,という事実は,これまでの日本の成長,極論すれば,「枠を作って,その枠にはまった人材を大量生産し,社会に送り出すことで,効率よくものをつくること」に,大きく貢献してきたと言えるでしょう

ただそれは,これからの世界と競争で求められるあり方なのか?

 

 弱みには目をつぶり,強みを使って貢献する

 

これが今後の世の中のキーなのでは?

(ビジネス書の世界では,そればかりと言っても過言ではないような・・・)

そんな日本を作っていくことを目標に,それを推進していくこと,が,国政には求められるのではないでしょうか

 

そんな大局観を持って,自分のやることも,投票先も選んでいく

少しずつでもそんなムーブメントを,自分の中で作っていく

そんなことを考えた一週間でした

20170916-20170922を振り返る

 

 【今週の一冊】

「シンギュラリティ・ビジネス」  齋藤 和紀 著

 

 

衆議院は解散総選挙に向かっているようです

森友・加計問題はともかく,重要法案を審議予定の中での断行

政局問題というとらえ方はありつつ,違う見方もできるのでは? と思います

 

今週もAIに関する話題や労働力に関する話題に事欠かない週でした

法が整備されていようがいまいが,世の流れが完全に出来上がっている,と言えるでしょう

日本という国が抱える借金問題の解決を先送りしてでも,かけるべきところに金も労力もシフトしないと,

そもそも国が維持できないと判断されている,ともとらえられる,ということです

 

そこまでの話になっているのはナゼなのでしょう?

実感レベルでは気づきにくいのですが,世界は今,大革命の時代の入り口にいます

先行者が利益を独り占めする時代に突入しつつあるのです

これまでの日本は,極論すれば2番手の位置を取ることで,利益を確保してきた,という経緯があります

いわゆる「追いつけ! 追い越せ」というモノです

でも,これからの時代は,何が何でも先行できる領域を作ることが必要

発想の大転換が必要になっている,ということです

 

そんな時代に重要になるのは教育なのではないか,と思います

教育する内容というか項目というよりは,

教育を通じて得られる効果であり,マインドセットの面,と言えるかもしれません

大局観は持ちつつ,開拓の精神を育むこと

ある意味では,リスクを回避するより,チャレンジすることを後押しする,そんなマインドセットをする教育です

 

ただ,人間は,本能的にリスクを回避する性向を持っています

それでもチャレンジに向かわせるのであれば,

チャレンジすることがマイナスにならない,というより,

チャレンジすることが保障され,推奨され,それが個人の不利益にならないようなしくみが国にも企業にも必要になるのではないか・・・

 

教育の本質とは,内容というか項目というか,そういうものよりも,

それを通じて学び方を学ぶことであり,ある種の方向のマインドを養うことではないか,

そんなことを改めて考えた一週間でした

20170909-20170915を振り返る

 

【今週の一冊】

「日本の競争戦略」 マイケル・ポーター/竹内弘高 著

 

今週はドイツでモーターショーが開かれました

ここで注目されたのは,自動運転車でもなければ,IoTでもなく・・・燃料の変化,です

英仏に続き,中国も「自動車燃料の変化を伴う目標」を,正式に表明しています

これは,環境問題という機会を使った,自動車産業という市場での「競争ルール」の変更を狙った動きである,ととらえることができます

もちろんこれは,既存の競争ルール上の弱者にとっては大きなチャンスではあるのですが,チャンスはそれだけではありません

描く将来の姿にたどり着くには「過渡期」が存在するわけで,ここにもチャンスは転がっています

自動車の話で言えばトヨタはいち早く,現在の主力商品を「過渡期の戦略商品として位置づける」と宣言しています

 

日本が抱える問題は,大きな目で見れば,人口減・超高齢社会の中で,どう経済面の課題を克服するかだ,と言えるでしょう

現時点では,労働者不足が深刻な問題になっていて,女性の活躍・定年後ろ倒し,など,人材確保につながる施策に躍起のように見えます

でも,少し長い目で見た時には,「労働生産性をどれだけ高められるか?」,つまり,今より少ない人数(=人口)で今より「世界で」稼げるようになることが,問題であり目標だ,と言えるわけです

それがわかってはいても,いきなり昨日までの姿をガラガラポン,今日からこれで,というわけにはいきません

だからこそ,それなりの準備,どうステップを踏むか・・・,それがチャンスにもなり得る,というわけです

 

政府レベルでの危機意識は相当なものだろう,と推測できます

「働き方改革」を中心に,次々と施策が打たれ,情報が流されているのですから・・・

ただ,企業においては様子見が続いている,という見方もできるかもしれません

企業は,国と比較すれば,「目先の10円」の方が重要な面もあり,どうしても慎重にならざるをえませんから

(その他にも,会社という組織の評価のしくみにも問題がありそうですけれど・・・)

 

そんな中で,私たち一人ひとりができることは何でしょう? 

もちろん待つというのも1つの選択でしょう

でも,待っているだけではジリ貧になりそうです

1つの方法は,国がどう動こうとしているか,という予測を立てることだ,と思います

 

 大元が変われば,自分にも影響が出る

 大元がわかれば,自分がどうすべきか,を考える情報になる

 

私がよく使うたとえ話に,ゴルフの話があります

ボールを打った時,その打ち出し方向の差はほんのわずかであっても,ボールが落下する地点は,大きな差が出ます

だから,どちらが目指す方向なのか? 大元がどちらを向いているのか? は,とても重要なことだと言えるわけです

大元の情報,つまり,国が進めようとしていることをきちんとウォッチすることは,私たちが何をすべきかのヒントになるはず,です

 

そしてもう1つ,忘れてはならない視点があります

ゴルフは,数打をつないでカップにボールを運ぶというゲーム

大きな方向が間違っていないなら,カップに近づいておくことで,その後のショットでリカバリーをするという方法もあるわけです

ゴルフとの差は,

 

 「現実社会の競争には,先にカップ(=ゴール)にたどり着いた者に大きなメリットがある」

 

という点

つまり,先読みして動き,ゴールに近づいておいて,次の打ち手で軌道修正をした方が有利だ,ということです

 

元に戻って打ち直しはしないよう,打つべき方向には注意しつつ,それでもカップには近づいておく

同時に,より上手くボールを打てるだけの技術を磨いておく

自分にできる準備はそういうことなのではないか? と考えた一週間でした

20170902-20170908を振り返る

 

 【今週の一冊】

「人を動かす」 デール・カーネギー 著

 

 

アジアの隣国を巡る問題で,その対応策で溝ができています

力で制圧にかかるのか,対話を繰り返すのか・・・

 

 

テクノロジーを手に入れると,新たな「欲」が出てくる,それを武器に事を動かそうとする

これは,歴史を振り返っても,厳然たる事実でしょう

また,カントは,「平和の状態,とは,不自然な状態 = 人は戦争を好む」と言ったそう

これらの見方から考えれば,隣国の脅威,は,杞憂とするには大きすぎる問題かもしれません

 

テクノロジーの発展自体にも,新たな脅威を生むという負の部分があります

一つには,その悪用

もう一つには,その使い方をすることの意味理解力の不足による誤用

先日も,メルカリだったかで,コンピュータ・ウイルスの作り方を販売した中学生がいて,捕まったそうですが,これは後者の色合いが強いのではないか,と想像します

 

環境の変化でも,新たな脅威が増えるという側面があるでしょう

この夏の日本の長雨,昨今起こり続けるゲリラ豪雨,カリブ海地域やアメリカを襲っているハリケーン・・・

人間が環境に悪影響を与えた結果,との見方もありますし,

自然の緩やかで,しかし,大きな変化の1つに過ぎない,との見方もできます

 

このように,新たな脅威が続々と出現するのが現代

その中で,何を自然な状態とするか,人が求める状態と考えるかで,見方が変わるでしょう

とすると,正しい判断をするには,何が本音で,何が建前なのか,を見極める力が必要なのでしょう

そして,それが関係者にとってどんな意味があるのか? を,プラスして見極める力が求められるように思います

 

 

仮に中国・ロシアが,ただアジアの平和を求めているだけだ,と仮定したとき,

対話路線の継続,というより,むしろより対話路線へ踏み込む,という解決案は,決して否定するような話ではないように思えます

むしろ,強硬路線より,余程効力を発揮する可能性すらある,というより,

強硬路線が「自制」を促すことすらできなかった事実からしても,大いに検討する必要がある・・・

 

「やってみせ,言って聞かせて,させてみて,ほめてやらねば,人は動かじ」

 

こう言ったのは,山本五十六

同氏の評価はともかくとして,この言葉にあるような接し方ができているか? と問われると,それはNOとしか答えられないでしょう

 

暴挙は暴挙としてとらえるとして,

ただ「ダメ」と言う,ただ罰を与える,だけでは,暴挙に出た同国の指導者を動かせないかも・・・

人に動いてもらう,人を動かすには,どうすべきか? を改めて考えよう,そう思った一週間でした

20170826-20170901を振り返る

 

【今週の一冊】

「日本でいちばん大切にしたい会社3」 坂本 光司 著

 

北朝鮮による武力の脅威は,さらに強まりを見せています

今回の武力関連行動は,国連安保理で全会一致での批判声明の発表となりました

とはいえ,日本を含むいわゆる旧西側諸国と,中国・ロシアといった近隣の大国の受け止めでは,温度差がある状態

なぜか?

 

 アジアに武力配備するアメリカの方が,よほど脅威である

 

特にロシア高官の発言は,その点を指摘しています

解決のヒントは,キューバ危機や,それを論理的にとらえたゲーム理論にあるとも思うのですが, 

いずれにせよ,立場が変わればとらえ方も違う,ということを,端的に表していると言えるでしょう

 

 

先の土日,毎年恒例の24時間テレビが放映されました

同番組が訴えようとしていることと実際のプログラムとの差,なども含め,批判の声もあります

事実,私自身も懐疑的な気持ちを持っている部分があります

同番組が訴えようとしていることを,

日々の事業とし,苦しみながらも具現化されている企業が数多くある,というのが,理由の一つです

とはいえ,今年で40回を迎えた同番組

それだけ支持され続けてきた,と言えるかと思います

 

 多くの支持を得られることはあっても,全員に支持されることはない

 現実社会で,ゼロ・サムゲームは起こらない

 

このことは,マイナスにとらえることもできるでしょうが,

逆に自分の人生や生き方を考える上で,勇気を与えてくれることでもある,と感じます

自分にはやるべきことがある,支持してくださる方々もいる,と,胸を張る勇気をくれる

 

 

先日ご挨拶させていただいたクライアント様から,交換させていただいた名刺でご指摘を受けました

私の名刺,とある方からアドバイスをいただき,私の新たなチャレンジの意味も込めて作成したものだったのですが,

余計なご心配をおかけしてしまいました

初対面であったにも関わらず,端的に,アドバイス頂きました

他人(=私)がやっていること,で,結果は私に降りかかるだけなわけですから,流そうと思えば流せること,それでもご指摘くださった

 

元いただいたアドバイスの意図するところと,ある意味では対立するようなアドバイスを頂戴したのですが,それでも,本当にありがたい話,でした

指摘をしていただけるような場は,大人になればなるほど減っていきますし,本質的には他人事,なのですから

 

良いも悪いもその人次第,とは,よく言われる話ですが,

実感レベルでそれを試される機会を与えていただけた

そんな貴重な経験をさせていただいた私にできることは,

謙虚さを持って,そして全力で恩返しすること

そんなことを考えた一週間でした

20170819-20170825を振り返る

 

 【今週の一冊】

「SUPER BOSS(スーパーボス) 」 シドニー・フィンケルシュタイン 著

 

昨日はプレミアムフライデー

初めてのイベントを開催しました

出席された皆さん,おつかれさまでした,そして,少しでも得るモノがあればいいのですが・・・

 

私は,仕事だけが人生だと思っていませんが,仕事での成果はものすごく重視しています

と言うよりはむしろ,幅広い知識や興味関心を持ち,考え,アウトプットすることが,仕事の成果にもつながる,と考えています

世の中の動きを知り,それに対して自分なりに考え話す,人の考えも聞いてみる

そんなことの積み重ねが,実は仕事に返ってくるのではないか,ということです

 

大きな社会で起きていることは,小さな世界でも起きること,起きていること,のはず

つまり,一つひとつの仕事にも起きること,と言えるでしょう

自分への影響は何か? を考えるのはもちろん,自分の仕事にも応用できるはずだ,と思うのです

 

 

今,最も注目すべきものの1つに,間違いなく北朝鮮VSアメリカ,があるでしょう

まさかの事態にまでなる確率は,実はそれほど高くはないのかもしれません

とはいえ,今のアメリカという国が,どうもこれまでほど信用できる状況ではない

それなりには緊迫した状況下であるはずなのに,国を分断するようなことが起きてしまっている

それを作り出しているのがリーダーである大統領,という状態

イラク戦争の折,それがよかったか? は別として,国民の9割が賛成するほど「統一」の力を持つアメリカ

その面影は,まるでないような・・・

これは,日本も同じような状況でしょう

 

ただ,この状態を生み出してしまっているのは,過去の私たちなのでは?

私たちがリーダーに求めるものを「間違った」から(?),今の各国のリーダーが存在しているのでは?

 

 

これをそのまま仕事での状況に置き換えたらどうでしょう?

自分がリーダーに求めていたのは何だったか?

ひょっとしたら,リーダーに求めるものを間違えていたかも?

 

また,自分はどんな将来像を描くか?

リーダーになるとしたら,どんなリーダーになるのか? どんなリーダー像を描いているか? 

その実現のために,どんな行動をしているか? していないのか?

 

 

GIVE&TAKE,という言葉があります

TAKE&GIVE,とは言わないわけで,つまりは,与えない限り,与えられることはない

そう考えると,その一つひとつは小さくとも,まじは自分が行動を起こせることがたくさんあるのではないか? 

 

そんなことを考えた一週間でした

20170812-20170818を振り返る

 

【今週の一冊】

「北朝鮮―変貌を続ける独裁国家」 平岩 俊司 著

 

8月15日は,世界各国にとって重要な日です

ただ,そのとらえ方は,日本と,その他の国々とでは別

そんな当たり前のことでも,たくさんの知識を持っていても,

意識していないと気づかない,というのが,人間というものでしょう

 

北朝鮮と米国の対立が,ますます激しくなっています

その中で,

 

 ナゼ,北朝鮮は,その軍事力を急速に高められたのか?

 

といった,「裏に隠れていた事実」が,少しずつ表に出始めています

もちろん,「きっとそうだろうなあ・・・」と予想はできたたこと,です

それでも,「隠していても隠しきれない = 事実として表に出てくる」ということが実は重要であることは,PKO日報問題,加計問題,森友問題の「解明状況」からしても明らかでしょう

 

 

アメリカ・バージニア州で,人種差別に関わる大規模な衝突がありました

トランプ政権の誕生という事実からも予想されたことですが,

思っている以上に,アメリカという国の中で,いろんな感情が渦巻いている

その事実を隠せなくなってしまっている

つまり,人種のサラダボウルと呼ばれ,それを包み込むだけの国としての器があったアメリカが,

それだけの力を持ち合わせていない,と取ることができるように感じます

 

このことが,各国の「動き」に大きな影響を与えている・・・

北朝鮮はもちろん,中国,ロシア,ウクライナといった,米朝対立の関係各国,

イラン,インド,英国,EU,北米の2国・・・

アメリカが覇権国家であったのですから当然と言えば当然ですが,

このところの各国の「発言」や「行動」は,アメリカという国が(あえて言いますが)弱体化している状況を,各国が「事実・実態」として受け止め,対応を始めている

 

北米3国における貿易協定の見直しも,米国が思うほどはうまくいかないのではないでしょうか?

(米政権は,その「成果」を強調はするでしょうが・・・)

 

トランプ大統領は,就任時に「make America great again」と演説しました

確かに支持者受けする言動・行動は,一時的に得策に見えるのかもしれません

でも,世界に生きるのは自分たちだけではないわけで・・・

 

 

私たちは,どうしても自分たち中心で物事を見がちですが,

それぞれの立場で見方は違うこと,そもそも物事のとらえ方には複数あることを忘れてはならない

だからこそ,敵,ライバルに限らず,相手を知ることが第一歩になるのではないか

 

そんなことを考えた一週間でした

20170805-20170811を振り返る

 

 【今週の一冊】

「ご冗談でしょう,ファインマンさん」 R.P.ファインマン 著

 

北朝鮮と米国との間で,対立が激しくなっています

 

北朝鮮の軍事力は確実にレベルアップしているようで,各国の制止にも,耳を貸す様子は見えません

「窮鼠猫を噛む」という言葉があるように,追い込まれれば追い込まれるほど,その動きが加速する可能性は否定できないでしょう

 

一方の米国は,対話路線への誘導姿勢を見せつつも,強硬な言葉を投げかける,という二枚舌作戦

これは本来は正攻法なのでしょうが,

米北対話という「飴」だと思っているものが,北朝鮮にとって「飴」に見えていないのだとしたら?

 

日中戦争から第二次世界大戦に向かっていってしまった当時の日本と今の北朝鮮は,どうも同じような状況にあるように感じます

当時日本は,(どういう歴史観の立場に立とうが)その主張を国際的には認められず,孤立

「何とか戦争は回避したい」との思いを持っていたにも関わらず,引くに引けなくなり・・・

(体験していないので,実際のところは不明ですが・・・)

 

 

日本が決して忘れられない日を,今年も迎えました

現在までに一般市民が60万人以上も亡くなった,とも推計されている核兵器の被害

「核開発に研究者・技術者を総動員する」というマンハッタン計画の中心人物だったオッペンハイマー氏には,「強力すぎて使いものにならない兵器を開発して,人類に戦争のバカバカしさを知らしめる」との思いがあったそう

でも,実際に使われてしまった。。。

開発に参画したノーベル賞受賞者でもあるファインマン氏は,その惨状を知り,激しく後悔したとのこと

 

核兵器という非人道的な武器を持てば,それを使用するリスクは高まります

持たせない努力,は,当然すべきでしょう

でも,「仮に,どの国もその武器を持っていること」を前提としたなら,使用させないようにするにはどうするか? という考え方をすることになります

 

これまでの北朝鮮への働きかけで,核兵器の開発に歯止めをかけることができていません

としたら,使用させないようにするにはどうするか? という考え方に転換する方が,核兵器の利用より余程発生確率が高まっている「朝鮮半島での戦闘の抑制」にもなるのではないか・・・

 

この考えの下で動くとしたなら(そうでなくても),中国・ロシア・韓国との良好な関係は,必須条件でしょう

 

中国では大規模な地震が発生したとのこと

こういう言い方は何なのですが,

こういった大規模災害などには,間髪置かず,大きな規模で支援を表明し,実際に支援することが,

関係良化に向けた大きな機会にできるのではないでしょうか?

 

 

日本がどこに向かおうとしているのは,は,正直よくわかりません

でも,万が一の戦争に備える以上に,戦争が起きないよう動くというのが,憲法第9条を持つ意味であり,日本の最低限の役割,ではないか? 

 

そんなことを考えた一週間でした

20170729-20170804を振り返る

 

【今週の一冊】

「21世紀地政学入門」 船橋 洋一 著

 

改造内閣が発足しました

首相が志向していたのは,憲法改正でしたが,このところの支持率急落で,シナリオが大幅に崩れた結果,と言えるのでしょう

 

「経済再生最優先」

 

首相自身もそう語り,副総裁からも同様の釘を刺された,とのこと

実際,注力すべき領域だとは思うのですが,

「再生なのか?」「再生とは何なのか?」というところから,きちんと議論をしていく必要があるのではないでしょうか?

それは,今後,どんな国を目指すのか? ということにも通じるから,です

 

 

それと合わせて,やはり安全保障の問題は,注力すべき課題でしょう

北朝鮮が威嚇行為を,深夜帯の時間に行いました

朝鮮戦争の休戦協定から64年の節目の日があり,「やるのではないか?」と目されていた日を避けて・・・「やらなかったね」と少し安心したタイミングでの行動だった,とも言えるかもしれません

 

安心が隙を作り,問題が起きる・・・

 

まさに,好事魔多しなのかもしれません

 

 

そして,忘れてはならない原発問題

どうもすぐ忘れてしまうようですが,ようやく廃炉に向けた作業の核心となる溶融燃料の取り出し工法が決まった状態

その工法も,実施例がない

2021年に実施,という目標があるわけですが,厳しいと言わざるを得ないわけです

そんな中で,8/4にニュースとなった,東電の対応

本当にそうなのかはわかりませんが,「安易に計器の故障と判断」って・・・

 

目的があいまいになるルーティン化・作業化により,問題が起きる・・・

 

効率化のみを追い求めたときの大きな問題点なのかもしれません

 

 

このような事実から,私たちはどう対応していくのがよいのでしょう?

ひとつの方法は,

 

 安心しないしくみづくり,と,目的を失った安易なマニュアル化排除のしくみ

 

なのではないか,と思うのです

 

人間の脳は,余計なことをしたがらないというクセを持っているのは,脳科学的にも明らかなのだそう

つまり,安心しきったりやることが決まり切ったりすると,思考停止状態になってしまう,ということ

だったら,その性質を逆に利用してやる,というのが,解決の方法なのではないか?

 

そんなことを考えた一週間でした

20170722-20170728を振り返る

 

 【今週の一冊】

「日本をもう一度やり直しませんか」 榊原 英資 著

 

政府の目玉政策のひとつ,働き方改革

成果主義を根本に持つ制度改革の動きでは,

労働組合のトップ組織の1つでもある連合が,一旦は政府との修正案に合意,その後撤回という動揺が走りました

働き方改革への抵抗が思っていたよりも強い,ということなのかもしれません

それでも,働き方改革の圧力が止まることはないでしょう

 

それは,3年後の2020年の東京五輪開幕に合わせ24日に実施された「トライアル・イベント」の実施状況からもわかります

このイベントには,927の企業・団体が参加したとのこと

そして,イギリスではロンドン五輪を機に,この働き方が広がったという事実

混雑の緩和などを含め,「わかりやすい狙いと効果がある」のですから

 

もうひとつは,AI実用化をめぐる動き

AIが実用化されれば,どうしたって,なくなる仕事,新たに生まれる仕事がありますし,

労働対価の考え方も変わらざるを得ない状況,なのですから

 

 

私たちの生活が大きく変わろうとしている,そんな渦中にもかかわらず,あるいは,だからこそ,かもしれませんが,

世間をにぎわせているのは,加計問題にPKO日報問題などなど

もちろん,不透明なやり取りは問題でしょうが,議論があまりに近視眼的,というか,あおり過ぎ,というか・・・

 

この件を本気で取り上げるのなら,

「日本が置かれている状況はこうだ,この課題解決に向けた議論をし道筋をつけたい,そんなときに,こんなお粗末な疑惑や問題を発生させるとは何事だ!」

と,中長期を見据えて怒鳴り込むの筋なのではないか? と思うのです

そして,「どう落とし前をつけるのか」「今後,どう行動し,実行していくのか」を問う・・・

 

 

東日本大震災がもたらした大きな負の遺産の解決は,「想定されていたとはいえ,あまりに困難だ」ということが判明しました

そして,各所での大雨被害に見られるように,今後自然災害は増えるだろうと覚悟すべきでしょう

既に抱えている財政赤字に,今後も膨らむ一方の社会福祉費用

このようなすでに予想される以上のお金が必要になることは目に見えている,わけです

 

言った言わないのレベルでの情報しか追及する側が持ち得ていないなら,時間のムダでしょう

それより,将来に向けた具体的な議論と行動が重要なはず

でも,政府の大失策で,消費増税含む本質議論や本質的な課題解決の道筋は遠のいてしまったかもしれません

 

いったいどこに向かってる? 

 

そんなことを考えた1週間でした

20170715-20170721を振り返る

 

【今週の一冊】

「良心をもたない人たち」 マーサ・スタウト 著

 

九州北部の大雨は,被害からの復興の途に着いたとのこと

被災された方々はまだまだ苦しい状況が続くのだとは思いますが・・・

注目したいのは,復興への尽力に見る自衛隊・自衛隊員の方々のすごさ

寸断された陸路を,たった3日で仮だろうが復旧させる,って,尋常な能力ではありません

 

そんな自衛隊が南スーダンでの活動中,戦闘があった,そしてその事実を示す日報が存在していた

さらにその日報の存在が発覚したことについて,

「どう隠蔽するか」で大臣と自衛隊・防衛省の間で打ち合わせがあったとか,なかったとか・・・

今頃こんな話が出てきているのは,責任を押し付けられた自衛隊のいわゆる制服組が反乱したから,との見方も

 

さてこのニュース,根本的に,次の2つの背景がありそうです

 

金は出すけど手は使わない,と言われる日本の国際的な立場,と,その立場を利用する各国

(それを快しとしない日本政府)

自己中心主義・責任逃れ主義の散見,と,そんな主義の人見抜けず後から批判する私たち・・・

 

いろいろ学べることがありそうなのですが,ひとつ重要なことは

本気は伝わりにくい,本心でないことはいずれ化けの皮がはがれる,いうこと

 

神は細部に宿る,という言葉があるように,本気であればあるほど,細部にまで配慮がある

だから,仮に一見ひどく見えても,その時は嫌なことに見えても,整合性があるから全体で見るとものすごく良い

一方で,本心ではない作り話は,それを本気で演じきらないと,問題が次々に起きる

 

稲田防衛相に,秘書に暴言を吐きまくった方,レッズの敗戦に対するツイートで品位のない言葉で暴言を吐いた方,お詫びに応援パーティーをくっつけようとされた方,などなど・・・

政治家の本分である「国民のため」に本気で,かつ,良心を持っていたとしたなら,起こりし得ないようなことを起こし続けています

 

そんな方々を見れば見るほど,

 

本心だろうが,作り話だろうが,本気=覚悟,が必要だ

 

ということは,肝に銘じておきたい・・・

 

そして,議員各位が起こしている騒動は確かに目に余るのですが,

でも,この方々,皆さん「衆院議員」です

選んだ私たちの見る目のなさを,絶対に反省すべきでしょう

つまり,覚悟のない人を見抜く力を養うことが大切だ,ということ

 

この2つの力,実は今の時代に最も必要な力かもしれない・・・

そんなことを考えた1週間でした

20170708-20170714

 

 【今週の一冊】

「権利のための闘争」 イェーリング 著

 

音楽関連の権利を管理・保護する団体JASRACが,

先週に続いて権利行使の動きをとっています

保護を受けているはずのアーティストなど,権利保有者側にも賛否の声があるそうです

 

音楽の普及に貢献したいから,音楽教室での利用に権利行使したいとは思わない

私の作ったものなのだから,その権利を守ってほしい

 

どちらの主張にも一理あります

それでも

原則を考えて判断する必要があると,私は思います

 

ITの発展で,文字も,音楽も,画像も,映像も,いくらでもコピーし放題という現実があります

その結果起きたのは,DeNAを中心に問題となったキュレーションサイト

他の人が作ったものを,平気でコピーして,「自分のもの」として掲載してしまう

これは一例にすぎません

他人(他者・他社)の作ったものを転用するハードルは,どの領域でも格段に低くなっています

だから,他人の作ったものを使用することへの倫理的意識は,低くならざるを得ない状況です

 

では,どうするか?

方法はいくつかしかないでしょう

 

1 実態を優先して,今後は権利として認めない

2 権利を守る,そのために,法的な制約や教育を強化する,侵害された場合は確実に権利を行使する

3 コピーガード機能にあたるようなものの技術拡張で,権利を侵さないしくみを構築していく

 

仮に1を支持するとしたら,法や権利の問題以上に,あらゆる約束自体が成立しなくなる可能性があることが,少し考えればわかるでしょう

 

とすると・・・

G20やTPP交渉など,国際的な会合が開かれたものの,大した成果が上がらない状況です

しかし,ひとつの原因となっている北朝鮮の動きも,アメリカの保護主義的行動も,誰も批判などできなくなる

九州の豪雨による被害は非常に大きく,また,復興への足取りも重い状況で,

関東はじめ,日本中で,猛暑や局所的な豪雨など,不安定な天気に覆われています

が,そんな自然の脅威のみならず,人間社会自体が,人間の脅威となってきてしまう・・・

 

もちろん,「このぐらいは」という,車のハンドルの遊びにあたる部分は必要でしょう

それでも,

 

「原則があったうえでの遊びである」という「原則」をつくること

 

が,自分の考えを整理し,主張していくためには必要だろう・・・

そんなことを考えた一週間でした 

20170701-20170707

 

【今週の一冊】

「大衆の反逆」 オルテガ 著

 

今週は,本当に大きなニュースが4つほどありました

 

1つ目は自然災害
「日本が熱帯化している」
という話も耳にしますし,実際10年に一度,がこれだけ頻発すると,
この状況が普通なのだ,と考えるほうが妥当なように思います
自然の脅威の前に,個人としての我々は無力

 

2つ目は,隣国の動き
またしても暴力的な行動をとったわけですが,
個人としての我々は無力ですし,恐らく同国の大部分の人々も同じなのでは?
これ以上暴力的な働きかけがエスカレートしないこと,を願うばかり・・・

 

3つ目は,グローバル社会での保護主義の圧力に対する,日本と欧州との関係づくりの話題
実際問題として,先進諸国での保護主義化への圧力は収まらないでしょう
ですが,グローバリズムから一転保護主義,では,あまりに変化が大きすぎる,影響が大き過ぎる,極端過ぎる
特に日本というエネルギー資源のない国にとって,貿易ルートが確保されていることは非常に重要です
その意味で,国は米国とのバランスを考えながら,うまく力を発揮したように思います
(もちろん,酪農など,影響が出る方々はたくさんいらっしゃるわけですが・・・)

 

 

そして最後の話題は,首都の議員選挙
立候補者50人中49人が当選,という前代未聞の結果
強い強いと言われていた陣営とはいえ,これほどまでの大勝
これは確実に「東京都民の力で起こしたこと」なのですが,これほどまで極端な結果を期待していたのでしょうか?

 

この結果を受けてどうしても思い出してしまうのは,政権与党が民主党になった過去
あの時起きた自然災害が,東日本大震災
その結果引き起こされた原発事故
うまく対処できなかった事実が,今の日本の大きな大きな負の遺産となっている
そして,現政権与党が,「首相1強」と言われるような状況を作り出してもいる。。。
あまりにバランスをとることに無関心とでも言うか・・・

 

「同調圧力」という言葉があります
私たちが生きる社会では,目に見えない力が働いています
この事実を忘れると,どうしてもバランスがおかしくなる

世の中をよく見て,バランスを保てるような行動をとる

これが私たちのできる精一杯なのかもしれない,とそんなことを考えた1週間でした

20170624-20170630

 

 【今週の一冊】

「企画脳」 秋元 康 著

 

日本では被害が確認されていないようですが,世界でインターネット空間でのテロが発生しています

IT技術の革新は,こうした負の部分があります

AIが多くの領域で実用化のフェーズ迎える中で,同じように負の部分があるのは否めません

そしてそれが,藤井四段人気の理由にもなっていると読むことはできないでしょうか?

 

AIの発展には,ある種の不気味さがあります

検品,事務処理,安全などなど,「正解がある」多くの仕事がまずはなくなる,という直接的な影響もさることながら,「なぜ,それが正しいのかしばらくは気づかない・・・,が,しばらくすると正しかったことがわかる」という,結論を導く過程を理解できないこと,が,不安をあおる・・・

 

そもそも不確実性の時代と呼ばれ,ヒーロー・ヒロインを求める圧力がはたらく時代

ここに,不安を助長する(?)AIを,「使いこなす人」が現れた! 

これが,藤井四段をヒーロー化している圧力の背景だ,と感じるのです(もちろん,大記録を打ち立てる,しかも中学生!という,ヒーロー足る理由もあるのですが,一般の人まで巻き込んでいるわけで・・・)

 

その一方で,敵(?)と見たら徹底的に叩く風潮もあるように感じます

自民党の豊田氏,稲田氏,下村氏・・・

もちろん,何だかなあ・・・というところはあります

ただ,本来すべき,

「今の,今後の日本や,日本での暮らしをどうするのか? 課題をどう考え,解決しようとしているのか?」という議論が吹っ飛んでしまう

「あいつが悪い,こいつが悪い,だから,ココはダメだ」という展開だけになってしまう

これだと,何も解決しないように感じるのです

 

 

ソニーが29年ぶりに,音楽用メディアの生産を再開しました

同調圧力の「同調の面」だけを見ていたら,この判断はないでしょう

 

既に多くの方が指摘するとおり,

時代は,正規分布型ではなく,徹底的にべき分布型なのではないか?

 

実際の定義上と差異があるので補足すると,

ここで言う「べき分布型」とは,平均値周辺データが極端に増える一方で,平均から離れたデータが際限なく広がる分布のこと

言い換えると,

 

同調圧力によりみんなと同じであることを求める人と,自分なりの考えを持っている人との差が極端に広がっている,そんな時代なのではないか?

 

ということです

このことは,AIの時代を生き抜こうとするとき,大きなヒントになるように感じます

 

自分が同調圧力に屈していないか? 根拠のない安心感のみで行動していないか? 

そうでない自分でいるには,自分の核を明確にし行動することが大切だろう,と考えた一週間でした

 

20170617-20170623

 

 【今週の一冊】

「発明家に学ぶ発想戦略」 エヴァン・I・シュワルツ 著

 

日本政界の不祥事や疑惑の話題で持ちきりだった今週,フランスやアメリカなど各先進国でも様々な疑惑や不祥事が相次ぎました

 

 ルールを守れない

 人としてどう?

 

そんな意見や感情を抱くのは当然なのでしょうし,そもそも権力監視は,その暴走を防ぐためにも絶対必要です

(だからこそのしくみやルール,法律なのかもしれませんけど・・・)

でも,私たちにとって,もっと大事なものがありそう

それは,

 

 今後の日本で,自分がどう幸せになるのか?

 

経済低迷だの何だのとは言いますが,先人世代のおかげで,今の日本という国は圧倒的に安定しています

ただ,これだけいろいろなことが起きると,自分で自分を守ることを考えた方が良いように思うのです,諦めたわけではなく

自分のことを自分で変える方が早いですし,実りを得られるのも早いので

その時に必要になるのは,

 

 ある意味革命的な動き

 

つまり,発想の転換,自分なり・オリジナリティ,が,第一歩なのだろうと思います

 

 

日経新聞が成長力ランキングを発表していました

上位に並ぶ顔ぶれの企業名を知っているかいないかはともかく(苦笑),

提供されている事業内容を見て共通しているのは「どれもどこかで見たことある・・・」

実は私が考えたビジネスモデルでTOP15入りした企業もあったりします

 

要は,発想の転換だのオリジナリティだの言っても,基本的な考え方は一緒だ,ということなのでしょう

欲しい人がいるところで,強みを生かす,目的ベースで目標設定,手段を選ぶ,なるべくコストをかけずに・・・

 

常識を知らずに,常識を打ち破れない

それ以前に,常識を知らずに闇雲に考えても効率が悪い

そして,ただ既存のルールや常識を嘆いても否定しても,自分の武器を使えるようになるわけではない

 

守破離,という言葉を思うとともに,考えるだけでなく行動することが一週間でした

 20170610~20170616

 

 【今週の一冊】

「心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣」 長谷部 誠 著

 

スポーツの話題の多い一週間でした

中でも,日本中が最も「熱狂?」したのは,サッカーなのでしょうか?

残念な一戦だった,という結果以上に,

故障者の多さなどから,チームとしてのバランスを調えられていなかったという,今後の課題が明らかになったことを

「解決できる課題」としてとらえていくのが良いのかもしれません

 

 調和を欠く・・・

 

どんなに個々が強かったとしても,どんなに個々が踏ん張っていても,勝てない

これは,社会というものも同じなのではないでしょうか?

 

 

今国会は実質閉幕

与党が,その強さを使って,重要な法を成立させました

そして,その強さを使って,事実を伏せる方向で,事の解決をはかろうとしました

 

それが本当に今,必要な法なのか? 

それが正しいやり方なのか?

 

そんなことを言いたいわけではありません

それよりもむしろ,

 

 さまざまな点でバランスが崩れてしまっていないか?

 

ということが,今国会会期を通じてどうしても気になりました

過去・現在・未来,国と国民(国の必要性と自分の必要性),与党と野党,議論の時間と質,報道と実際,世界と日本,アメリカと日本,などなど・・・

あまりにバランスが崩れ過ぎているように感じるのです

 

もう少しブレイクダウンすると,

将来予想される課題と過去に起きたこと,国が見ている範囲と自分が見ている範囲,取って代われる力どころか議論の時間だけを(少なくとも報道では)問題にする野党,世界の中で日本が果たそうとする役割と見られ方,アメリカに頼るしかない日本・・・

 

 

社会の問題に限らず,自分自身のことでも,

バランスが崩れている状態で何かをすると,別の課題が必ず発生します

それが繰り返されると,ちょっとしたことですべてがガラガラと崩れ落ちかねない

だから,バランスが崩れないように動かすしかなくなる・・・

 

今,そのときのバランス,要は全体を見て,

バランスを取りながら何をしたいか,を,考え,実際に行動すること

そして,そのための準備として何をしておきたいか,を,考え,実際に準備しておく・・・

 

バランスという視点を持ちつつ

それでも「全体としてどこに向かっているのか」を外さないことが大切だろうと考えた一週間でした

 20170603-20170609 

 

 【今週の一冊】

「イスラム国 テロリストが国家をつくる時」 ロレッタ・ナポリオーニ 著

 

 

イギリスの首都で,イランの首都で,テロが起きてしまいました

朝鮮半島の隣国は,4週連続でのミサイル発射

 

 「またか・・・」

 

そんな思いを持たずにいられません

 

一致団結して,課題解決できないものか? と,恐らく多くの人が思っているでしょう

そんな思いが国を動かし,国際機関における場で合意する

それでも,「抜け道」は用意されている 

 

 「ナゼなんだろう?」

 

そう思ってしまう・・・

 

 

結局,自分たちが思うこと・感じることは,

それが仮に大勢を占めていようが,100%ではないわけです

だとすれば,自分が思うこと・感じることと,違うことを思っている・感じている側を想像しないと,課題解決できないのでしょう

 

それでも,基本的な考え方,価値観というものは,あるのではないでしょうか?

人を殺してはいけない,であったり,人を傷つけない,であったり・・・

こういった価値観は,しっかりと「教育」し,「教育」されることが必要なように思います

共有される必要があるように思います

そして,犯罪だからダメ,とか,犯罪でないからOKだとか,そういう話ではない・・・

 

 

中学3年生が,インターネットを使って不特定多数の他者を傷つけられる武器を作ってしまいました

現代ならではの大きな犯罪と言えるでしょうし,

恐らく,彼に悪気はなかったのではないでしょうか

「こういうものが作れるかもしれない」「自分の友だちが作っていないものを作れるかもしれない」

その程度の軽い動機だったのではないか・・・と思います

でも・・・

 

この事件は,ある程度の知識があれば,

インターネット上にある情報だけで,重大な罪を犯せることを改めて証明してしまいました

と同時に,

 

 「これをやってはマズイ」

 

と気づける力をつけてあげられなかった,という教育の大きな課題を突きつけられたように感じます

そうでないと,テロを起こしてしまうことと同じことになってしまう

 

「●●はいけません」という縛り方ではなく,

もっと根本的なレベルで,何とか価値観を共有していけないか・・・

そのために少なくとも対話は必要だろう・・・と,そんなことを考えた一週間でした

 20170527~20170602

 

 【今週の一冊】

「「権力」を握る人の法則」 /「影響力のマネジメント」J.フェファー 著

 

6月に入りました

先月末,G7サミットが開かれました

北朝鮮問題やテロ問題など,「目の前の脅威」に対しては合意

一方で,各国の「目の前の利害」が絡む問題では,合意ができませんでした

さらに,「既に合意したこと」すら反故にする動きが目立ちます

(予想されていたこと,ですが)

とはいえ,昨年の日本でのサミットとは,大きなギャップがあったように感じます

 

そもそもG7サミットとは,先進国による首脳会議

「先進国と自他ともに認める国々の首脳が,その時点の国際情勢と自国の状況を踏まえ,今後の方向性を確認しあう会合」です

要は,「G7の各国の都合」をまずは考え,「同じ方向を向ける所は,同じ方向を向いて,やっていこうね」と確認する場

時に世界の今後のあり方で,時に目先のことで,いずれかを優先した目線合わせが行われる,ということです

 

今年のサミットは,参加者の顔ぶれが大きく変わり,「新しいリーダー」が4人参加

いずれも,国内に大きな問題を抱えている中で船出しているリーダーたち,ですから,目先の話題が優先されがちであることはある程度想定できたわけです

 

それでも米国の目先優先度は高かったように感じます

「それだけ米国という国が切羽詰まっている」というのが一つの見方

もう一つは,「それでも米国は世界のリーダー。今は相当のワガママを行ったとしても,その地位はまだ揺るがない」と,米国が見ている,という見方

さらに,「今,G7が船出したばかりのタイミングで,揺さぶっておけるものは揺さぶれ。後から戻ってやっても喜ばれるだけ」と,米国が見ている,という見方

 

いずれにしても,米国のリーダーは

 落としどころを決めて,さっさと判断して対応している

というように見えます

 

翻って,日本国内

2020年の一大イベントについて,ようやく予算分担が「大枠で」決まったようです

一方,その時跡地が利用される予定だった市場問題は結論が出ていません

そもそもこの問題の落としどころは,移転しかありえないのです

 

この一大イベントは,誘致に成功してしまった以上,何がなんでも成功させないわけにいきません

仮に失敗した場合の被害があまりに甚大なのですから

にもかかわらず,このタイミングに至っても判断を示さないのですから,これを政治の罪という以外,他に方法はないでしょう

そして,アメリカの首脳とは,ほとんど対照的な行動のように見えます

頭の中は,変わらないかもしれませんけれど

 

 

と,そんな批判めいた話をする以前に,両首脳ともに権力をつかんだ人々

権力と言わないまでも,力を持たないことに,批判はただの戯言になってしまうのも事実

何をするにせよ,何を理想にするにせよ,何を目指すにせよ,

力をまずは持つこと,そして力を維持する行動をすること,し続けることが必要だろうと自戒した一週間でした

 20170520~20170526

 

 【今週の一冊】

「できる社員は「やり過ごす」」 高橋 伸夫 著

 

アリアナ・グランデさんのコンサート終了直後の会場で自爆テロが発生した週,日本では,組織犯罪処罰法改正案が衆院を通過しました

先週発生したサイバーテロや,朝鮮半島の脅威,中東のバランスの変化,アメリカの動きの不透明さも含め,安全面での関心が高まっています

 

2020年に日本が控える世界の大イベントを考えた時,

物理的空間とサイバー空間の両面で,安全をどう担保するのか,は,本当に重要な課題です

万が一,ここで事が起きたら・・・

経済的な面だけでなく,生活も含めた転換を果たすどころか,

日本という国の信用・信頼に,あまりに大きな傷を残すことになるでしょう

日本は(というより,世界中の国々が,ですが)日本だけで生きていくことはできないのですから,事が起きたら致命傷

国のリーダーが,何とかしたい,早く行動に移したい,と考えるのは,当然のことと思います

 

そんな大イベントの費用分担が,ようやく合意した?とのこと

「見直し,事実確認の上で物事を進めたい」というのは,よくわかります

でも,「今」「何が」重要なのか? という,最も大きな視点や方針がブレてしまうのは問題でしょう

時間を浪費する程度で済めば良いのですが,かえって混乱を生むということが起こりがちだから,です

同じようなことが市場の移転問題にも言えそうです

 

もちろん,何でもかんでもブラックボックスでいい,というような極論ではありません

過去の経緯や議論を振り返ることも,時には重要

ですが,方針レベルでの話だったら,それはもっと早いタイミングでやるべきことでしょう

細かい点の調整や,達成度合いの検証をしているわけでもないのですから

(むしろ大イベント費用分担の方が,細かい調整のレベルかもしれませんけど)

 

さて,5/26は3回目のプレミアムフライデーでした

ただ,「早く帰れ」と言われても,やることやらねば帰れません

残業減らせ,残業時間公表するぞ,と脅されても,仕事があったらやらねばなりません

だとすると,優先順位の相対的に低いものを止める,しか,方法がないでしょう

では,優先順位が相対的に低いもの,とは,何でしょうか?

 

会社等の組織の場合,組織が目指している目標との関係で見た方が良いそうです

しかも,個人よりグループ,グループより課,課より部,部より本部,本部より会社,というように,

より大きな組織単位の目標との関係で,優先順位を考える(なりたい自分になるための優先順位,は,また別。というより,むしろ,優先順位が逆転しそうです)

 

やりたいことはたくさんあると思います

特に若いうちは,何でもやる,やってみる,どれだけやれるか挑戦する,ことも必要だと思います

そんな姿勢が見られているでしょうし,何より間違いなく地力がつきます

でも,やり過ごす,というと聞こえは悪いのですが,優先順位づけできる力,がより必要になってくるのは間違いなさそうです

 

優先順位をつける基準として, 

 

 大きな方針や目標に対して,それを達成するための課題から思考していくこと

 今がどんなタイミングかを考えること

 

は,どんなことであっても変わらない,重要な基準だろうと,改めて考えた一週間でした

 20170513~20170519

 

 【今週の一冊】

「情報セキュリティ管理士認定試験公式テキスト」 五十嵐 聡 著

 

インターネット空間で世界同時テロが発生しました

ITの進展,IoT化などの流れの中で,たとえ法律上保護されていようが,この手のテロが発生することは避けられません

というより,犯罪を犯す側にしてみれば,爆弾テロなどよりむしろ手軽ですから,発生頻度もその規模も,どんどん拡大していくと考えた方がいいように思います

 

今回発生したテロ,技術の弱点をついた攻撃であったことはもちろん,技術情報を国が盗まれた上に,起きたとのこと

 敵の弱点を攻める

というのは,スポーツなども含め戦いにおける鉄則でもあるわけで,弱点を攻められること自体は当然のこととして,技術情報が盗まれたとしたなら,これは相当な問題と言えるでしょう

 

技術情報が盗まれる,には,大きくは,外部の犯行と内部の犯行の2つのルートがあります

犯行を防ぐために,暗号化の技術利用などの技術的な対応や,情報利用時の承認制度などを含む運用上の対応などはありますが,このアプローチでリスクを完全になくすことはできません

では,リスクを完全になくす方法とは?

 

外からの犯行は,外からの侵入を完全に遮断すれば防げるもの,です

逆に,内部の犯行は,内から外に持ち出すルートがなければ防げるもの,です

つまり,

外との関係を完全に立てば,リスクは完全になくせるのです(もちろん,現実味なんてまるでありませんが)

 

ただここに,いくつかの示唆があるようには思います

1つ目の示唆は,そのリスクを完全になくせる方法を考えた上で,その結果起きる不具合を,多少使い勝手が不便でも実現する方法を考える,という課題解決のアプローチ

いわば,押してもダメなら引いてみな,作戦とでも言いましょうか

 

2つ目に示唆は,人間の欲や弱さについて,その本質を理解し,実際の行動を起こさせないしくみ・しかけを作る,という課題解決のアプローチ

たとえば,行動を起こすのに100兆円かかってリターンは1円だとしたら,多くの人は行動を起こす動機を失う,という方法です

 

3つ目の示唆は,いずれのアプローチをとっても,完全には失くせないという現実です

前者は「何らかの抜け道を作る」作戦ですから,そこは攻められる弱点でしょうし,束になってかかられたら突破される可能性を否定できません

後者はISによる自爆テロのように,お金では買えないと言われる自らの死という対価ですら,テロの動機を抑制できないという現実が物語っています

 

だとすると,

 行動を起こさせない教育をする

 行動を起こされたときに,被害を拡大させない正しい処置ができるよう教育する

ことが,最も大切になるように思います

それは,テロという1つの事象に対するもの,というよりは,その根っこになる事実や実態,価値観の理解に始まるものではないか,と思います

 

そんな意味でも,国の首脳がうれしさ(?)のあまり,あるいは,自分の力を誇示したいがために,あるいは,自分の(自分の身の周りの?)人たちの利益のみを追求するあまり,

自分から機密情報を流してしまう,なんていうのは論外だよな・・・

 

そんなことを考える一週間でした。

 20170506~20170512

 

 【今週の一冊】

グローバリズム以後」 エマニュエル・トッド著

 

世界で新しいリーダーが誕生しています

欧州の先進国の大統領にはマクロン氏が,東アジアの隣国の大統領には文氏が,大方の予想どおり選ばれました

しかし,いずれも内政・外交に大きな課題を抱えた状態での船出と言われています

 

いずれの国も大統領制の国

大統領制という制度は,大統領という国家の長(国家元首)の下,大統領は行政の,国会(議員)は立法の,それぞれ権力を持ちます

つまり,この関係がねじれていると(=大統領がA党出身,国会の多数派がB党出身),決めたくても決まらない,ということが起こり得る,ということです

今週リーダーが決まった国は,いずれもねじれの状態か,ねじれの状態になる可能性を高くはらんでいる,というのが,課題を抱えていると言われる所以です

 

もう一つの見方は,各国が抱える課題からの見方

先進国に共通して見られるのは,経済のグローバル化の中で起きている少子化と高齢化の問題

つまりは,内需が拡大しない世の中で,どう各国が生き抜くのか,国民を守れるのか,という見方です

具体的な中身はそれぞれだとしても,

各国との関係性や地域における役割という面で課題がある,というのは,どの国でも同じでしょう

 

最後にもう一つの見方は,各国の文化的な課題からの見方

日本という国はどんな国なのか? と問われたとき,四季があって,自然が豊かで・・・など,物質的な面は語りやすいです

しかし,ここで言う文化とは,各国の持つ目に見えない空気感や国民性,価値観とでも言ったようなもので,それが課題解決のハードルになる,という見方です

 

大きく3つの見方で考えた時,日本が抱える課題そのものと,課題解決しようとしたときに起こるだろう課題(=障壁)とに分解し,整理していくことができそう,ではあります

ただ,このように整理するためには,他国との違いを明らかにする必要が出てきます

1つ目の見方は簡単で,日本の「象徴天皇制・議員内閣制」と「大統領制」とを比較すればいい

2つ目の見方は,各国共通のものと日本独自のものに分けるところから始まります

3つ目の「日本とはどんな国か?」という点は,日本を知っていて,他国を知らないとわからない

では,他国を知っているのか? そもそも日本を知っているのか?

 

正直,私は欧州の先進国にしても,アジアの隣国にしても,

その名前は知っていて,歴史上のトピックもある程度は知っていますが,空気感にあたるものを知りません

うーん・・・,だとすると,本当の意味で日本を知らないのかもしれないじゃん・・・

 

なぜこんな話題を取り上げているかと言えば,私の個人の課題や私のビジネス上の課題の解決に役立てることができるだろう,と思うから,なのです

課題のとらえ方について,また,解決のアプローチを学べるはずだ,と

 

そんなわけで,せっかく欧州の先進国の話題や東アジアの隣国の話題が出ているのだから,

2国について少し学んでみよう,そして,日本との比較を通じて日本の課題を解決する方法を考えてみよう,

さらに,そのアプローチが,自分の課題や自分のビジネス上の課題を解決するのに適用してみよう,と,そんなことを考えた一週間でした。 

 20170429~20170505

 

 【今週の一冊】

「永遠平和のために」 カント著

 

日本の最高法規が施行70年を迎えました。この最高法規の改正に,安倍首相が意欲を示しています。安倍首相に限らず,この改正を行いたいという意思を持たれている方々はたくさんいらっしゃいます。ただその動機はもちろんさまざまのようです。

 

「時代に合わせて変えるべきだ」

この意見は,そのとおり,でしょう。環境の問題,技術の進歩など,現実の問題など,憲法が想定していなかったことが起きることは当然想定されるから,です。

 

「言葉遣いが古い,わかりにくい」

この意見は,ある程度吸収,反映させたいことだとも思います。読まれる必要性,知られている必要性が高いものは,わかりにくい表現よりわかりやすい表現であった方が良い,です。ただ,今の文章がわかりにくいかどうか,は,それをどの程度の時間をかけて教えるか? どう教えるか? にも依存するように感じます。とすると,指導要領との関係になりそうです。

 

「他国から押し付けられたものだ」

こういう意見を持たれている方は少なからずいらっしゃるようですが,うーん,これはいただけない出発点なのではないか? と私は思います。良いものは良いでしょうし,悪いもの悪い,ですよね?

 

「自分にとって不都合だから」

この意見は困りもの,ですね。。。

 

この最高法規,国民が守らねばならない法というよりは,国を運営する人々が守らねばならない法の意味合いが強いものです(私自身も長いこと意味をはき違えていたのですが)。とすると,この法規を国を運営する人々が「変えたい」と言っているのだとしたら,その理由が何なのか? どのように変更しようとしているのか? 変更することで,何をしようとしているのか? 私たちに不都合はないのか? 周囲との関係はどうなるのか? ということは,わたしたち一人ひとりが真剣に向き合い,考える必要があるように感じます。

 

特に第9条の平和主義

平和主義の理想と現実という問題は,どうしても背を向けられない問題です。どんなに平和を主張しても,周辺で問題が起きた時にどうするのか? 私たちにとってはもちろん,国民の安全を守る義務のある国にとっても重要な問題です。特に国にとっては,一人ひとりの意見を調整したうえでどうするか? が問われるわけで,半歩先を考え,論理的に,また,感情面の配慮もしながら考え,伝えることが必要だ,とも言えるでしょう。

 

ただそれでも,この問題だけは,私たち一人ひとりがきちんとした意思を示すことが重要でしょう

幸い,憲法改正案が国会を通過したとしても,国民投票で国民の半数以上の賛成が必要とされています。つまり,自分の意思を示す場がある,ということです。来るだろうその時に自分がどんな意見を出すのか,考えておく必要がある、わけです。

 

平和主義という理想,第2次世界大戦という過去と周辺国との関係,世の中の緊張,自分たちが必要とする環境や必要とするものの確保・・・

理想と現実の狭間で覚悟を持って自分の意見を述べること

 

この最高法規の在り方が問われていることをきっかけに,じっくりと考えてみよう,と,そんなことを考えた一週間でした。

 

 20170422~20170428

 

 【今週の一冊】

「激動予測」/「続・100年予測」 ジョージ・フリードマン 著

 

ヨーロッパの大国の1つで大統領選が行われました

1回目の投票では決まらず,2回目の投票が決選投票になりますが,この決選投票に進出した極右政党党首のルペン氏をトランプ米大統領は指示していますね

 

朝鮮半島が一触触発の状態となっていますが,

対立当事国になっているのは,同地域の一つの国とアメリカ

そして,このアメリカの動きを巡って,韓国,中国,ロシア,そして日本といった周辺諸国が,同調したり,反発したり,利用しようとしたりしているような状況に見えます

 

中国は,海洋進出の動きは進めつつも,

朝鮮半島への対応への関与を約束したり,アメリカの為替施策の思惑に同調するような姿勢を示したり,外資系自動車メーカーが同国内で生産合弁会社を運営する際の出資規制の緩和を表明したり,と,

これもアメリカの立場と自らの利益との間合いをはかりながら動きを進めています

 

 アメリカの関与が世界中で高まり,世界が呼応する

 

これが,世界の現実であり,好むか好まざるかを問わず,アメリカが存在感を示している,アメリカ中心に世界が動いている,と自覚せずにはいられないように思います

 

また,アメリカという国が,たとえ崇高な理念や理想を持っていたとしても,世界中のあちこちで起こすアメリカのすべての動きに,その崇高な理念や理想に基づく一貫性があるか? と言われると,必ずしもそうではないものもあるように感じます

 

 アメリカの動機は何か?

 

そう問うたとき,その答えの1つは,間違いなくアメリカにとっての直接的な利益,でしょう

そして,

 

 アメリカの動きの中には,ダミーの動き(≒真剣に対応しているフリをする動き)もある

 

と考えた方が,腑に落ちる部分も大きくなるように感じます

長期的に見たとき,その崇高な理念や理想がウソだ,虚構だというつもりはないのですが,

その一方で物にはタイミングがありますし,優先順位の問題もあります

本質的に解決できない課題があることも現実です

 

これと同じことは,

人間関係を含む,社会における関係やその課題すべてにあてはまるようにも思います

社会で生きているということを考えた時,

表面上は最も把握しやすい国の行動の動機を考えることは,多くの学びがありそうです

 

そんなわけで,アメリカの利益は何か? を改めて考えてみよう,と,そんなことを考えた一週間でした

 20170415~20170421

 

 【今週の一冊】

「うんこ漢字ドリル」 文響社 編

 

小中学生対象に全国規模の調査が行われました

どの教科の調査が行われているか? どの学年を対象に行われているか? など,ご存知の方も多いのではないかと思います

 

 生きる力を育むために,子どもたちの未来のために

 

という方針の下,日本の教育政策は実施されているので,特にB問題と呼ばれている「活用」の問題を見ておくと,日本(政府・文科省)が,何を日本の課題と考え,世界で生きていくためにどんな力を身につけてほしいと思っているか,を類推することができるのではないか? と思います

 

 

さらに教育関連では,

国家資格にもなっている検定にもなっている知的財産管理技能検定を運営する知的財産研究教育財団が,新しいテストを開発されたとのこと

 

 「知的財産」という考え方やその領域の教育

 

は,国際的な競争環境の中で知的財産で利益を得るだけでなく,他人の権利を侵害して訴えられるようなことにならないためにも,間違いなく重要だろう,と思います

 

 

世界情勢に目を向けると,ドイツでの爆発事件,朝鮮半島の緊張,中東への米軍による爆弾投下・・・

トルコでは大統領の権力集中につながる憲法改正の国民投票が行われ,米国対立国とされるイランでは,対米穏健派の現職大統領が苦戦

米国同盟国群と対立国群との関係で,同盟国内で,各国内で,対立の構造が目に見えて助長されています

 

 世界のパワーバランスが崩れている,安全は保障されているものではない

 

これも私たちが直面している現実,です

 

 

さて・・・,以上取り上げた今週の3つのトピックは,

課題の大きさという点でレベルがバラバラ,行動までのハードルの高さという面でもレベルがバラバラですが,いずれも「自分たちの解決すべき(=解決したい)課題」でしょうし,子どもたちに(もちろん,大人にも)「重要なこと」として伝えていきたい「課題」でしょう

しかし,巷に溢れる情報の洪水に巻き込まれてしまっているのか,はたまた「悪いことを直視したくない」「自分は大丈夫」といった人間の心理の問題なのか,

 

 「実感レベル」では自分事ではない,リアリティを持ちにくい

 

 

今週の一冊で紹介する小学生向けドリルは,2週間で63万部売れているそうなのですが,下品だとか下品でないだとか,そういう視点ではなく,

 

 リアリティとは何か?

 

の一端をいろいろな視点で学ぶ教材として,「大人の視点」で,ぜひ手に取っていただきたい教材です

不思議なことに,

 

 教育とは何か? 子どもたちに教えたいことは何か?

 世の中の課題はどんなことか? それに対して自分自身とその行動をどうしたいか?  

 

といったことを,すぐには答えが出なくても本気で考えようとさせられますし,つい考えてしまいます

 

実感を伴うリアリティを自分の中で作っていくことこそが大切なのではないか? そんなことを感じた一週間でした

 20170408~20170414

 

 【今週の一冊】

「7つの習慣」 スティーブン・R. コヴィー 著

 

4月14日,熊本地震から1年を迎えた週,

フィギュアスケートの浅田真央選手引退のニュースは,まるで地震速報かのように伝えられました

一つの時代や出来事の終わりは,動揺や混乱を生じさせつつ,新しい時代へと移行していく

それでも,過去の時代・出来事の爪痕は,良しにつけ悪しきにつけどこかにしっかりと刻まれるでしょう

 

さて米国が保護主義的な色を強める中,その覇権国家としての時代は終わろうとしているのでしょうか?

グレアム・アリソンの「決定の本質」によれば,

「新旧大国がライバル関係に発展しているとき,国際秩序づくりにおけるパワーゲームが戦争に発展する現象を<トゥキュディデスの罠>と言い,過去500年間に見られた16の主要な事例のうち12事例が戦争に発展した」とのこと

今の時代に置き換えれば,米中の軍事衝突を想像するかもしれませんが,

それよりは時代の特性を考慮した方が良いように思います

 

今週も世界でテロが起きています

アサド政権軍は化学兵器使用の可能性がある,という情報の下,米国が攻撃をしかけ,ロシアが反発

北朝鮮は不穏な動きは益々拡大,中国も対応を迫られている状況

保護主義とグローバリズムも対立し,EU各国もどんな体制になるのか予断を許さない,など

対立構造が単純ではない,どの対立構造も軍事的な争いに発展する可能性を否定できない

というのが今の時代なのではないでしょうか?

 

ただ,それぞれがそれぞれの思惑の中で,いい意味でも悪い意味でも,

立場を主張し利害が対立する,新参者が立場を強化し利権を得ようとする

この構図だけは,国同士の関係だけでなく,あらゆる個人・集団でも発生するのでしょう

 

では,どうするか?

 

「総論賛成,各論反対」の世の中であることを前提にしたとき,

一人ひとりが「強くなる」こと以外に,私には方法が見つけられません

 

情報を精査する力を養い,情報を使える力を養い,

自分の意志を持ち,自分の意志に従った判断をし,行動し続ける「強さ」を持つ

たとえ利害が対立しようと,相手の立場も考えつつ,

一つひとつの問題に向き合い,妥協点を見出し,時々の問題を解決し続けていく「強さ」

 

方向性を見失わないよう,一貫した態度を養う必要があるのだと思います

「自分のためでもあり,他者のためでもある」というような態度

他者を尊重することを通じて,自分も尊重してもらえるような,信頼を勝ち得るような態度

 

何に向かっているのか? を忘れず,日々精進すること! 

 

そんなことを考える一週間でした

 20170401~20170407

 

 【今週の一冊】

「私の個人主義」 夏目漱石 著

 

4月になりました

学生や多くの企業が新年度を迎え,東京では開花宣言後ゆっくりと進んでいた桜の開花が一気に進み,満開を迎えました

清々しい,リフレッシュしたような気持ちにさせてくれる春

気分一新,前に進もう

新しい生活をスタートされる方はもちろん,新たな目標を立てたという方も多いかと思いますし,

私自身も,「新たな一歩」を踏み出しました!

 

そんな晴れ晴れとした気持ちとは裏腹に,

世界では悲しく,そして,私たちの安全を脅かすような事件が起きています

隣国のミサイル発射,隣国で起きたテロ,イスラム圏の空爆問題・・・

世界がその行動を非難するなど,さまざまな反応も示しています

その多くは,ただ平和であることを願い,平和な世の中で幸せになりたい,みんなが幸せになってほしい,という個人が持つ当然の感情に基づくものなのではないか,と思います

ただ世の中が,そんな当然の感情ばかりに基づいて行動されるわけではないのも事実です

 

事件を利用して,自分たちの地位を高めよう

 

国同士の関わりの中では,

ある特定の個人や組織の思惑が働きがちのように感じます

数で言えば,「ただ平和であることを願い,平和な世の中で幸せになりたい,みんなが幸せになってほしい」という人の数が圧倒的に多数を占めているはずなのに

個と集団のジレンマという言葉では言い尽くせない,何とも言えないやるせなさを感じる・・・

それが,世の中というものなのかもしれません・・・

 

と,いう話ではなく!

そんなように考えてしまったら,挫けてしまうのでは?

日々起こる多くの悲しい出来事の中で,忙しい日々の暮らしの中で,自分が疲れていってしまうのでは?

そんなのイヤ,ですよね?

 

だから,たとえ世の中の理不尽さを感じたとしても,自分への逆風が吹くときでも,

新たな誓いを立てたときと同じ気持ちでいられたら・・・

 

むしろ大切なのは,

毎日毎日,一日何度でも,何かあったら,何もなくても,

新たな誓いを立てたときの気持ちを,思い出せる自分でいることなのではないか

空を見上げて,心の桜を見る・・・

 

そんなことを考える一週間でした

 20170325~20170331

 

 【今週の一冊】

「本質を見抜く力」 竹村公太郎/養老 孟司 著

 

改革・・・

この言葉が意味するのは,基盤は維持しつつ,社会制度や機構・組織などをあらため変えること

政府の目玉政策の,そして,農業分野で絶大な力を持つ団体の,「改革案・方針」が公表されました

これがどこまで実行されるのか? はもちろん注目したいのですが,

そもそも何を目的にした「改革」なのか? を少し考える必要があるでしょう

 

政府も農業団体も,いずれも大きな力を持っています

その力を持つ側が,持つ側の力の維持のためにされるものであるとしたら・・・

 

今回の改革が権力を持つ側にとっての都合で進んでいる話だと言っているのではなく,

どんなことであっても,その「建前論」から一歩踏み込んで,自分なりに咀嚼することが重要になりそうです

今週も日本の報道は,相変わらずの森友問題が中心ですが,

それが中心になっているのはナゼなのか? 誰の都合なのか? 

よくよく考えると,自分の中にいろいろな「感情」や「思い」が芽生えます

 

影に隠れた(?)大きな話題としては原子力関連

原発再稼働は「法の場」で,安全性を認められ(ということと,私は理解しているのですが),

原子力の武器禁止に関する国際会議では,日本は被爆国としてのリーダーシップを発揮できず。。。

これは「建前」の話だけでなく,「本音」の話が,

誰かに言われるまでもなく,まして私が言うまでもなく,やはりありそうですよね

 

テクノロジーを利用しようとすると,必ずエネルギー問題に発展します

原油がベースの世の中,まして資源を持たない日本という国にとって,これは大きな課題です

東日本大震災で電力利用の抑制意識が生まれたものの,いつの間にかそれも風化しつつあるという現実

 

自分たちの「欲」の存在や,人は「忘れる」という事実をきちんと受け止めつつ,

やはり自分なりに考え,咀嚼し,理解して,

何らか行動する,対策する,自分を守る,自分の大切な人たちを守る,社会に役立つ動きをする,ことが大切だろう

それがたとえ地道なことだったとしても・・・

 

そんなことを考える一週間でした

 20170318~20170324

 

 【今週の一冊】

「ブロックチェーン・レボリューション」 ドン・タプスコット/アレックス・タプスコット 著

 

不正にまつわる話題の多い週でした

日本の報道は,森友学園問題に豊洲移転問題

いずれも真相解明というものがいかに難しいか,を如実に表しているように感じます

 

当然と言えば当然ですが,「自分を守りたい気持ち」は誰もが持っているわけです

ただ,倫理観や道徳観のレベルはそれぞれ

だからというわけでもないですが,

 

「人間の弱さ」

 

を自覚して,どうしくみをつくるのか? が大切でしょう

誰かをつるし上げたところで,何か解決するわけでも何でもないですから

これは,韓国の問題にしても,食肉不正の問題にしても同じなのではないか,と思います

 

それを前提にしたとき,テクノロジーは人間の弱さを諫める・抑止するような働き・機能を担えるでしょうか?

 

フィンテックやビットコインのしくみの中核技術である「ブロックチェーン」は,その可能性を提示しています

取引(やり取り)にまつわるあらゆる記録を,分散して蓄積し,不正がすぐに発覚するしくみを持つから,です

 

もちろん,まだまだ技術的課題もありますし,そもそもそれを使うのは今のところは少なくとも人間

とすると,どんな世界を目指すのか? という「世界観」が必要になりそうです

その下に,はじめて権利や義務が発生するわけですし,テクノロジーの使い方が決められる・・・

 

「世界観」は,単に「平和だ」「安全だ」「安心だ」とか,「自由だ」「平等だ」とか,

「みんなの幸せだ」とか,「不正のない公平・公正な世の中だ」というようなものではないでしょう

レベル感の違いや利害が対立するところがどうしても発生するのですから

 

個々の事象や自分や周囲への不利益が発生したときでも意見の変わらないもの

ことば遊びではなく,

平和とは? 安全とは? 安心とは? 自由とは? 平等とは? 幸せとは? 不正とは? 公平とは? 公正とは? など,

少し細分化した要件に落としたときに一貫性を保つような「世界観」が必要になるように思います

 

それを考えるのは,私たち一人ひとりしかない

もちろん,出来上がったものに従うのならそれでもいいのですが,

そうであるなら,後から文句を言うのはナシ

 

自分の世界観を,まずはざっくりと持ち,それをブレイクダウンしていき,固めていく

「もし自分がこういう立場だったら」を考えながら・・・

 

「自分ならどうか?」を少しずつ考える一週間でした

 20170311~20170317

 

 【今週の一冊】

「職業としての政治」 マックス・ヴェーバー 著

 

大震災から6年を迎えました

 

未だ廃炉への道筋も見えない状況で,12万人が避難生活を送られているという現実

その地域の放射線量は通常を大幅に上回り,生活インフラも整わない状況なのでそうですが,

政府は避難解除を進めようとしています

「元」住民の中で

「帰りたい,でも帰れない」

と,避難を継続される方々が多いのは当然のように見えます

 

「生理的な欲求」・「安全の欲求」を満たすこと,は,

少なくとも現在は国の責任として果たすことが必要になるでしょう

とはいえ,「どのような国を目指すか,がない」というのでは,国としての機能は果たしきれていない,と言えるでしょう

 

欧州では「どのような国を目指すか」という「国の方向づけ」に大きな影響を与える国政選挙が始まりました

イギリスのEU脱退,アメリカのトランプ政権誕生の流れを受け,保護主義的な思想や動きが強まっている状況の中,

江戸時代も日本と多くの交流があった国が,その流れとは少なくとも今はくみしないとの判断を

「辛うじて」「一旦は」下しています

 

フランスやドイツといった欧州の大国でどんな判断がされるのか? 

もちろん注目はしたいのですが,

これは「相手の出方をうかがった,相対的な立場」であることも自覚せざるを得ません

「絶対的な軸を持って判断する」

ということは,現実問題として可能なのでしょうか?

 

「既存の判断の軸を変える」

 

これは答えの一つになり得ます

国に頼らない,あるいは,国という概念を否定するというような考え方も一つの案です

今週の話題にもなっている金融で注目されているある技術が,それを可能にするとの意見もあります

現時点では実現への課題が多すぎて解決できるのかもわからないのですが,一方で可能性があるとも私には感じられます

 

もう一つの答えとして,

国家という概念の中での政治にどんな可能性があるのか? を再度見直すことを通じて軸を設定しなおす

という方法もあるとも思います

さまざまな課題が現実問題として起きているわけですが,対症療法で穴を塞いだだけでそのまま放置するのではなく,

個々の問題をオーバーラップして本質的な課題を抽出して検討する

現実の問題は見えるわけですから,その意味ではやりやすいかもしれないわけです

 

これは何も国だけの話ではないのでは? とも思います

企業だって,個人だって同じ

ただ,企業を例にとれば,対症療法にはお金と時間をもらえても,本質課題の対応にお金と時間はもらいにくい

だったら個人から,自分から始めるのが手っ取り早い,

そしてやってみたことをもう少し大きい単位でトライしていく・・・

 

個人ができることを考える,そして少しでもやってみる,やってハードルがあったことを知見として共有し使っていく

こんな動きを取っていきたい,と,改めて考える一週間でした

 20170304~20170310

 

 【今週の一冊】

「これからの「正義」の話をしよう」 マイケル・サンデル 著

 

この一週間は,「本質課題を抽出するのに最適」だったように感じます

 

主な話題として,次のようなものがありました

 隣国がミサイル4発発射・数少ない友好国との関係悪化

 商業地・住宅地の集中化構想

 いわゆる「第4次産業革命」を通じた成長の可能性

 ビジネスプロセスでいうと下流工程に位置する産業やその現場での人手不足

 

これらの話題の背景にあるのは何なのでしょう?

 安全は保障されたものではない,という事実

 先進国は,経済成長を求め続けるが,人口減少と高齢化という問題に直面する,という現実

 そして,下流工程にしわ寄せ,という資本主義の限界・・・

 

国が保障しているものは憲法で規定されています

少なくともマズローの欲求5段階説でいう低次の欲求から保障しようとしていて

それに基づき,より豊かでより良いと思われている自国づくりを推進しよう,としているのでしょう

 

ただ,当然ながら,理想と現実にはギャップがあります

理想は描けるけど,現実的ではない,方法論がいろいろある・・・

「大筋賛成,各論反対」

は,揶揄する言葉で使われがち,で,実際によく起こる話,でもあるのですが,

それって,当然なのでは? 背負う歴史や背景・立場など,それぞれ違うのですから

 

さらに言えば,目指している理想の姿が違うとしたら,「大筋賛成」すら,怪しい。。。

 

だとすると,

一方的に自分の立場が「正義」には,ならないように感じます

それでも前に進む必要がある・・・

そして,仮に合意形成されないまま推し進めれば,問題は「末端で表面化する」

 

これは個人のレベルでも,社会のレベルでも,国家のレベルでも起こるでしょう

 

課題解決には,何らかの行動を起こすのが早いでしょう

ただ,利害関係者がいる以上

まずは止血の動きから始め,根本課題に向き合う方がいいでしょうし,

大きく動かす前に小さく試した方が良いでしょう

それ以前に,利害関係者の立場や考え,背景を理解した上での策を考えた方が良いように感じます

 

さっさと手を打つのは当然として,

さっさと手を打つための勉強=歴史や構造の理解し,予想した上で,案を出しておくこと,

が大切なのではないか,と考える一週間でした

 20170225~20170303

 

 【今週の一冊】

「戦争プロパガンダ 10の法則」 アンヌ・モレリ 著

 

トランプ大統領による米議会での初の演説がありました

キーフレーズは

 

「America must put its own citizens first・・・because only then,can we truly make America great again」

 

なのではないでしょうか

このフレーズ,いろいろと訳されているようなのですが,注目したいのは「again」

要は,「今のアメリカはちっともグレートじゃない」と,トランプ大統領は認識している

 

そんなアメリカなのに,アメリカ国民が,あるいは世界が,「アメリカの現状は偉大ではないのだ」と感じられる報道が,これまでされて来なかった・・・

だから「Fake NEWSだ」としてメディアを批判,対立が深まっている・・・

 

「今のアメリカは以前ほど『強力な』世界のリーダーではない」と,直感的にでも感じている人は多くなっているのではないでしょうか? 

その感覚が正しいとするなら,その感覚と合わない報道をフェイクだとするトランプ大統領の発言は,誠実であるように見えます

 

「敵との戦いを始め,そして勝つためには,プロパガンダは有効であり,そのとき重要な役割を果たすのはメディアでもある・・・」

 

【今週の一冊】で紹介しているの本は,「戦争の」プロパガンダの法則なのですが,この法則は,戦争だけにあてはまるものではない,でしょう

とすると,このメディアとの対立は「一時のもの」となるのではないかな? と思います

「アメリカ・ファースト」で国をリードしようにも,それが支持され,実行が進まなければ事は動いていきませんが,支持を得るのにメディアは重要な役割を果たすはず,ですから

 

問題は,これはアメリカだけの話ではないはず,ということです

EU諸国でも,中国でも,北朝鮮でも,もちろん日本でも同じ・・・

とすると,TVやWEBはもちろん,新聞など含むすべてをメディアからの発信をどう見るか? 見られるか? は,本当に重要な能力だ,と言えそうです

 

この能力を養うのに最も単純で,でも最も有効な方法は「違う立場でモノを見る」ことでしょう

リーダーの立場,媒介して伝える立場,伝えられる立場・・・国の政治の話だけでなく・・・

ただ,その立場に実際になったことがないと想像しにくいので

 

「人から学ぶこと=同じことを●●さんの立場で見たらどうなるのか? どう感じるのか?をたくさん聞くこと」

 

が,まずは必要となるのでしょう

 

そう考えると,成功だろうが失敗だろうが,

「経験を踏まえた視点=ある出来事をその立場ではどう感じ,考え,行動したのか」という「その人から見た事実」は,お金を出してでも教えてもらう価値があるなあ・・・と感じた一週間でした

 20170218~20170224

 

 【今週の一冊】 

 「2045年問題 コンピュータが人類を超える日」 松田卓也著

 

今週のニュースの中心は,金正男氏殺害に関連するもの,でした

事件の起きたマレーシアや韓国による北朝鮮批判に対し,北朝鮮が反発する,という構図と,

それを大きなニュースとして取り上げ続ける日本のメディアの態度は,

北朝鮮関連の話題が上がるたびに毎度起きるもの,のようです

 

情報というものは,触れれば触れるほど,記憶として保存されていくもの

結果,日本人にとって,北朝鮮のマイナスイメージが強化されていく・・・

 

ここでふと思うのは,「では,各国から日本はどのように報道され,イメージ化されているのか?」ということ,です

たとえば,アメリカでは,「自動車中心に黒字を貪っている」 とイメージ化されている? 

東アジア諸国では,「侵略者が反省もせずに自分たちにモノを言っている? アメリカという狐の衣を被って我が物顔している」 とイメージ化されている? 

そして,私たちはこのような「事実?」に「憤慨?」する・・・?

 

一部では事実なのでしょうが一部では事実ではない,つまり,「白と黒の間,どれぐらい白寄りか黒寄りかは別として」ということになりそうです

そもそも私たちが得られる情報は,情報のすべてではないわけですし

 

それでも,自分が既知とする情報を強化しようとしますし,自分が知っている情報がまるですべての情報であるかのように振る舞いますし,それに基づいて白黒つけたがる・・・

脳科学的に見ても,当たり前なんだそうですから,仕方ありません

 

であるなら,「それを意識し続けて情報に触れているか?」「事実と意見を区別して触れているか?」を心しておき,謙虚にならないと,歪んだ情報でおかしな判断をすることになりそう,です

 

また,一方である特定の情報があまりに強化されると,他の情報が見えなくなってしまいがち

今週も,「日本が抱える大問題」に関する話題はあったのですが,

どうにも埋もれがち,のようにも感じるわけです 

 

「情報リテラシー」の概念が日本で公的に語られるようになったのは1986年と言われているのだそうですが,そこまでのリテラシーを持っているかなあ???

 

そんな自問と,「ちゃんと訓練する,そして訓練し続けないと,脳のクセに負ける!」とをする一週間でした

 20170211~20170217

 

 【今週の一冊】 

 「アメリカが劣化した本当の理由」 コリン・ジョーンズ著

 

 

日米首脳が初の会談,トランプ大統領がイスラエル首相と会談しパレスチナ問題について「2国家共存」にこだわらない立場示す,東芝が債務超過の可能性,金北朝鮮総書記の兄の殺害など,大きなニュースが流れています

 

日米首脳会談については,「危惧したような要求」がこのタイミングではなく,

日米の特に安全保障面での関係強化をアピールできた,というのが大方の見方でした

とはいえ,トランプ政権は安全保障担当大統領顧問が辞任,労働長官候補が指名辞退など

揺れ揺れの状態です

今週のイスラエルとの会談後には,パレスチナ問題に大きな火種を作るような発言もあった一方で

NATOや中国問題では,トランプ大統領の過激発言の火消しに躍起になっているようにも見えます

 

共通しているのは,

「極端な発言をして,相手の出方や周囲の反応を見て,調整をする」

 

これがトランプ大統領の動き方,のように感じます

こんな動き方ができるのも,アメリカという国における大統領の位置づけを含む統治体制と

アメリカという国の現状にあるようにも思います

 

東アジアの近くて遠い国は,弾道ミサイル発射をし,総書記の兄を殺害した模様

アメリカの動きを読めない同国が,手札を切っているかのよう

 

そんなニュースの中で,どうにもあまり報じられていない問題・・・原発の廃炉・・・

日本の誇る大企業が原発事業の大失敗で窮地に追い込まれている,という話題は大きく取り上げられているのに対し,

「廃炉の道筋がまた見えなくなった」

という事実は,ほんの少ししか取り上げられない現実

また原発関連では,新たな隠蔽問題も発覚しています

 

情報という知は,16世紀までは一部の限られた人たちに独占されたもの,だったそうです

確かに人が知らない情報を持っていたら,随分有利に事を進められそうです

でも,情報過多で必要な(重大な)情報をキャッチできないのだとしたら,

その情報に何か意味があるのだろうか・・・

 

そんなことを考える一週間でした

 20170204~20170210

 

 【今週の一冊】 

 「転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か」 ジョン・W・ダワー/ ガバン・マコーマック著

 

 

イスラム圏7か国出身者の入国制限の大統領令にトランプ大統領が署名したことを発端に,

 「トランプ大統領へ,<「直接反発を示す態度>が,各界で広がりだした」

そんなように見えます

内では司法が大統領令の差し止めを支持しているぐらいですから,相当なもの,です

 

ただ,この状況すらも,シナリオの想定範囲内なのかもしれません

(次週コメントの先取りになってしまいますが・・・)移民・難民問題では(でも?)絶対にものが言えない日本との首脳会談後の声明で

 「内政には干渉しない」

との言葉を言わせています

これは,「他の国も内政に干渉する発言をするな,しなければ(いったんは)悪いことにはしない(保留にしただけと思いますけど・・・)」

という,外向けへのメッセージになる,でしょう

 

ということは,あとは,司法を丸め込めれば,もしくは,司法の判断に民衆の不満を向かわせれば・・・,といったところなので,「想定内」である確率は高いように感じます

 

そんな大統領がリードするアメリカという国を通じて今後もモノを見続けるのか?

というよりは,

第二次大戦以降アメリカ視点でモノを見てきているのだという自覚はあったか?

 

好き嫌いは抜きにして,シナリオづくりや動き方を学びつつ(本当にシナリオか?は別として),

知識を得つつ,考えつつ,自分の力をつけていくことが必要に感じます

 

 

という学びはともかく・・・

日本の「重大な課題」について,新たな(?)事実が発覚しています

福島第一原発の廃炉問題,です

 

廃炉に向けて独・仏に支援してもらうことになっても

原子炉内で核燃料が溶け落ちていることが確認され,

その堆積物を除去する作業は,カメラが壊れるほどの放射線がある中で行われる・・・

 

このあまりに重大な問題について,特にテレビではほとんど報道されていないように見えます

 

福島第一原発の問題とトランプ大統領の話題と共通するのは,

「現実を直視することに慣れていない? 避けようとする」 ということ

人間,そういうものだという自覚をすることで,

何か自分の考えや行動に良い影響を与えないかな? と考えた一週間でした

20170129~20170203

   

【今週の一冊】 

「新・観光立国論」 デービッド・アトキンソン著

 

 

旧正月を迎えた週,

「中国の方々」の600万人以上が日本を含む海外に渡航されたそうです

日本は人気渡航先ランキング2位(トップはタイ)

 

また,日本への訪日外国人数は2016年の1年間で2400万人

うち中国本土から600万人以上,台湾・香港と合わせると半数を超えています

 

日本政府の観光政策ブレインでもあるデービッド・アトキンソン氏は

代表的な著書としても有名な「新・観光立国論」の中で

「日本は2030年に訪日客数8200万人を目標とすべき」と提言していますが,

観光立国化を国家戦略としている日本にとって,

「中国の方々」は今を支えるとてもありがたいお客様,です

 

なのですが・・・

中国と日本,国同士の関係ってどうだったっけ?

日本人の中国(と「中国の方々」)に対する「感情」ってどうだったっけ?

 

アメリカの(トランプ大統領の?)恫喝にも似た動きは世界中を混乱させていますが,

実は過去にも同じようなことはあったわけです

矛先は日本,自動車メーカーに向けられましたし,

基軸通貨の安定という名の下でのプラザ合意による協調介入=ドル安誘導もありました

 

なのですが・・・

アメリカと日本,国同士の関係ってどうだったっけ?

日本人のアメリカ(と「アメリカの方々」)に対する「感情」ってどうだったっけ?

 

個人には「人格」があります

また,法人に「法人格」という人格があるように,国家にも「国家人格」のようなものがあるように思いますし,それは別々に見るべき対象であるように思います

 

経済にマクロの視点とミクロの視点があるように,

もう少し,一人ひとりに目を配ること,一人ひとり(一つひとつ)に分解して見ていくこともした方が

事の本質に近づけるのではないか?

そんなことを考えた一週間でした

20170121~20170127

 

 【今週の一冊】 

「君主論」 マキャベリ著

 

 

今週も話題の中心はトランプ大統領,でした

署名した大統領令は1週間で13,オバマ前大統領は4つだったそうなので,スゴイ数です

 

何をやりだすかわからない,というようなコメント等も耳にしますが,私には単純な話に見えます

 

「オレの船に乗ったヤツ(の雇用,というより仕事の口の数)は,オレが守る,そうじゃないヤツ(他国含めて)は知らん」

「オレの船を守るために,協力しない国には報復(?)する」

 

要は,原則(=就任演説)に従って決断しているだけ

現実主義と称されるマキャベリの「君主論」を地で行こうとしている,とでも言いますか

(この先,ボロが出るのか出ないのか,などは,まったくわかりませんけれど・・・)

 

ただ,そんな派手な動きに隠れて(?)とでも言った方がいいかもしれませんが,

日本の現実を突きつけられる事実が公表されています

 財政収支問題

 年金問題

 原発後処理問題 などなど・・・

 ※安全保障など,潜在的な問題は,もっともっとあるわけですが・・・

 

こんな大きな宿題に,ぜんぜん応えられていない・・・というのが日本という国の現実

この宿題に対して,「どう対応するか」

 

何でもかんでもトランプ大統領のマネをすればいいわけではないでしょうが,

ただ,提示した方針に沿って判断していく,決断していく,というのは,マネすべきなんじゃないかな,

ということを考えた1週間でした

 

(補足)

トランプ大統領が「君主論」を地で行くなら,

意見を求める相手は「自分が意見すること許した人間のみ」でしょうから,

各国がどんな交渉を持ちかけようが理解を求めようが何しようが,言うことなど聞かないでしょう

(という立場で,アメリカとの交渉に臨む覚悟が必要)

20170114~20170120 

 

【今週の一冊】 

「奴隷のしつけ方」 マルクス・シドニウス・ファルクス著

 

 

大寒波の中でセンター試験があった週末を越え,

安倍首相がASEAN諸国を訪問,多くの支援や連携の確認に動いた週は

通常国会が始まる週でもありました

そんな動きが一気に吹き飛ばすトランプ政権誕生・・・

 

始動したのは日本時間の21日になってから,ですから,

本来この振り返りにも含まれない話題,なのですが,

インパクト,大きいですね(苦笑)

 

ただ,本当に思うのですが,

報道だけを見てしまうと,かえって混乱してしまうように思います

むしろ,真意の発端にあること=演説,をベースに個別の事象を見れば,

それほど驚くことでもなく・・・

 

大統領就任演説全文を確認すると

正直,トランプ大統領が言っていることは,ずっと変わっていないように感じます

「オレは米国第一主義,で,政治を動かす

米国製品を買い,米国人を雇う,というルールを守れば,オレは攻撃したりしない」

 

原典確認,が,生活するうえでも重要なんだろうなあ。。。

すべて確認するわけにもいかないけど・・・

と,感じた1週間でした

20170107~20170113

 

【今週の一冊】

「対米交渉のすごい国」 櫻田 大造著

 

 

トランプ次期大統領,面白いです

オバマ大統領の演説と同氏の記者会見とを比較すると

その面白さが際立ちます

良い悪いは別にして・・・

 

市場は一喜一憂している状態に感じます

特に一喜一憂ぶりが見えるのは為替の乱高下

「乗っかる人」にとって,目が離せない展開なのかもしれません

 

また企業も対応に迫られていますね

米企業のみならず,日本企業の対応も「長いものには巻かれよ」的対応が目立ちます

個人のことならともなく,従業員を背負う立場にある方々の判断として

今権力とぶつかることは,得策ではないとの判断なのでしょう

 

「大人になるってどういうことなのかな・・・」と,考えた1週間でした

 

20170101~20170106

 

【今週の一冊】 

「道は開ける」 D.カーネギー著

 

 

新しい一年が始まりました

皆さんはどんな年末年始をお過ごしでしたか?

 

年始ということもあり,

各国首脳もさまざまメッセージを発信しています

国内向けとはいえ,いや国内向けだからこそかもしれませんが,

強い発言,メッセージが多かったように思います

それだけ,国レベルでのせめぎあい,バトルが繰り広げられている,ということなのでしょう

翻って,日本はどうだっただろうか???

 

実家に戻り,年越しそば,初詣に,おせち料理・・・

平和な年末年始だった私ではありますが,

「ゆでガエル」にならないよう,今どんな世の中に自分がいるのか,を把握する努力が必要だ

そして,自分が考え,行動に結びつけることが必要だ

と,改めて思った年始でした